保健室登校からの卒業

3学期が始まった。
学期始めは連日のように身体測定が保健室で行われており、今まで保健室登校を続けてきた息子は物理的に保健室から追い出されることになった。身体測定がない日でも、朝から具合の悪いお子さんが保健室で寝ている日があり、時期的にインフルエンザが懸念されるので保護者としても保健室にはあまり行かせたくない。
環境が変化したことで、息子は否応なしに不登校からの復帰すごろくを1マス進めることになった。

小学生しかいない環境に身を置けない息子は学校で定められた登校時間には登校できない。1時間目が始まって教室移動が落ち着いた頃にそろりと登校する。規定外の時間の登校なので、保護者の同伴が必要となる。つまりわたしは毎日息子を小学校に連れていき、そこから出勤している。息子の登校ミッションがうまくいかないイコール仕事に遅刻する、なので毎朝必死。
息子は初めこそ戸惑い、保健室に行きたがって結局入れなくてしょんぼりしたり、階段の踊り場で牛歩戦術を繰り出したりもしたけれども、ここ2日ほどはだいぶ慣れて落ち着いてきた。階段を上り、教室の廊下に隠れて中を伺い、わたしと手を繋いだり抱きついたりして勇気を出し、タイミングを見計らって自分の手で少しだけ教室のドアを開ける。だいたい先生が気づいてそっと寄ってきてくれて、そのまま教室に入れればあとは大丈夫、下校時間まで教室で過ごすことができる。とにかく教室に入る最初の一歩のハードルがものすごく高くて、そこさえクリアできればだいぶ前進できそうなんだけど、「自分の手でドアを開けて教室に入る」ことができるようになったのはとても大きい。小さいけれども大きな一歩。
3年生として残された時間はあと2ヶ月弱、4年に上がればクラスも変わるし担任も変わる。それまでにできることをできる範囲で、息子には負担にならないように、でも少しずつ負荷をかけていって前に進めるといいな、と思う。

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