[北欧]スウェーデンはなぜ幸福度が高いのか?
はじめまして!2020年4月から新社会人のサヤカです。
私は大学生活の1年間、交換留学生としてスウェーデンのダーラナ地方で暮らしていました。
スウェーデンは世界的にも『幸福度が高い国』として認められていますが、日本はどのくらいの幸福度かご存知ですか?
と、その前に!
まず、幸福度はどの幸福度のことを言うのでしょうか?
幸福度とは、GDP, 平均寿命、自由度、社会福祉などを含め、国民がどれぐらい幸福を感じているかを測る指標です。
そして国連が2012年より毎年「世界幸福度ランキング」というものを約155ヵ国で調査を行っています。
日本は、なんと58位…!(156ヵ国中、2019年)
過去3年を見ても、
53、51、54位と50位代が常連となってしまっている。
上位の国を見てみると、
1位:フィンランド
2位:デンマーク
3位:ノルウェー
4位:アイスランド
毎年上位は北欧諸国が独占状態で、スウェーデンも7位と問題は抱えつつも、常に上位にいます。(2019年)
(他の北欧諸国と比べて、低くなってしまうのは、スウェーデン国内で大きな問題になりつつある移民問題が背景にあります。
またそれについて追加記事を書きますね!)
日本とスウェーデンを含める北欧諸国。
同じ先進国同士なのに、この幸福度の差は何があるんでしょうか。
スウェーデンに実際住んで見てわかったことは、
大きくあげて
①男女平等
②教育の質の良さ
主にこの2つが幸福度に強く関係しています。
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①男女平等
スウェーデンでは、まさに『男女平等の社会』が成り立っています。
例えば、女性の社会進出。
2008年、スウェーデンは新たに差別禁止法を採択。
これによって、男女の賃金差を毎年25人以上の企業を対象に毎年調査するため、男女での賃金差がない。
これによって女性の社会進出もより可能にしました。
そして、育児休暇。
スウェーデンでは、女性の育児休暇だけでなく男性の育児休暇も当たり前にあります。
しかも、男性でも取得率90%以上!
(日本ではなんと、男性の取得率6.16%...!低すぎる...)
そして父親と母親と合わせて480日育児休暇が取得可能で、その育児休暇のうち、390日は80%のお給料が支払われます。
しかも子供の数が増えるほど増えます。
最近、やっと日本でも『イクメン』、『主夫』という言葉が出てきました。
この言葉が出てきたのは、
日本では、昔から男性が外で働き、女性が内で家事をする概念が当たり前でした。
それが、スウェーデンでは、まずそのような言葉は存在しません。
男性も家事や子育てをするのが『当たり前』なんです。
その証拠に、平日なのに街を歩いていると、沢山のベビーカーを押したパパ、子供と遊んでいるパパ、どこ見渡しても必ず父親がいます。
日本だと平日に父親がベビーカーを押す姿なんて滅多に見られない光景ですよね!
この国では、ほとんどの家庭が共働きですが、このように制度が整っていたり、子育ての良い環境があるからこそ男女平等の社会を作るのが可能となっているのでしょう。
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②教育の質の高さ
日本だと、小中義務教育で全ての子供達が学校を通える環境があります。
しかし、沢山の小中学生はそれに追加で学習塾や英会話教室に通っている子が非常に多いです。
なんで、週5で学校に通えてるのに、子供の空き時間まで勉強をまたするのでしょうか?
それは学歴社会と教育の質にあります。
日本では、今だに学歴社会で、良い学校に出ればいい職につけるという考えがまだまだ一般的です。
英会話でも本来学校で話せるようになるべきです。
なのに話せない日本人がほとんど。
スウェーデンでは、幼い頃から英語を勉強します。
そして7、8歳になる頃には、流暢に話せる子がほとんどです。
スウェーデンの幼稚園に行くと、ipadで子供達が英語を学んでいる姿を見かけました。
なんと現代的…!
そして大学まで、国民は無料なので日本ほど競争率はなく、子供達はのびのびと自分が学びたいことを学んでいます。
私も現地の高校に見学に行きました。
そうすると、一人一人パソコンが学校から支給されるみたいで生徒全員パソコンを持っていました。
クラスはずっと椅子に座って先生がやるのではなく、
ミーティングをしたあと、それぞれの課題に取り組むという会社のようなスタイルでした。
サボる生徒もいるんじゃないかと思いますが、
サボっても先生は怒りません。
なぜなら、
全て彼らの『自己責任』だからです。
このように、早くから効率の良い学び方を取り入れ、生徒が満足に自分が学びたい事を学ばせるスタイルは、幸福度に大きく影響しています。
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幸福度が高い、大きく2つの理由を挙げました。
男女平等と教育の質。
これは同じ先進国の視点から見てもかなり差があります。
毎日毎日、時間に追われている人が多い日本。
家庭と仕事の良いバランスがまだ取れない人が多い日本。
日本はその分、勤勉に働く人が多かったり、ビジネスでは成功している企業もあり、世界的にも進んでいます。
しかし影には、
長期労働からの過労死や自殺まで社会問題になってます。
きっと誰もみな幸せの価値は違うけれど、
きっと誰もみな幸せを本能的にも求めているのに、
死んでしまったら元も子もない。
現実、この人が死ぬというのが社会問題であるならば、変える必要があります。
一人一人、男女年齢関係なく、
幸せに暮らせる社会をもっと目指すべきです。
実際、先進国でGDPも高い国が幸福度の向上を成し遂げています。
それがスウェーデンを含めた北欧諸国です。
時間はかかるとは思うけれど、実現は可能です。
まずは、一人一人の認識を変えるべきです。
日本が幸せな国と呼ばれる日がきますように。
今回はスウェーデンの幸福度の理由についてご紹介しました。
矢野紗耶香