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⑰「転ばぬ先の杖」っていうけど杖で本当に効果ある?英語やスペイン語ではなんという?

【3分で学ぶ教養講座】3つの言語でことわざや慣用句を比較することで、世界で通用する教養を身につけるという連載の第17回目です。(目標は20回まで続けることなので、残りはあと3回!)

今回は「転ばぬ先の杖」についてです。実際の転倒防止に杖は本当に効果があるのでしょうか?またこの意味に相当する表現は、英語やスペイン語ではどういったものなのでしょうか?気になりますね。(そうでもない?)

では、さっそく検証してみましょう。

「転ばぬ先の杖」の意味

前もって用心していれば、失敗することがないというたとえ。
引用:goo辞書

「転ぶかもしれないから、杖をついて行こう!」という気持ちは誰でも理解できますよね。あなたがイメージするのは、多分、お年寄りが杖をついている姿か、登山などの山道での杖ではないでしょうか?

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見てるだけで、心拍数の上がりそうな画像ですね!お年寄りが杖ついて階段とか、ほんと怖いですよね。

お年寄りの転倒防止はどうすれば効果的に防げるの?

いずれ誰もが年老います。高齢になってからの転倒は、死活問題です。これは、防がなければいけません。では、杖はいつから持つのが正しいのでしょうか?そもそも、杖が転倒防止の最適解なのでしょうか?

まず、事実確認から。一体、高齢者はどこで転ぶのでしょうか?

独立行政法人国民生活センターの調査によると、65歳以上の高齢者が転倒などで怪我をした場所は、住宅内が約77%

ほとんど家です!!!家の中が危ないのです。でも、家のどこ???

居室内が45%、階段が約19%、台所・食堂が17%、あとは玄関、洗面所・浴室。

なんと、ほとんど普通の居住空間で突然転倒するという様子が見てとれます。狭い家の中で杖を使うことを、あなたは予想していましたか?

家の中であれば、持ち歩きに便利というよりも安定性のすぐれた杖が便利なようです。あとは、要所での手すりですよね!

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そして、転倒防止の効果のあるハイテク靴下などもおすすめらしいです。(お高いぞ!)

詳しくはこちらを参照。

杖をついて歩くというイメージも、それが両手使いだと雰囲気が少し変わります。ポールウォーキングといって安定歩行の補助効果が高いようです。詳しくはこちら

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65歳以上の高齢者が介護が必要になる理由の第四位に転倒は位置づけられています。しっかり用心しなくては!

英語で相当する意味の表現は?

Prevention is better than cure.
(予防は治療より良い。)

その意味するところは、何か悪いことが起きてから対処するよりも、起きないようにする方がよいということ。

病気を例にとると分かりやすいですよね。一度かかってしまってから、治療するのではなく、かからないようにすることが大切です。糖尿病といった生活習慣病の場合は日々の注意で防げる部分があります。

スペイン語で相当する意味の表現は?

Más vale prevenir que curar.
(治療するより予防する方が価値がある。)

その意味するところは、解決できないような状況にならないように、必要な措置を講じるほうが良いということ。

おや、これは英語表現とほぼ同じ!

それもそのはず、この表現の由来は1500年頃の同じ人の言葉から。それは、エラスムスという哲学者です。ヨーロッパの留学システムの名前にもなっているのでヨーロッパの学生で知らぬ人はいないというほど有名な哲学者です。

取り返しのつかないことにならないようにしっかり予防をしようという考えを表す言葉は、日本語でも英語でもスペイン語でも、健康な体にかかわることで一致していますね。健康は大切すぎなんですよね、今も昔も・・・。体は資本というけれど、人生100年時代には健康は資産です。

そんなこんなで、やっぱりことわざは面白い!

以上、トリリンガル的思考での表現考察でした。

Sacha

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