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2015年ベストディスクTOP10(シングル編)

わたしの出身大学は、学年を「1年」「2年」などとは呼ばず、卒業年度の下二桁で呼ぶ。例えば1つ上の先輩は「14」だったし、1個下の後輩は「16」だ。つまり自分の学年が何と呼ばれていたかというと、「15(イチゴ)」。そういうわけで、2015年という年号のことは少なくとも4年前からは意識せずには生活できなかったし、それでいて「2015年」はどこか来るはずのない、遠い未来のように思っていた。

そんな2015年が、いつの間にか終わりかけている。音楽を聴いたり、特撮ヒーローを凝視したり、アイドルを愛でたり、文章を書いたりしている間に、いつの間やら年の瀬が迫っている。歳を重ねるごとに時間がすぎるのは早く感じるようになるよ、と色々な人に言われたことがあるけれど、弱冠23歳にしてこんなにも体感時間が早くなるものか。恐怖のような感情さえも抱きながら、今この文章を書いている。

さて、音楽好きにとって年末といえば欠かせないのが「ベスト・ディスク」の選定である。「ベスト・ディスク」といえば普通はアルバムをイメージするとは思うんだけれど、個人的な感想を言わせてもらえば、今年はシングルが実に豊作な1年だった。今までになく大量のシングルCDを購入していたし(アイドルにハマったからだろ、なんて言わないで!)、特に下半期は、2,3曲で1枚の作品として成り立つシングルCDって本当面白いななどと常に考えていた。

なので、ここでは私が選ぶベスト・シングルトップ10を発表してみたい。もうちょっとカオスになるかと思って並べてみたんだけれど、意外とわかりやすいランキングになりました。どれもこれも超オススメなので、何なら買ってくれということでamazonのリンクも入れてみていたり。それでは、ベスト・シングル10選、どうぞ。

10位:「MUTOPIA」/ BIGMAMA

何と言っても表題曲がいい。多幸感に溢れる、楽しい1曲。BIGMAMAは「愛」とか「幸せ」をモチーフにした曲が多いと思うんだけれど、中でも「MUTOPIA」は両腕にいっぱいの幸せをぶわーっと撒き散らしているような、そんな曲。

この曲が面白いのは、地域によって歌詞の違うバージョンがあるということ。…となると、だいたい関東は基本のバージョンと大差なくて面白くないんだろうな、などと卑屈なことを思ってしまっていたんだけれど(笑)。関東地方で発売された「MUTOPIA」のご当地盤は、なんと「MUTOPIA for Party People」。いやー、これは嬉しかった。ちょっとした特別扱い感。そして、こうして見ると関東のフェスの多いこと!改めて、自分の置かれている環境って恵まれているんだなぁ、などと思う。他の地方盤を聴いても、どの地方も特徴を捉えているし、何より愛に満ちている。一つ一つの場所をしっかり思い浮かべながら作ったんだろうなって。金井政人という人は本当に、愛に満ちた人だ。

その愛が向けられているのは各地方だけでなく、音楽に対しても同様である。〈そのまま間違ってキスをしようよ 抱き合って戯れあって溶けてしまおう どんな明日が待ち受けていても 全て忘れて今夜ひとつになろう〉という激しい歌詞は一見ふしだらにすらも思えるけれど、音楽への愛と信頼があるからこそ生まれる言葉だと思う。素晴らしい音楽のもと、集った人々が愛を育む。こんな素敵なことがあるだろうか。音楽で”ユートピア”を完璧に描き切った1曲。

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9位:「さよならスカーレット/レコンキスタ」/ 限りなく透明な果実

このバンドのことを知らない人も多いと思うので簡単に説明すると、彼らは渋谷や下北沢のライブハウスを中心に活動するインディーズ・バンド。3ピースとは思えないライブでのエネルギーと、物語性の強い楽曲が特徴だ。

そんな彼らが発売した今作は、わたしが生まれて初めて購入したアナログ・レコード。このご時世、CDではなくアナログ盤のみを販売するなんて(ダウンロード用のコードがついていたとはいえ)!ちゃんと再生できるかドキドキしながら針を下ろし、ちょっと掠れたような、それでいて温かいような音を初めて聴いたという体験まで含めて、今年のベスト・シングル10選に入れたいと思った。

サトルさんの声は高音の伸びが本当に綺麗で、ファルセットもはっきりと響く。その声で歌われる〈日曜日 誕生日 スカーレット スカーレット〉という言葉が美しくて、引き込まれる。お伽話のような不思議な歌詞と、それを読み聞かせるようなサトルさんの優しい歌。目を閉じて、うっとりと聴き入ってしまう。

一方、「レコンキスタ」はより明るい雰囲気を持った曲。「再征服」「国土回復運動」を意味するこの曲はどこか懐かしく、やわらかく響く。果実が今まで発表してきた曲に比べると派手さは無いが、そのかわりに子守唄のような優しさを持った歌だ。ゆったりとした時間を過ごす時に、欠かせないシングルである。

果実は、この温かな2曲をさらに穏やかに聴いてほしいという思いから、あえてアナログ盤のみの発売に踏み切ったのではないかと思う。工夫とこだわりのにじみ出る1枚。

8位:「Otherside/愛が止まるまでは」/ SMAP

このシングルは、「Otherside」がものすごくかっこいい。MIYAVIの鳴らすいかついギターに、〈Othersideへ High Speedで まだ行こうぜ〉という不敵な歌詞がこの上なくかっこいい(この歌詞が「SMAPの独立を示唆している」とかっていうどうしようもない分析もあるみたいだけど、んなこた知らん)。MIYAVIがSMAPに提供したシングルとしては昨年の「Top of the World」も7拍子が癖になる曲だったんだけれど、今回もヤバい。SMAPには、意外とギターロック的な曲が少ない。ここまでゴリゴリのギターが効いたシングルは、初めてなんじゃないだろうか。どこを切り取ってもギラギラしていて、一瞬の隙もなく大スターとしての風格を見せつけるこの曲が大好きだ。

2曲目は、川谷絵音提供曲「愛が止まるまでは」。申し訳ないけれど、わたしは、川谷氏がどうしても好きになれない。好きになる気もない。ただ、今回の曲はSMAPのデビュー曲「Can’t Stop!!-LOVING-」をなぞるかのようなタイトルだったから、発表当初は「川谷絵音、やるなぁ」とか思っていて。そしたら、川谷氏はSMAPが「Can’t Stop!!-LOVING-」という曲でデビューしたことを知らずにこの曲を書いたのだという。何か、もう、腹が立って仕方がなかった(笑)。お前、知らずに「愛が止まるまでは」なんて曲書いたのかよ、っていう(笑)。未だにどこか悔しいんだけれど、運命的って本当にこういうことを言うんだろうと思う。〈I love you〉という歌詞を何度も何度もSMAPに歌わせているのが素晴らしくて、やっぱり悔しい。1つの曲を聴いてこんなに動揺したのは、初めての経験だった(笑)。

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7位:「記号として/'I'Novel」/ RADWIMPS

RADWIMPSは振りきれた二面性を持ったバンドだと思っているんだけれど、今回のシングルではその二面性が遺憾なく発揮されている。アニバーサリー・イヤーに突入するRADが自らの現在地を示すためにこの2曲を用いたのは、あまりにも必然であろう。

「記号として」は刃のように鋭い言葉を羅列し、聴き手に容赦なく斬りかかるかのような、そんな曲。一方「’I’ Novel」は何てことのない言葉を組み合わせ、何てことのない日常に潜む美しい感情を丁寧に拾い集めた曲。対照的なのはその歌詞だけではない。「記号として」では、鬼気迫るような複雑なリズムが、聴き手を飲み込まんばかりの勢いで押し寄せてくる。しかし、「’I’ Novel」では打って変わって、一歩一歩踏みしめて歩いて行くかのような堅実なリズムとメロディが耳に心地良い。こんな正反対の2曲が、同じシングルに当然のように収まっているのだ。RADWIMPSとは、空恐ろしいバンドである。カップリング「風呂上がりの」もさりげなくて良い曲で、まさにRADのカップリングである(伝わる?)。

少し話が逸れるけれど、RADはずっとずっと「愛」を歌ってきたバンドだと思っていて。それこそ、初期の頃は「君と僕」だけの世界を歌っていたし、最近はもっと大きな存在、あるいは世界に対する愛を歌ってきた。そんな洋次郎さんが「’I’ Novel」で取り上げたテーマは、「自分」。たった1人しかいない自分のことを丁寧に紐解いて、きちんと愛せるように歌っている、そんな曲。そういった意味では「魔法鏡」を彷彿とさせる。いつか、何年も、何十年も経ってからこの曲を聴いた時、ちゃんと自分を好きになっていられるといいな。そんなことを思わされるシングル。

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関連記事:【RADWIMPSの胎盤】RADWIMPS×いきものがかり

6位:「反逆のマーチ/ダークホース/誰も知らない/Mad Pierrot」/ 9mm Parabellum Bullet

9mmの、クワトロA-sideシングル。これはもう、コンセプトだけで面白い。4人のメンバーがそれぞれ楽曲をプロデュースしているのに、誰がどう聴いても全ての曲がしっかりと「9mmの曲」になっているのが素晴らしい。

それでいて、4曲にはしっかりと彼らの個性が出ている。王道の”9mmらしさ”を前面に押し出した滝さんの「反逆のマーチ」、9mmをさらに王道のロックに寄せたような中村さんの「ダークホース」、ロマンティックな歌詞が炸裂する「誰も知らない」、そして歌謡曲全開のちひろ曲「Mad Pierrot」。9月9日のライブの感想にも書いたが、わたしはちひろさんの書くメロディのダサさが大好きだ。リズムが楽しいのは、ドラマーが書いた曲故だろうか。この曲のサビの〈待っている〉で卓郎さんが声を張り上げるのが最高。卓郎さんの声はやっぱり、張った時が一番良い。ちひろさんは、卓郎さんの魅力をよく分かっている(笑)。

4者4様のソングライターが9mmを書いている中でも、やはり滝さん作曲の「反逆のマーチ」は別格。非常に気持ちの悪いギターリフと、問答無用でオーディエンスを飛び跳ねさせるサビは、まさにプロの犯行だ。大サビでは韻を踏んでいるようなフレーズも出てきて、盛りだくさんの1曲。「ダークホース」「誰も知らない」も合わせて、繰り返し繰り返し聴き続けてしまう1枚だ。

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関連記事:【9mm Parabellum Bullet】15/09/09 QUATTRO A-side Single Release Party

5位:「やっちゃった!!」/ 舞祭組

ちょっと別格扱いにしちゃおうかなぁと思ったんだけれど(笑)。ま、今年に関しては、この1枚無しにわたしの1年は語れない。もう、しょうがない。今年聴いた回数だけでいえば、多分この曲がぶっちぎりの1位だ。

この曲がきっかけだったというわけでは別段ないんだけれど、今年の春先からわたしはKis-My-Ft2の、というか舞祭組のファンをしている。彼らの曲はこれまでの2曲ももちろん聴いてきているが、どちらも割とコミックソング。「棚からぼたもち」はフロントメンバーの名前をうまく歌詞に盛り込んでいるし、「てぃれけつ」は言わずもがなだろう。しかし、「やっちゃった!!」は今までの2曲とは一線を画していると思う。上司や日々の仕事への愚痴、うまくいかないことへの憤りを歌った後、彼らは〈笑われたっていい 何も悪くない〉と歌うのだ。それも、楽しげで幸せな雰囲気を持つ音楽に乗せて。

この曲を聴く度に、大サビで泣きそうになる。〈Everything is OK Oh Everything is OK〉という歌詞を、横尾さんはどんな思いで歌ったんだろう、と(この部分、メロディがまた、すごく良いのだ)。「後列アイドル」として、「ブサイク」という名前をつけられて、それでも走ることをやめなかった4人。この歌自体がかなりかっこいいロックナンバーなので、多分舞祭組の歌じゃなくても好きになっていたと思うけど、それでも「やっちゃった!!」はこの4人が歌うからこそ意味がある。〈Everything is OK〉〈明日も最初は笑顔で始めよう〉って、一緒にそう思うことができる。いろんなことを受け止めて、跳ね返して、全てエネルギーにしたこの曲は、とても強いパワーを持っている。

あ、〈コラ!〉と吠える二階堂さんがかっこいいのは言うまでもない話です。

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関連記事:KIS-MY-WORLD 09/17(3/3)~アンコールの舞祭組バンドに歓喜した話&総括

4位:「新宝島」/ サカナクション

「バクマン。」はもともと好きな漫画だ。映画自体にはちょっと期待をしすぎていた感が否めなかったんだけれど、でもこの主題歌がとても良かった。壮大に始まった…と思ったら軽快なギターリフに切り替わるイントロ。「タッタッタッタタッタッタタッタッ」というあのリズムが、癖になる。あと「ていね ていね ていねいにー」のところも。山口一郎は、言葉を一つの楽器として使いこなしているように思う。

このシングル、良いのは表題曲「新宝島」だけじゃない。カップリングの「聴きたかったダンスミュージック、リキッドルームに」はもう、タイトルだけで間違いなく良曲だと感じさせる。もちろん、曲自体も非常に良い。サカナクションを聴いていると、「サカナクションを聴いている自分ってセンスが良いな」という気分になれるから好きだ(笑)。

もう一つ、このシングルを語る上で欠かすことができないのが「MOTION MUSIC OF BAKUMAN」。「バクマン。」の映画自体には期待をしすぎていた、と上で書いたんだけれど、音楽は本当に良くて。ペン先が紙に線を刻むシュッ、シュッという音が、徐々に重なって音楽になる。それを聴いているだけで、なんだかワクワクしてくる。ともすれば聴き逃してしまいそうな身近な生活音にも、音楽は潜んでいるのだ。

ちなみに最近のわたしのお気に入りは、この「MOTION MUSIC OF BAKUMAN」を聴きながら「DEATH NOTE」を読むこと。正しいような間違っているような(笑)。

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3位:「アンビリーバーズ」 / 米津玄師

発売になってからしばらくして、予定外に買ってしまったシングル。

わたしの職場は勤務時間中、ずっとJ-WAVEが流れていて。当然、様々な流行曲が流れてくるんだけれど、基本的には忙しいのでそれほどしっかりとラジオを聴いているわけではない。気になる曲とか好きな曲が流れていると、少し耳が向くくらいだ。だけど、「アンビリーバーズ」にはなぜか、流れてくる度に完全に意識を持って行かれていた。3回くらいそんなことがあったので、これはもう買うしかないなと思い、仕事帰りにタワレコで購入した。

〈今は信じない 果てのない悲しみを〉と、自分たちは〈アンビリーバーズ〉なのだと歌うこの曲の主人公が、ただひとつ肯定的に歌うのが「君」のこと。〈誰がどんなに疑おうと 僕は愛してるよ君の全てを〉という歌詞に、ハッとさせられる。愛って元来、そういうものだよなって。どんな複雑な言葉よりも、この1フレーズは強く突き刺さる。

この曲は、どことなく「始まり」を思わせる。1曲通して聴き終わっても、まだここから何かが始まるんじゃないか、まだオープニングにすぎないんじゃないかと感じさせるような雰囲気を持っている。この壮大なオープニング曲に続くのはどんな物語なんだろう、この〈僕ら〉の先に待っている結末はどんなものなんだろうって思いを馳せたくなる。

この曲、いつか自分の結婚式で流したいと思っていて。でも〈残酷な結末〉とかって歌詞が入ってる曲、流すって言ったら嫌がられるかな。笑

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2位:「Moonlight Walker」/ A.B.C-Z

下半期に発売された中でぶっちぎりに素晴らしいシングルだったのが、A.B.C-Zがついに発売したCDシングル。通常版Aを購入したので「Moonlight Walker」「ラブレター」の2曲しか聴いていないんだけれど、この2曲がどちらも素晴らしかった。ジャニーズを好きな人は全員聴くべき、というかJポップを好きな人なら全員聴くべき。

まず「Moonlight Walker」は、作詞:松井五郎、作曲:馬飼野康二というジャニオタ垂涎の作家陣を迎えた楽曲。イントロの金管楽器から、一点の曇りもなく格好いい。〈What’s your name?〉という、とっつー(戸塚宏太)とふみきゅん(河合郁人)のセリフ部分が、どきどきするくらい良い。ふみきゅんの、〈name?〉の語尾を柔らかく伸ばす言い方がめちゃくちゃ好き。〈ふたつの唇 なにが変わるの? 囁く言葉は 嘘もありなの?〉の部分は、めまぐるしく変わる歌割りに耳を奪われる。はっしー(橋本良亮)の声が甘すぎて、くらくらする。というか、えびはメンバー各自の声がとても甘い。一人残らず、甘い。そんな声でこんなかっこいい曲を歌われるんだから、ちょっとでも気を抜くと落ちそうになる。

あとは大サビの〈I wanna do… Face to face I wanna do… Heart to heart〉の語感がずるい。一つ一つ挙げていくときりがなくなるので、これ個別でエントリー書けば良かったなと後悔し始めています。

カップリングの「ラブレター」もまた良くて。「Moonlight Walker」とはがらりと違う雰囲気の、やさしいラブソング。ドキドキしきった耳と心を柔らかい音楽でふわりと包むもんだから、やっぱりアイドルってずるい(笑)。〈せいいっぱい 思いを歌に乗せて〉〈たとえ明日が見えなくても 僕がいるから さぁ歩こう〉という一生懸命な歌詞が、ちょっと痒くなるくらい真っ直ぐに届けられる。こんな曲を自担に歌ってもらえたら幸せだろうな。2曲のバランスも良くて、素晴らしいシングルでした。

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1位:「シュガーソングとビターステップ」/ UNISON SQUARE GARDEN

もうね、これ。今年は、どうしたってこれ。このシングルがめちゃくちゃ良いっていうのは、今更何か書くことがあるだろうかってくらい既に散々書いてるので正直そんなに言うことはないんだけれど、やっぱり聴けば聴くほど名曲。この曲のことをあちこちで絶賛しすぎているので、そろそろユニゾンのスタッフから謝礼をもらっても良いような気さえもしている(笑)。

本当に「ポップ」な曲って、一回聴いただけですぐに覚えて一緒に歌いたくなるものだと思うんだけれど、この曲がまさにそれ。〈ママレード&シュガーソング、ピーナッツ&ビターステップ 甘くて苦くて目が回りそうです〉というフレーズは、一度聴いたら耳にこびりついて離れない。そのくらい覚えやすいメロディなのに、その裏ではギター・ベース・ドラムが実にいろんな動きをしている。2番の〈正論に揉まれて〉の裏で鳴っている「だだだだだだだだだだーん」という3連符、たまらなさすぎる。決して派手な楽曲ではない、どちらかといえばこぢんまりと纏まった曲なんだけれど、その中で3人が実に器用な立ち回りを見せている、という感じ。

あちこちで書いているんだけど、〈世界中を、驚かせ続けよう。〉という歌詞は何度聴いても鳥肌が立つ。このシングルを初めて聴いた時、わたしは「できるもんならやってみろ、」と書いた。それから半年、ユニゾンは間違いなく我々を「驚かせ続け」てきた。多分彼らは来年も、再来年も失速せず、どんどん我々を驚かせていくのだろう。自ら上げまくったハードルをいとも容易く(実際はそんなことないのかもしれないけど、少なくとも傍目からはそう見える)飛び越えてみせる。とんでもないバンドだ、UNISON SQUARE GARDENは。

ちなみに、いつも表題曲の話ばかりしているけど、カップリングの「シグナルABC」「東京シナリオ」も超ユニゾンっぽいのでおすすめ。このシングルを1枚聴けば、それだけでユニゾンというバンドの魅力が分かるはずだ。

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関連記事:2015年上半期最高のキラー・チューン「シュガーソングとビターステップ」

ライブ10選とかアルバム10選(5選になるかも)とか色々やりたいと思ってはいるので、体力と時間があったら追々。

<2015年 私的ベスト・シングル10選>

10位 「MUTOPIA」/ BIGMAMA
9位 「さよならスカーレット/レコンキスタ」/ 限りなく透明な果実
8位 「Otherside/愛が止まるまでは」/ SMAP
7位 「記号として/'I'Novel」/ RADWIMPS
6位 「反逆のマーチ/ダークホース/誰も知らない/Mad Pierrot」/ 9mm Parabellum Bullet
5位 「やっちゃった!!」/ 舞祭組
4位 「新宝島」/ サカナクション
3位 「アンビリーバーズ」/ 米津玄師
2位 「Moonlight Walker」/ A.B.C-Z.
1位 「シュガーソングとビターステップ」/ UNISON SQUARE GARDEN

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