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近畿支部学会誌19号から <音楽療法士の国家資格化 ~一人一人のなすべき諸課題を考える~>について

皆さん、こんにちは
タロウです。
よろしくお願いいたします。

毎度の事で大変申し訳ありませんが、
さありとタロウの二人は日本音楽療法学会認定の音楽療法士です。
ご興味ありましたら、自己紹介記事も合わせてお読みいただけると幸いです。

今回のテーマについて

さて今回は、
2021/1/6に日本音楽療法学会のホームページの新着情報
【近畿支部学会誌19号から <音楽療法士の国家資格化 ~一人一人のなすべき諸課題を考える~>について】
をお話させていただきたいと思います。

専門的な話となってしまいますが、
音楽療法・音楽療法士という言葉を初めて知ったという方も、
宜しければ、ご一読いただければと思います。


まず、このホームページの新着情報になっていた
《音楽療法士の国家資格化について》ですが、
これは日本音楽療法学会本部で話し合われた内容ではなく、
昨年3月開催予定だった近畿支部学術大会で行われるはずだったシンポジウムを、別日に意見交換をおこない、それを記録として残していただいたものと書かれていました。(コロナにより近畿支部学術大会は中止)

地域によって音楽療法士が活躍できる現場に差があり、
音楽療法の地位や働き方・収入が異なると思います。
その為、支部会ごとで、音楽療法士の国家資格化について意見を出しあう事に関しては素晴らしいと思います。

音楽療法士の国家資格化について

ちなみに私個人の意見は、
音楽療法士が国家資格になる事については賛成です。

ただ、国家資格によって、安定雇用・安定収入が得られるのかは別の話とさせて下さい。
少なからず国家資格化する事で、
音楽療法士を目指そうという人
専門学校や音楽大学等で学べる学校が今よりも増えていく、
のではないかと期待はしています。
※くらしき作陽大学が認定校ではなくなったので、地域でいうと四国・中国・東北地方には、日本音楽療法学会が認定する認定校はありません。
また、日本大学学術学部も音楽療法認定コースの新入生の募集を停止中といった認定校もあります。

国家資格化に向けての課題

ただ、音楽療法の国家資格化を推進していく事で、
ぶつかる事や考えなければならない事が多くあります。

●学会本部は人工内耳装用と装用児への音楽療法で国家資格化のアプローチを行っているが、もしそこから国家資格化が見えても、それ以外の領域でおこなっている音楽療法士は一律して国家資格になるのか?
(学会本部はそういう事はなく一律で国家資格と言ってますがどうでしょうか。あくまでそれを決めるのは日本音楽療法学会側ではなく、厚生労働省だと思いますが・・・。)

●音楽を聴く事での心身に影響をもたらす、受動的音楽療法については、学会本部としてはどう取り扱っていくのか?

●【音楽療法士】という資格の乱立についての対応はどうするのか?
日本音楽療法学会認定の音楽療法士以外でも、優れた音楽療法士はいると思うので、そういった方に対しての何らかの対応はするのか?
※現状、国家資格ではない為、名称独占は出来ないので音楽療法士の資格が乱立しています。資格が乱立している要因の一つは、日本音楽療法学会が認定している音楽療法士という資格取得が費用も時間がかかるという事で、音楽療法をやりたいけど、日本音楽療法学会認定の音楽療法士資格取得が困難な方が他の資格を取得する流れになっているのです。

●音楽療法士を国家資格にする事で、音楽療法士はどう変わるのか不明瞭。音楽療法士にむけた説明が少ない(雇用や収入など)。

●チーム医療として他業種と連携した場合の、医療用語・専門用語等知っておく必要があるが、そういった用語を知らない療法士が多く存在している。

あげればきりがないのですが、ひとまずあげてみました。

なによりも国家資格になるためには、
国会に法律をとおす必要があります。

議員立法ですすめていくという事ですが、
議員立法の場合

法律上の制度では、衆議院では20名以上、参議院では10名以上の賛成がないと提案することができない。さらに予算を伴う場合はそれぞれ50名、20名以上の賛成が必要となる(国会法56条)。この制限は成立の見込みが全くないのに少数の国会議員が露骨な地元利益還元を目標とする「お土産法案」提出の乱発を防止するために規定された。
                      ウィキペディアより引用

法案を提出する為、議員の人数が20名ないし10名以上の賛成が必要であったり、議員立法よりも内閣提出の法案が優先されるのが現状だそうです。
議員立法という点からしてみても、かなりハードルが高いと思います。

音楽療法推進プロジェクトチームの皆様への感謝

日本音楽療法学会のいち会員として、
学会本部に携わる役員の方々は日頃から、音楽療法士の国家資格化にむけて、ロビー活動や、日々音楽療法士の地位向上にむけて取り組まれていて、本当に頭がさがる思いでいっぱいです。
ありがとうございます。

そういった厳しいハードルを越えて、国家資格化に向けて頑張っていただけるよう、私も日々音楽療法を行う上で、より意識してセッションを行っていきたいと思いますし、音楽療法についての自分の思う所ではありますが、発信をしていきたいと思います。

出過ぎた真似かもしれません。
国家資格化については賛否ある音楽療法士も多くいると思います。
ですが、こういった活動に取り組んで下さる皆様には感謝をしている音楽療法士は多くいると思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

この新着情報を受けてSNSの動き

さて、ここでこの新着情報を受けてのTwitterでの反応について思う事をこれから述べたいと思います。

Aさんのツイート

ほとんどが「お金」の話で、さすがにちょっと驚きましたね^^;

Bさんのツイート
(ちなみにAさんのツイートをリツイートしてそれに一言添えたもの)

音楽療法士が国家資格化されれば安定雇用に繋がると思ってる時点で間違ってますけどね。
そもそも国も病院もお金がありません。

引用させていただいた、Aさん・Bさんは音楽療法士ではありません。
現役の音楽療法士がこの新着情報を受けて何も思わないのか感じないのか、何も発信していない事に”驚き”といいますか、”大丈夫!?”
かと心配になるくらいです。

※ちなみにTwitter以外のSNS等で同様の件について発信しているかについても調べてみましたが、2021/1/8/11:00の時点ではいませんでした。

声をあげれば良い・声を上げないのがダメ という事ではないのですが、
以前から、こういう音楽療法士に関係している事柄が生じた際に、
数日経った後、
「こんな事になっているんだ!!」
「〇〇さんのツイートではじめて知りました」
「学会ホームページを頻繁に見てないのでわからなかった」
といった発信が目立つものも気になっていました。
そういった意識を変えていかないといけません。

さて、Aさん、Bさんのツイートを見て感じた事は、
おそらく、音楽療法士の人には出てこない意見だと思います。
こういう意見って本当に大事だと思います。
貴重な意見で、ありがたいものです


ただ、Aさんのツイート「ほとんどがお金話で」という点については、
お金の話しになるのは、それはそうでしょう。
収入を得る事が出来ない職種に付こう思う人はいませんし、
将来が見えない仕事にやりがいだけ求めるのは違うと思います。
専門学校・大学といった学費を支払って得た音楽療法にまつわる知識や経験を、無償やボランティアでおこなうのはどうでしょうか?
例えば、音大でピアノを学び、卒業後無償でピアノを教える方は、
何かしら経済的な余裕がある方ぐらいかと思います。

また、Bさんのツイートに関しては、
私も国家資格化が安定雇用や安定収入につながるとは全く思っておりません。
ただ、「そもそも国や病院にお金がありません」については
お金に余裕がないから、医療施設・福祉・介護施設において
音楽療法士としては雇用される事はないという事なのでしょうか。
財政状況は各々病院や福祉・介護施設によって異なりますが、
雇用や給与については、雇用先が条件を提示するわけであり、
条件が納得すればいいわけですし、条件があまりに低すぎれば丁重にお断りすればいいと思うので・・・。

最後に

個人的に思う点について、書かせていただきましたが
色々な意見があっていいと思いますし、音楽療法士ではない方の意見は本当に重要だと思います。
新着情報について、率直にツイートしてもらってよかったです。
いち音楽療法士として、感謝を伝えたいと思います。

いかがでしたでしょうか?
今回は以上となります。
音楽療法士の国家資格化についてはまた情報が入り次第、
記事をあげたいと思います。
専門的な話題となってしまい申し訳ございませんでした、
それでもここまでお読みいただきまして本当にありがとうございます。
それでは
                              タロウ

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