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やることを決めるために「自分のサイズと持ち物のチェック」をした話

今から9年前、わたしは30歳で、シングルマザーになって5年ほどたったころ、「半分の時間で倍稼ぐ」と決めたことは、今ふりかえっても自分にグッジョブと言いたい。

ただ、そう決めたのは、野望でもなければ憧れでもなかった。むしろしかたなく、そうするしかなかったのだ。


友人たちと旅行に行ったとき、娘のあーちんも一緒に連れて行ったので、毎回食事代をふたり分払う。もちろん旅費も宿泊費もふたり分払う。それはあたりまえのことなんだけど、ふと思った。あれ、共稼ぎの夫婦の友達に対してわたしの世帯収入は半分(ひとり分)なのに、常に2倍払うんだよな、と。そしてそれはこれから先ずっとそうなんだよな、と。


そんな経験から、共稼ぎの夫婦と同じように暮らすには「半分の時間で倍稼ぐ」必要があるとわかった。それが最低条件だなんて厳しいなーと思ったけど、しかたがないからその方法だけを考えた。

「シングルマザーだからお金も時間もなくてしかたがない」とガマンしないで、「シングルマザーだけど人並みの生活ができる方法」だけに頭を使った。ガマンするのがいやだからしかたない。

これを「ポジティブだね」と言う人もいるけど、それはちょっとちがう。おそらくポジティブだったら「お金がなくても大丈夫だよ!」「忙しくても楽しいよ!」って考えられるんじゃないかと思う。わたしは「お金がないと怖い」というネガティブな考えから決断できた


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半分の時間で倍稼ぐ」と決めたはいいが、ではいったい何をすればできるのか。


それを決めるには「当てにいく」ような博打はできない。「失敗するかもしれないし成功するかもしれない」ではダメなのだ。これはチャレンジではなくて、絶対に叶うことしかしない。とはじめから心に決めていた。失敗、怖いし。

そこでわたしが徹底的にしたことは「自分のサイズと持ち物を知る」ことだった。

「自分のサイズを知る」というのは、環境や性格や「こうしたい」という希望 を洗い出して、自分だけのでこぼこを把握すること。

たとえばわたしの場合は「決まった時間に仕事できない」(ノってるときはいくらでもやるけど、出社時間だからといってできない。他に大事な用事があったら優先したい)とか、「18時以降は働かない(働けない)」「あーちんと一緒に夏休みをとりたいから夏は働かない」とか、「自分で把握できない見えない部分があるとフリーズして機能しない」とかだった。

わたしはほぼマイナス要素だけど(ひどい)、人によってはもっと「これだけは譲れない」というしたいこともでてくるだろう。でも、何が出てきたとしても自分のサイズをぴったり把握するのには嘘をつかずにわがままを出し切ったほうがいい


自分の持ち物を知る」というのは、「自分にできること」を並べること。

これは「こうなりたい」は一切入れず、現時点で持っているものを洗い出す。

たとえばわたしの場合は「全体を把握する(したい)力」とか「おせっかい」とか「解決力」とか「機嫌よく働く」とか「メールの処理能力」とか「人使いが荒い」とか。それ以外にも「お菓子業界でしてきた仕事」ももちろんぜんぶ細かく並べる。

この「持ち物」の中からできることしかやらない、と決めた。「できたらいいな」「やってみたいな」のことは選ばない


決め方や理由の詳細は以前書いたので省くけど、とにかくこの「サイズと持ち物」を書き足したり消したりにらめっこをした。家の間取りと家具の配置を図面の上でなんども試すように「これだったらどうかな」といろんなプランを作った。「金銭面で継続がむずかしいから却下」などと何百パターンでもつくっては壊していき、そのうちすこしずつ見えてきて、最終的にトーナメント戦で残ったのが「クッキー屋さん(店舗とオンラインで販売)だった。


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自分のサイズを盛りもしないで謙遜でサゲもしないで正確に知っていると、ブカブカの服やキツキツの靴を選ばなくてすむ。はじめから選択肢にも入れない。他人に言われた「似合ってますよ」とかに疑惑を持たなくてすむ。自分がいちばん知っているから

自分の持ち物を知っていると、自分が何ができるかだけではなくて、他人の何と組み合わせると役に立つかがわかる。持ち物にないものを求められて「役に立たない」と落ち込まなくてすむ


だから、わたしのように極端な選択のときだけじゃなくても、「自分のサイズと持ち物を知る」ことはどんな人にとっても必要だと思う。

そして、持ち物はあとから増えるし、サイズも変わっていく。それは、自分で変化させることではなくて、環境や他人によって変わっていくことだから、自分が「誰と」「どこで」いるとよろこぶのかも無視しないで考慮したい。

と、まあ結局は一気に決めることなんてすごくむずかしい。

わたしも、何年経っても気がつかないうちにガマンを続けていたり、まちがえてばかりでとても「これが正解」とは思えないから、サイズと持ち物をチェックしながらいつまでたっても考え続けている。

そのしつこさも、わたしの「持ち物」なんだろう。



#やりたいこと100個 と同時に #サイズと持ち物チェック も、ぜひやってみてください。

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