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映画感想文「ブリーディング・ラブ はじまりの旅」ユアン・マクレガー親子共演。許す過程を丁寧に描く

よくある話だ。

幼い頃に別れた父と娘が再開する。そしてふたりきりでドライブするロードムービー。

それでも誰もがキュンと郷愁を誘うのは、ユアン・マクレガーが、名優だからか。それともクララ・マクレガーとの本物の親子の共演がケミストリーを生んだのか。

ヤク中で搬送された娘。生死を彷徨う中、娘が幼い頃に別れた夫婦が顔を合わせる。そして自らも若い頃ヤク中であった父親が娘を更生させようと心を決める。

そうして幼い頃に別れた父と娘が、目的地に向かい、ひたすらドライブする。

車という密室で2人きり。自分を捨てた父を許せない娘は終始反抗的。口論や罵り合いも起きる。そしてひたすら娘はどうしようもない行動を繰り返す。

幼児に戻ったかのような振る舞いの数々。しかしそこに、いまだ割り切れていない彼女の深い悲しみが見え隠れしてる。

父の贖罪も同様に随所に溢れてる。若い頃の自分に対する怒り。受け止めきれず出ていってしまったこと。全てに対し後悔がある。

娘が父を、父は自らを、人を許していく過程が丁寧に描かれており、胸を打つ。なかなか良かった。

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