Superhumanの驚異的な顧客獲得を解剖する(2/3)
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Superhumanの驚異的な顧客獲得を解剖する(2/3)

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オンボーディング

Superhumanのオンボーディング・フローも特筆すべきものです。

Superhumanは、他の生産性向上ツールに比べて積極的なオンボーディングフローを採用しています。登録した人は全員、チームの誰かにオンボーディングされます。その内容は、ビデオ通話からCEOとの直接のミーティングまで多岐にわたります。エンタープライズセールスでは一般的ですが、コンシューマー向けアプリでは珍しいことです。エンタープライズとコンシューマーのハイブリッド化のフロンティアは広がり続けています。より正確に言えば、企業はそれが明確な隔たりではなく、グラデーションであることを認識しつつあります。Superhumanのオンボーディングフローは、新規の有機的な流通を促進し、解約を減らし、よりタイトなフィードバックループを実現します。

Superhumanのハイタッチオンボーディングがすべての企業に適しているとは限りません。しかし、大きくコストをかけずに、適切な顧客層に向けて実施することで、ROIがプラスになる効果的なバリエーションはあるはずです。また、人間を使ったアプローチでなくても、製品にサポートされた手厚い体験を、コストをかけずに実現できる可能性もあります。

ここでは、いくつかの利点についてご紹介します:

一般的な生産性向上のヒント
お客様のワークフローを手作業で観察し、一般的な生産性向上のヒントを提供します(Superhumanアプリに含まれていない場合でも)。これは有用であり、お客様との信頼関係を築くことができます。

著者注:command-tabを知らない人がいたというのは、私にとっては驚きです。コマンドタブがあれば、すべてのアプリを瞬時に繰り返し切り替えることができますから。

Superhumanのセットアップ
手元にある状態で、Superhumanのセットアップを行ってもらいます。多くの企業では、潜在的な顧客が興味を示しても、実際にセットアップを行うまでにかなりの時間を要します。Superhumanは、オンボーディングを直接行うことで、このチャーンをなくします。

また、セットアップを管理することで、お客様にとって理想的だと思われるセットアップをカスタマイズすることができます。例えば、あなたの受信箱を見て、理想的な分割受信箱を提案し、あなたが自分で見つけるのではなく、その場で設定することができます。このように、新しいワークフローへの移行を支援することで、チャーンの可能性を減らすことができます。

ワークフローの処方
ほとんどのアプリケーションは、顧客が好きなように使えることを望んでいます。一方、Superhumanチームは、お客様のワークフローがどうあるべきかについて、強く規定しています。初期の頃は、同じEメール観を共有しないユーザーを受け入れないこともありました。これがどの程度スケールするのか、また、よりメインストリームの新しい顧客にワークフローを採用してもらう上での有効性については疑問があります。しかし、ユーザーをより成功しやすいSuperhumanの使い方にシフトさせることができるというメリットがあります。

インスタント・インボックス・ゼロ
オンボーディングセッションでは、受信箱をゼロにするようにプッシュします。メールの数が少なければ、あなたがメールを全て削除するまで待ちます。たくさんのメールがある場合は、あなたの受信箱を空にして、メール破産を提案します。受信箱がゼロの状態から始めることで、彼らの受信箱管理の考え方に従う可能性が高くなります。そして、セッションを抜け出して受信箱をすべて整理したような感覚は、新規ユーザーにとって魔法のような瞬間です。

著者注:メールをこんなに効率的に処理しようという気になったのは、横に座っているSuperhuman社のCEOが、時間をかけて辛抱強く相手してくれたときが初めてでした。そして、私のメールワークフローを懐疑的に見ていたことでしょう笑。

緊密なフィードバックループ
すべてのお客様に手動でオンボードすることで、お客様がどのようにメールを利用しているか、Superhumanの何に共感しているのか、オンボード時や製品使用時にお客様が苦労している点はどこかなど、非常に緊密なフィードバックループが生まれます。この継続的なユーザー調査により、チームは製品を迅速に改善することができ、また同様にSuperhumanの価値提案を迅速に改善することができます。

セグメント化されたオンボーディング
多くの企業では、すべてのお客様に同じオンボーディングフローを提供しています。これは、各顧客の価値にばらつきがないと考えているからであり、仮にばらつきがあったとしても事前に知ることができないからです。Superhumanはソーシャルリファーラル、口コミ、Twitterのようなソーシャルプラットフォームでの議論などの恩恵を受けているため、桁外れの新規ユーザーを牽引できる人が存在する可能性があります。同様に、会社全体を変えることができるお客様や、将来的に投資家になるかもしれないお客様も、より大きな価値を生み出します。Superhumanは、その顧客を獲得することで得られる非即時的な金銭的リターンを考慮して、チームの誰が顧客をオンボーディングするかを決めることができます。

人と人とのつながり
Superhumanでは、すべてのオンボーディングをチームの誰かが行います。重要なのは、新規ユーザーはすでに高い意思を持っているため、営業志向がはるかに少ないということです。そして、製品のセットアップと学習に集中しています。ユーザーが会社の誰かを知っていると、解約率が下がるのではないかと思います。CEOが個人的にあなたを受け入れれば、退会するのはより難しくなり、より個人的になります。

また、製品と人間の顔を結びつけることで(そしてあなたにさらに買わせようとする者でなく)、ダイナミクスを変えます。製品がよりパーソナルなものに感じられます。これは、解約だけでなく、フィードバックや苦情をメールで伝えるときの気持ちや、メールを読む可能性を高めることなどにもつながると思います。

ベースライン・オンボーディング
初期のオンボーディングは、すべてCEOのRahulが行いました。フィードバックのループがしっかりしているというメリット以上に、私はこれを強くお勧めします。CEO以上に製品を売り込むことができる人はいないでしょう。彼は製品全体を熟知しているだけではありません。率直に言って、CEOが製品の説明をしてくれた方が効果的です。お客様が解約する可能性が低くなる、などです。CEOの時間は最も貴重で拡張性がないため、これ単体ではあまり意味がありません。

しかし、初期のオンボーディングをRahulが行うことで、ベースラインを設定することができます。会社がオンボーディングのフローを徐々にスケールアウトさせていく際に、最もタッチが多く、最もスケーラブルでないプロセスがどのようなものか、比較するためのベースラインができます。これにより、タッチ数の少ない新しいオンボーディングプロセスが、規模の拡大と引き換えに効果性を犠牲にしているかどうかを簡単に把握することができます。

ディライト・ドリブン・ディストリビューション
もし異例的瞬間がSuperhumanのディストリビューションを推し進めるなら、オンボーディングのプロセスはそれを促進するのに最適なタイミングです。Superhumanに関するほとんどのツイートは、オンボーディングを終えたばかりの人たちによるものだと思います。

良い摩擦
Superhumanのオンボーディングプロセスは大きな摩擦を生みます。私は、面倒なプロセスを経たくないという理由で、Superhumanへの登録を避けた人を何人も知っています。今日のセルフサービスの世界で、それを許さない製品があるのは奇妙なことかもしれません。

しかしSuperhumanの成長段階において、リードのセルフ・クオリフィケーション(適性評価)はおそらく純然たるプラスになるでしょう。このプロセスは、悪いというよりも良い摩擦です。良い摩擦は、ループのそのステップを傷つけるように見えますが、ループ全体を正味で向上させます。Superhumanの場合、オンボーディング・プロセスは、契約してくれる人の数を減らす可能性があります。しかし、まだ需要が枯渇していない限り、これはポジティブなことであり、よりコミットしている顧客を事前にフィルタリングするのに役立ちます。

また、他にも大きなメリットがあります。先に述べたように、オンボーディング・プロセスは、リテンションの向上、製品の使い方の教育、そして紹介の向上に役立ちます。もちろん、これは需要が枯渇するようになった場合には変わります。

フィードバック・ループ

多くの企業は、もはやお客様と会話をすることはありません。おかしいと思うかもしれませんが、これは事実です。エンタープライズでは、お客様と話すことが営業活動であるため、話さなければなりません。しかし、B2C企業や非エンタープライズ向け企業では、実際に顧客と話したことのある人はほとんどいません。これには本当の価値があります。そして、みんながうなずいているにもかかわらず、その価値は過小評価されています。

企業とは、規模が大きくなり、顧客へのサービスが向上することで、うまくいけば成長するプロセスに過ぎません。フィードバックループを閉じたり、より速くしたりすることが、複利的成長を作る方法です。

上述したように、Superhumanのオンボーディングフローは、フィードバックループを短縮します。お客様が何を理解し、何に戸惑っているのかをすぐに確認することができます。これにより、製品の新しい変更や枠組みの方法をすぐに試すことができます。そして、私たちの業界がリテンションに重点を置くようになると、カスタマーサービスはサポート機能からリテンションの重要なレバーへと移行します。

Superhumanは、アプリを使用する際のフィードバックの摩擦(および応答時間)を減らすことでもこれを実現しています。フィードバックのためのトップレベルのボタンのほかに、フィードバックを行うための簡単なCMD-Kショートカットがあります。

トップレベルの2つのコマンドは、「1. フィードバック」と「2. 新しいユーザーを紹介する」。これらは、製品を強化し、その利用者を増やすというコアループです。

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