20191210_Next Culture Summit 2019_Conference Report

20191210_Next Culture Summit 2019_Conference Report
主催:株式会社ニューズピックス
https://ncs2019.newspicks.com/
場所:虎ノ門ヒルズ
日時:2019年12月10日(火)12:15~18:50

テーマ:企業文化を、経営戦略として問い直す。

1)イントロダクション
執行役員 麻生要一

働き方改革、労働時間削減、生産性向上
日本企業の業績は好調 2008の100、2017の890へ。
過去最高の有効求人倍率(バブルの1.43を超え、1.63へ)
⇒人材不足

これからの時代に業績を牽引する組織に必要なもの:企業文化
★ルールやガイドラインではなく、ミッション・バリュー・ヴィジョンで人を動かす

2)KEYNOTE
「企業文化の改革は次なる経営戦略の切り札になり得るか」
Netflix元最高人事責任者 Patty McCord

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<TEAM>
会社は家族ではない。
Netflixでは創業時200名、DVDオンライン宅配サービスをやっていた。
非常に資本集約的な企業。スタートアップとしてはカリフォルニアでたくさん出てきた時期。

IPO検討の段階2001年には、ヤフーが映画を独占していて、多くの人を解雇せざるを得なかった。
しかし、クリスマスにDVDプレイヤーが格安になった。
そのプレイヤーに同梱してNerflixを宣伝した。

このときに悟ったことは、「社員は家族ではない。TEAMだ。勝たなければ死んでしまう。」ということ。

30人削減したが、仕事量は2倍以上になった。それでも「楽しかった」
お客様の為に私たちは勝たなければいけない。

事業の目的は「お客様に役立つものを提供する」こと。
社内の立ち振る舞いに注力していてはダメ。前提として「お客様」を中心に考えること。

アメリカのアイスホッケーの最高の監督がやっていること
⇒監督と選手が「勝つということ」に誠実に向き合って話すことを頻度高く実施する。
そして、組織の人間が「大人」であること。優れたリーダーの務め。

人々に権限をちゃんと与えること。人々は貢献する力をもっている大人である。
★一人一人を「大人」として扱う、ことを決めた。

イノベーティブでスピーディな会社になりたいと思ったら、
今までの「当たり前」を見直したらどうだろうか?


<TALENT>
★勝つための文化を作る「タレント」が重要
一歩下がって「6か月後」のTEAMを考える必要がある。
どのように、より多くの意思決定をすればいいか?を考えていくこと。
そこにスケジュール感をもって課題に取り組むこと。

何が問題なにか?をいつも考える。そして対策を常に考える。
成功する為の能力。

Netflixが最初に決めたのは「クラウドでやろう」ということだけ。
10年前。才能のあるプロフェッショナルな人たちと一緒に9か月でシステム構築をした。
⇒これがグローバルな動画サービスを提供できた鍵。
 当時のチームがよくできていなければ、今の会社はありえない。

適切な人たちが、適切な役割をもって働くことが重要。
大きな目的に向けての方向性を認識し、アウトプットのみを見ていくこと。
給与は時間に応じて支払うべきものではない。


<TRANSFORMATION>
組織変革(トランスフォーメーション)

やり方は簡単に変えられる。
社内勤務者が退社後にスマートフォンでメールを見ている⇒これはリモートワークと呼べる。
そんなに難しいことじゃない。

ベストプラクティスを疑え!
⇒旧態依然とした体制の会社には新たな才能の若者が採用できない。
たったひとつのことを変えるのに、30名の承認が必要など、変えたいのに文化を変えられない状況が続くと、
結局組織を変えるのは難しい。

一歩下がって考えましょう。
1年間ですべて振り返る、なんてことは無理。1年1回の人事考課は物理的な無理がある。

時間とシステムを迂回して予算承認を獲ろうとするよりも、
本質的に「なにがしたいのか?」を明確にすることに時間を使いたい。

「自由」がもっとも最適な決断をすることが出来る。
⇒みんなお客様が必要なことや、会社が最大限利益を出す方法、
自分たちがどこまで出来ているか?は社員は分かっている。

重要なことは「コンテキスト」をもって取り組むこと
失敗してもそこから学べば良い。変化に対して恐れなく取り組んでいく。

いままでと違うやり方を、部屋にいるメンバーが全員喜べる、
そういうワクワクしてチャレンジするには、
「コンテキスト」と「自由」を与えること


2-2)ディスカッション
モデレーター 佐々木裕子

Q.成功の最大の障壁はなにか?

A.これまで長きに渡る成功などの過去の慣習
 世界が変わっていることに気が付くことが重要。

Q.どのように具体的に実行を起こすには何が必要か?具体的なNetflixの取り組み。

A.Netflixはまだまだ進化している。カルチャーをアメリカ以外でどう実現するか?が課題になっている。
 Netflixは「もうこれでOKだ!」と絶対に言わない。それが凄い良い文化。
 それは「文化形成」においても同じ。この素晴らしい文化でOKだ!とならない。

Q.動き出したきっかけ、タイミングは?

A.従来型の企業だった当時のCEOが、これからの時代変革に向けて思っていることを
 「書き留めていった」こと。そしてその一つ一つをメンバーにヒアリングしていったこと。

 まずは「行動の期待値」から。まずはお互いへのバリューを明確にすることが重要。
 書き留めてシェアして、社員に配っていくことで企業文化が変わっていった。

・書き留める
・共有する
・意見交換する
 
 の3つが重要。

 しかし、「すべてを一変に180度変えよう」というのは非常に間違い。
 大切なのはローカルなレベルで何が起きているか?を把握すること。現場が重要。
 
「コンテクスト」がない人が多い。つまりバックボーン。
最終ゴールをイメージして逆算して、徐々にイノベーションを重ねていくこと。

たとえばNetflixでは改革として、「自由休暇取得」にした。
最初は大反対で、「そんなことをしたら絶対に誰も会社に来なくなる」と言われたが、

一人ひとりに対して「あなたはちゃんとやってくれる人ね」と伝えて、本気で信じてあげれば、
絶対に全員ちゃんと働き貢献してくれる。社員とはそういうものである。
信じれるかどうか?が重要。

Q.他社に見習ったポイントはあったか?

A.逆にグーグルみたいにならないようにした。
 グーグルは「世界の悪にならない、課題を解決する」企業。でもNetflixは、非常に絞り込んだ、「映画」という
 エンタテイメントの世界。まずは、エンタテイメントに興味を持っているかどうか?が重要。

 企業文化は、時代、企業によって違う。
 たとえば大成功したグローバル企業を引っ張ってきた人は、
もしかしたら、スタートアップ企業が合っているのかもしれな、という仮説が成り立つ。

Q.Netflix人事戦略の成功要因は?

A.ひらめきを見つけること。過去の成功の理由を「覚えている人がいる」こと。
最初の日々を思い出すことが重要。

変革にはトップダウンもボトムアップも必要。
トップダウンの場合は、「明確に何をするか」を社員に訴える必要があり、かつ
社員に納得をしてもらうことが重要。

たとえば人事制度においても、ABテストを実施してみる、なども重要。

Q.歴史ある20,000人の会社の中間管理職だとしたら、どのようにNetflixのように改革するか?

A.何が具体的に、やり方を変えねばいけない、と提示すること
重要なのは、一人ひとりに説明し納得してもらわないと意味がない。
1日にXXだけ時間を自由に使えるようになるよ?などという具体的な実行後の世界観を
明確にビジネスケースで伝える。

あとは試して実証して、検証していく、ことが重要。

3)世界で戦うためのピープルイネーブルメント~全従業員の「できる化」で勝つファクターとは?~
楽天常務執行役員 小林様 ニトリ組織開発室長 永島様 ワークデイ業務執行役員 荒井様

<ピープルイネーブルメントとは?>荒井様
WorkDay:3,000社 4,200万人のユーザー。※10,000人規模の企業が使っている。
日本では6年目。
Forbes誌 世界で最も革新的な企業トップ10のうち8社がワークデイを導入している

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Human Capital Managementツール:
入社から退職までの従業員ライフサイクルを管理して、最適な人材配置や評価を行うツール
多くのデータを活かしAIを回している。

タレントマネジメントのその次~
大半の企業は、勤怠管理や給与管理でとどまっている。

ピープルイネーブルメント:
「一人ひとりの能力を最大限に引き出し、すべての社員を『できる化』する」
キーワードは、
・コミュニケーション
・信頼
・権限移譲
=エンパワメント

ニトリ永島さん自己紹介
「組織」というワードよりも「ヒト」

楽天小林さん自己紹介
楽天創業メンバー「チーフウェルビーイングオフィサー」
社会、従業員のウェルビーイングの実現。

社員は「リソース」ではない。という文化がアメリカで始まって、
HRから「ピープル」へ。
コントロールやマネジメントという概念自体が変わっていく時代になる

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<ディスカッションテーマ>

・ミッション・ビジョンの浸透とはどういうことか?

(楽天小林さん)
ミッション、ビジョンがない組織=サークル。楽しく、みたいな雰囲気。
組織として「成し遂げるべきこと」がミッション。それを実現する為に抱えているのがビジョン。

=組織に人を集める為に最低限必要なもの。
楽天主義:世の中を元気にしていく、というミッションの為に、出来上がった企業文化を楽天主義と呼んでいる。
言語化の意味⇒組織が大きくなり、ぼやけてきたので共通言語化した。

三木谷さんのビジョンが強いので、会社全体があまりブレずにいれられる。
乗組員として守るべきルールを楽天主義にしている。

(ニトリ永島さん)
企業活動の源泉
こたつから、「独居老人に対してこたつが何が出来るか?」というテーマで必要な5つを挙げて
商品開発している。

「住まいの豊かさを世界の人々に提供していく。」という企業理念。
この理念があるからこそ、唯一無二の会社にできる、と強く感じている。


・ミッション・ビジョンの浸透は組織の中で誰が行うべきなのか?どのような能力、考えが必要か?

(ニトリ永島さん)
基本的には、「それを作った人間」=創業者が、常にいろいろな場所で発言したりしながら
言語化していく。
それを一人一人が自分に置き換えて考えることが重要。
しかし、組織が大きくなると、特に若手社員にちゃんと伝わってるか?という手応えが薄れていると感じている。

(ワークデイ荒井さん)
ファーストラインのマネジャー(中間管理職の課長、係長など)が浸透させていくべき。
従業員が採用から何から入れる規模を超えたときには、
現場最前線の管理職が日々丁寧に従業員に浸透させることが重要。
管理職は5~8%。10,000人なら、500~800名の管理職がいる。そこに浸透させるには、
ツールなどを活用しながら、どう日々コミュニケーションするか?が重要。
部下からのフィードバックも貰いながら、管理者の浸透度も図っていく(360°サーベイ)
※週次で2問、合計34問の質問が従業員に向けてされ、その80%が「上司に関する質問」であり、
17週間後にその上司からフィードバックされる

(楽天小林さん)
絶対的に「組織のトップ」が担うべき。
三木谷さんは毎週朝会で語り続けている。創業期もグローバル期も変わらない。
急成長していったときに、ファーストマネジャーがどれだけ文化を体現できるようになっているか?が重要。
掲げるのはトップ(三木谷さん)だが、あとは「仕組み」になっている。

企業文化をつくる組織「コーポレートカルチャーディビジョン」は社員数10数名しかいない。
どうすれば全従業員に企業文化を伝えられるか?を検討している。
たとえば、「知ってる」と言っても、一部だけ、とか形だけになっているケース。
次は「理解している」レベル。
次が「自分事化(体現)している」レベル。
次が「他人を感化できる」レベル。

この感化できるレベルになっている必要があるが、今はグローバル急成長なので、
今まさに、カルチャーサーベイという仕組みを作って、課題を組織毎に出して、
解決する為の研修などを作っている最中。

創業者の言葉は「ビジョナリー過ぎてわかりづらい」ので、
まずはその翻訳ステップが非常に重要。これをやれると「理解度」があがる。

企業文化は「作る」よりも「見つける」


・これからの企業は従業員とどのような関係を築くべきか

(ニトリ永島さん)
フェアな関係にしていきたい。
11月からエンプロイジャーニーマップというものをアンケートでやっている。
将来実現したい夢、や具体的な職種などをアンケート形式で社員全員から集めてFBしている。
⇒会社の方向性と社員一人一人の方向性を合わせていく。

ミッション、ビジョンをあたかも「自分が思いついたこと」くらいにすることが重要。


・なぜ費用対効果の見えない「企業文化」に投資すべきか?

(楽天小林さん)
未来で測るもの。みんなが仲良くするためにあるものではない。
企業価値向上の為にあるもの。
それを測るのはだいぶ先になる。なので、違う数値で見えるようにしていくことが肝要。
=状況把握(その為のツールや仕組みを持つこと)

(ニトリ永島さん)
非連続な成長をする為に必要なもの。
6,000億円から3兆円にしようと思ったら、やはり「ビジョン・ミッション」が必要。
最終的に行こうとしている場所次第で、投資すべきもの。
たとえば、ニトリでは5,000人の社員のうち1,000人を毎年5日間アメリカに行かせている。
これは文化形成の為。

(ワークデイ荒井さん)
数値では表せないが無形資産になるものなので投資すべき


4)経営戦略としての働き方改革
〜 マイクロソフトが実践する未来のワークスタイル 〜

Microsoft 365製品マーケティング部長 石田さま

創業者のミッションを達成してしまった会社。
「すべての家庭に1台のコンピューターを」

以前のマイクロソフトの組織:部分最適で互いの組織と戦っている会社
=全体のカルチャーが統一されなくなってきた。

今のCEOが就任して文化を変えた。
ミッションの再定義:
「地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする」

いま、CEOが登壇するとき、社内で話すときも、必ずこの
ミッションから話す状態になっている。繰り返し話をして定着させていった。
14万人の従業員。

ミッションは決まっているが、ヴィジョンは出していない。
カルチャーを定義した。(Growth Mindset)
・常にお客様を第一に考える
・ダイバーシティ&インクルージョン
・One Microsoft
⇒違いを作り出す(Making a difference)

浸透させるために…
CEOが、マイクロソフトの変化を印象付ける機会を意識的に多く作っている。
ex.)Microsoft 💛 Linux


インパクトによる評価
「個人の成果」、「他社の成功への貢献」、「他社の知見の活用」
3つの要素のコンビネーションがパフォーマンス=インパクトをもたらす。
⇒核となる信念:Growth Mindset(成長志向)
※たとえば、「個人の売上ではなく、お客様のビジネスの成功をどこまで事例化して他社に展開できるか?」

トップが「明確に」、「同じことを」、「繰り返し言う」ということで、
マイクロソフトのカルチャーを変えていった。

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日本マイクロソフトの働き方改革

・全社への浸透
・経営戦略としての働き方改革
・モダンワークプレイス
・最先端のIT基盤
・先進的な制度

の5つの視点で働き方改革を進めている。

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<実現した成果>
・女性離職率 マイナス40%
・事業生産性 プラス26%
・ワークライフバランス プラス40%


<海外のマイクロソフトと社員との比較>
・メールを書いている時間が「24%」長い
・メールの宛先が「31%」多い
・会議時間が「17%」長い
・会議の出席者が「11%」多い
⇒週に4時間もメールや会議に費やす時間が長い

★取り組み
テクノロジーを活用して変革を促進
✔象徴的なできごとを作る:ワークライフチョイスチャレンジ2019
「短い時間で働き、よく休みよく学ぶ」
・週休3日制トライアル
・社員支援プログラム

✔会議のお作法
・会議時間は「30分」
・人数は多くて「5人」
・コラボは「Teams」で

✔見えてきたこと
①社員は多様な働き方を求めている
②多様な働き方の実現には「ワークライフチョイス」が有効
③全社一斉に意味がある
④部署によるギャップはあった

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ミレニアル世代 MINDS(Millennial Innovation for the Next Divers Society)
ミレニアル世代からなる異業種の働き方改革推進コミュニティー

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Mission:すべての個人が自分らしく働く社会を実現する
Vision:業界、社会の枠を超えたミレニアル世代から多様性のある働き方を日本社会に浸透させる

MINESが取り組む”5つ”のテーマ

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パネルティスカッション

Q.企業文化をつくるためには、理念をどうとらえるのか?

A.はじめはよく分からなかった。見方によっては哲学的。
 ただ、それと共に、ビジネスの仕方や、組織再編などが具体的に起こると、それに伴って腹落ちしてきた。

Q.マイクロソフトにおけるビジョン

A.ミッションオンリー。世界中の~というもののみ。
 ミッションとカルチャーで伝えるようにしている
 一つは「わかりやすさ」全世界の社員に浸透するため。
 一つは、変化が常に起こるので「普遍的なもの」にする必要がある

Q.企業文化と企業風土の違い

A.文化の方がしっくりくる。トップが繰り返し言い続けている。


Q.大企業はどのようにカルチャーづくりに取り組めばいいのか?

A.直接トップと会話できる機会はなかなかない。
 粘り強く何度も何度もシンプルなメッセージを出し続けることが重要

A.若者は「おつかれさまです」「どうぞよろしくお願いいたします」をメールしている。
 でも層が高くなるにつれて、使っていない。
 若者はチャット文化から、無理やりメール文化に引き戻される感覚を持っている。

 フランクにチャットにする意味はあまりなく、信頼性、心理的安全性があることが重要。
 それがあって初めてチャット文化は機能する。
 
 ティーチングではなく、コーチング。能力の発揮を、どうサポートするか?が重要になってくる。
 コーチングのトレーニングも社内でたくさんある。

Q.若い世代が企業のカルチャー変革に与えるには?

A.そもそも会話が足りていないで勘違いを起こしているケースが多い。
 たとえば、「フローズンミドルが」という言葉が出てくるが、それはミドル層の5%程度で、
 95%の人は柔軟である。会話が足りていないだけだと思っている。

 相互メンタリングなどで、若者と役員層が相互にメンタリングをしたりすることで、
 気づきがたくさんある。


5)新規事業が生まれ続ける組織とは?
ゼロワンブースター鈴木社長 Quantum及部副社長 eiicon company中村社長 
モデレーター アルファドライブ麻生要一

(ゼロワン鈴木さん)
Startup4.0ブーム スコットアンソニー
何を残さなければいけないか?:
 L 過剰な期待、過剰な適応、ツールの氾濫・・・
 L Startupへの過剰期待
 ※IPO直前では大手企業との取引をめんどくさがっている。
  反面、創業直後のスタートアップは大企業と接点を持ちたがっている=ミスマッチが起きている。

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Encourage board「経営者を本気にさせろ」
⇒事業創造のためのコミュニティオフィス SAAI

(quantum及部さん)
ゼロイチ(0,1)を生む。HAKUHODO100%出資⇒quantum
ベンチャービルダー(大企業と一緒にジョイントベンチャーを作っている)

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Hollywood Model
⇒映画の撮影チームのような組織づくり
事業創造からプロダクトデザイン、制作、実証実験までサポートする。

Co-Disrupt:博報堂さえも壊したい。

(eiicon company 中村さん)
オープンイノベーションのプラットフォーム
⇒企業内外のリソースを意図的に組み合わせて新たな事業やサービスを生み出す方法論

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「価値ある出会いが、未来を創る」
企業間の出会いの場に特化したオープンイノベーションプラットフォーム
⇒フリーミアムモデルで提供しているサービス 11,000社で国内最大 東証一部の1/7が登録している

eiicon lab.⇒メディア
https://eiicon.net/articles

トークテーマ

①花火は打ち上げられる。その後、イノベーションを「組織文化」にまで根付かせることができるか?

(クオンタム及部さん)
経営企画部から生まれた組織。
新規事業の予算が、スタートアップの調達額よりも低いので、スタートアップに負ける。
経営企画が、経営層と一緒になって推進しないとダメ。

(ゼロワン鈴木さん)
大手企業と一緒に新規事業文化を作っている。
どれひとつとして同じパターンはない。つまり黄金測はない。
社長が旗振りをしても、資源が出てこないケースは山ほどある。
社長が乗り気でなくても、勝手に資源を集めてくる社員がいるケースもある。

どこまで社内で「許容できるか」こそが本質的である。
フォーマットにこだわらないことが重要。

また、ツールが目的化しないことが重要。日本企業はとかく、そうなりがち。
「言葉の独り歩きしている」ことが多い。

(イーコン中村さん)
イノベーションの因数分解が必要。
まずは日本語にして、因数分解をして深くコミュニケーションすることが重要。

(クオンタム及部さん)
線路をまっすぐ走ることは得意。でも野生は勤続するごとに減る。
この野生をまた取り戻す仕組みが経営自体にないと、新規事業は難しい。
⇒コーポレート側に必要。

野生のコーポレートをつくるには、
⇒社内起業したい人や、客員起業家を経営企画にいれて、強制的に変えてしまう。

新規開発分野で外部人材を入れるケースは増えてきたが、
経営企画に外部人材をいれる、というのが方法論として存在する。


②イノベーション文化を作る為には、必ず事業としての成果を出さないといけない。
 現場発で本当に新規事業は生み出し、成功させられるのか?

PoCはたくさんできるが、結局、大きな事業になるのか?

(イーコン中村さん)
何のために、何をやるか?しかない。これは「成果」の定義。
たとえば、1億円以下の投資で、2桁億円の事業を作ることは絶対に不可能。
これを誤っている企業が多い。

定義をきちんと作れば成功はできる。単月黒字や、1億、10億の世界はできる。
見合うだけの投資は必要。

(アルファドライブ麻生さん)
そもそも目的設定は事業開発?それとも、売上利益の創造?

(イーコン中村さん)
補完か、ゼロイチか、にもよる。
たとえば、時間を買う、というケース。
社内では10年かかるが、オープンイノベーションによって1年で実現する

あるいは、
他社と組むことで、自社がカニバる領域の事業を実現する

新規事業を生み出す、という目的の時もある

(ゼロワン鈴木さん)
成功は不確実。必ず事業として成功することは保証できないが、必ず行動することは出来る。
成功や成果は結果論。行動はコミットできる。

(アルファドライブ麻生さん)
今は「大量にやろう」っていうミッションで新規事業創造をしようという会社が多いが、
それを毎年続けると、そのうち「これ、なんでやってるんだっけ?」ってなる。

(ゼロワン鈴木さん)
あくまで内発的動機を持てるところに向かわせることが肝要。
逆に言えば、やってみて出来なければそれまで。無理矢理できるものではない。

社内に外部人材を入れるのではなく、経営層が外に出て行く方が効果がある。
社内に外部人材を入れると、結局同じ色になる。
⇒違うピラミッドの頂点をみつけるべき。

(クオンタム及部さん)
事業を生むためには「プロダクトファースト」
まずは自分たちが信じられるプロダクトを作り出すことが重要になってくる。
PoCのあと、実際にプロダクトを生む出す際においては、資金(投資)が必要。

(イーコン中村さん)
屍をたくさんみてきた。新規事業が2年目に、既存事業に加えられて、
結局、既存事業と比較されて、事業がシュリンクしていく、というケースが多い。

(クオンタム及部さん)
コーポレートは積極的に現場に出て行くべき。越境していくべきである。
制度構築の面においても。

(イーコン中村さん)
制度は「やっていいこと」を決めるが、実は「やってはいけないこと」を制度にした方が、
新規事業は生まれやすい。

新規事業にも「事業計画書」は絶対に必要。
最終的な投資が分からないまま始めることになる。
これがないと、経営層と失敗も成功もコミットできない。

6)未来をつくる組織力の源泉とは〜 新しいヒトの集い方 〜
青井 浩 氏(株式会社丸井グループ 代表取締役社長 CEO)
稲垣 裕介(株式会社ユーザベース 代表取締役社長)
モデレーター:斎藤 岳 氏(アビームコンサルティング株式会社 戦略ビジネスユニット / 執行役員 / プリンシパル)


2025年が変曲点になる
・逃げ切る人(5年後引退だし。。。)
・種まく人(20年後の次世代の為に仕組みを作ろう!)

2000年を1.0とした場合、2040年には、0.7になる生産人口
2000年にほぼゼロだったインターネット広告が、TVを超えた

2000年は、「会社の将来性」で選んでいたが、今は「能力・個性が活かせる」というのが
いちばんの会社選択のテーマになっている。

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DX時代の人間の役割は変わる

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ヒエラルキー型組織は減る

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2040年を語るキーワード

①プロジェクトが組織を構成する

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②プロデュース(プロデューサー)※外部人材の活用 プロジェクトに意味を持たせ、共感を得てリソースを集める

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③パーパス 存在目的

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2040年の未来型組織に必要なこと
・パーパス(存在目的)と共感を得る力
・プロジェクトの調和をマネジメントする(プログラムマネジメント)
・プロデュース力を高める


<パネルディスカッション>

・なぜ、企業はパーパスドリブンになるべきなのか

(マルイ青井さん)
ミッション、というより理念についてみんなで話し合った。
業績も厳しかった。2007年から創業以来の赤字決算が続いた。
組織や会社の雰囲気も悪く、2003年に実施した人事制度改革を皮切りに、
社員と経営層の信頼が完全に断ち切られた状態だった。

本音で話し合うしかなかった。
社員に手紙を書いた。3年で人事制度を元に戻した。その理由を説明する目的で、手紙に書いた。

⇒わたしたちは何のために仕事をしているのか?
 この会社で何のために働いているか?
 この会社で成し遂げたいことはなにか?

ほぼ、全社員と話し合いを始めた。

その後、10年ほどの間に、徐々に企業文化は変わってきた。
今は180°変わった新しい会社になった。

信頼関係を取り戻す段階で、自然発生的に企業文化が出来上がってきた。


「若い人」、「ファッション」、「赤いカード」と言われた時代(1990年バブル期)
成功したビジネスモデルに染まっている状態だった。
⇒これを変えるのは非常に大変だった。

変えた方法:対話(社員との対話)


(ユーザベース稲垣さん)
ミッションとバリューは創業期からずれていない。
創業者の強烈な原体験(ユーザーペイン)がミッションとバリューになっている。

経済情報の取得が非常に労働集約的だったのを変えたい、という想いがベース。

会社が大きくなるとどんどん機会が増える。
良かったことは、「どのオポチュニティーを掴むか」が明確なことが
非常によかったと思っている。
※やらないルールを決めている。

お互いの価値観のすり合わせ(ビジネスとエンジニア)が難しい。
⇒2年間喧嘩し続けてできたものがバリュー(7つのルール)の原案

50人の壁を超えられない、会社分裂期
⇒7つのルールを制定した
本当に大切にしているものを言語化したもの。

現在800名になっても、共通の価値観は保たれている。

一方、「原理主義的」になっていく可能性がある。
逆に役員・経営層は「原理主義ではない」と伝える方が重要なフェーズになってきている。


・未来を創る組織のカタチとは

(青井さん)
過去の成功体験から抜け出せなかった。
変わることが心配で、不安で変われない⇒

同じメンツが長く揃っている部署:変化に対応できない
新しい社員が入ったりしている部署:比較的変化に柔軟

社員の流動性を高めた。
⇒全社員をホールディングス所属にし、10社ある子会社に希望すれば行き来できるようにした

上記により、慣れによって起きない質問などが常に起きる状態になっているので、
組織に揺らぎが起きるようになってきている。

スタートアップ投資を強化していて、既に100億円近く投資している。
将来世代の人たちと協業したいと思っている。外部の若い人たちと一緒に仕事をしていかないと、自社の未来がない、
と思っている(オープンイノベーション)

スタートアップはイノベーション志向、大企業は安定志向。
ここに補完性はあると思っている。

(稲垣さん)
遠心力と求心力のバランス
創業者がだんだん神格化されてしまう中で、どうやって社員が自分たちの意思を出せるのか?
をテーマにしている。
⇒子会社化を推進した。子会社側で人事配置もすべて子会社側役員で決められるようにしている。

ミッションとバリューだけを共通化して、自由に子会社を作っていった。

一方で、この規模になると「周りが以外と見えない状態」になってくる。
いままでの「遠心力」は一旦完了し、ここから再度、「求心力」をもってバランス化して
経営していくことが重要だと思っている。


・次世代人材育成に組織ができること

(マルイ青井さん)
企業と学校は近い。両方とも「ヒトが育つ場」
マルイの理念:人の成長=企業の成長 ※仕事と教育はあまり分かれていないと思っている。
企業や組織が人の成長の場になっていくことが重要だと思う。

⇒自分で手を挙げた人間しか参加できないようになっているので、
 プロジェクトも勉強会も、倍率が5倍、20倍という倍率になっている(=手上げの文化)

経営方針共有会:必ず寝る人がいた。 気づき:強制されているから寝てしまう?
⇒社内のすべての会議を「手上げ制」にした。

若い人たちは非常に喜んだが、ベテランは困った。
黙っていてもトップから経営方針が降りてきていて、それを展開することで自らの価値を見出していたが、
すべてが「手上げ」になっているので、頑張らないとダメになってきた。


(稲垣さん)
Willの醸成。意思があるかどうか?が重要
Team形成が出来れば、欠けていても良い。

どこまでも、
・自分がやりたいこと
・自分ができることできないことを分かっていること
が揃っていて、それがチームになれば強い。

Willno醸成から始まるフィードバックシステムが次世代組織だと思う。


・企業文化を経営戦略から問いただす

(マルイ青井さん)
かつて大成功したビジネスモデルを、180°転換することを10年間やってきた。
いちばん大切なことは「企業文化を変える」こと。

戦略はいくらでも描けるが、
戦略は簡単に「変更」できない。(戦略変更がアイデンティティを壊してしまう、という恐れがある)
じっくりと時間をかけてやることが重要だと思う。


(ユーザベース稲垣さん)
企業文化と経営戦略は完全に一体だと思っている。
エンジニアからしたら、「経済情報」というものは難しい。
理解し合えない。

けれど、「文化的な融合」があれば共有できる。
たとえば「多様性」のコストは非常に高い。理解できないものを理解するのは非常に大変だが、ずっと、永遠につきまとうもの。

なので、ベースに「文化」があることが最も重要であり、
それがあっての「戦略」であると思う。

(マルイ青井さん)
「ワーク アズ ライフ」
出来るだけ自分の人生と仕事が重なっている状況を作る、企業文化を培っていくことが大切だと思う。

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