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「あれ、なんで文章書いてるんやっけ?」研究報告Vol.2 〜先行研究との比較&実践〜

「あれ、なんで文章書いてるんやっけ?」研究を始めています。

本記事では、先行研究との差別化をし、「なんで文章書いてるんやっけ」の一つの例を記しました。ぜひ、ご一読ください。

先行研究

こちらの記事では、書く仕事といっても種類によって全然違うこと、ライターと名乗っていたとしても、人によって全然違う仕事をしていること、が記されています。

記事中では、”書く仕事”と呼ばれている様々な職業を、<WEB↔紙>・<主観↔客観>という四象限で分類しています。

「なんで書いてるんやっけ」とモヤモヤしている人は、この分布図を見るだけで、少し視界が晴れるのではないでしょうか。


先行研究と本研究との比較

先行研究では、

自分の「好き」や「得意」を見つけるためには、とにかく調べていろんな世界を知り、とにかくやってみる。
それを繰り返して、自分の心が動く仕事の共通項を見つけていくしかないのかなぁと思います。

と書かれています。

確かに、やってみないと分からない点もあります。しかし、「なんで書いてるんやっけ」とモヤモヤしているときは、書いても書いても、違和感がつきまとってしまいます。

先行研究では、方向性の見つけ方を経験則に委ねていました。けれど、踏み出す方向性が言語化されていないと、大きく間違った方向に行ってしまう危険性があります。

もしかしたら、仕事で文章を書くということ自体が違うかもしれません。迷走して、興味とは程遠いお仕事にアプローチしてしまうかもしれません。

逆に、ある程度の方向性が分かっていれば、大きくは間違わないし、方向の修正もしやすいのではないか。

そう考え、本研究では「あれ、なんで文章書いてるんやっけ?」となったときに、方向性を考えられる問いを示すことを目的にします。


「なんで文章書いてるんやっけ?」を考える問いの例

研究の目的である問いを考えるため、まずは自らの”書く”を言語化することから始めました。下記は、僕の思考の変遷です。

【そもそも表現についてどう思ってる?】

その人が見聞きし、心に浮かぶものは唯一性がある。
その唯一性を、自分はもちろん、大切な人にも自覚して欲しい。
表現は、自他共に唯一性を自覚する契機になると考えている。

【様々な表現の中で、なぜ書くを?】

表現には書くの他にも、写真・映像・デザイン・話す・起業などがある。
⇒最も自分の内面との対話を深く出来るのが、”書く”だった。
⇒”書く”というプロセスの中で、自らの唯一性、他人の唯一性を最も自覚できる。

【読者からもらって嬉しい言葉は?】

△ スッキリした。共感した。救われた。
◯ 考えさせられた。モヤッとした。読んだ上で、私は違う風に思った。
⇒単一の答えを示したいわけではない。
⇒誰かの考えるきっかけになった、という実感を得たい

【上記から考えた、書くことの効用〜対外編〜】

考える仲間を増やしたい ↔  誰かの悩みを解決したい

その人の常識を優しく揺さぶるようなものを発信したい。
その人”らしさ”が発揮されるきっかけを提供するイメージ。前述の”唯一性”がにじみ出る契機となるような。

cf)楽しさを提供、感動を提供、知識を提供したい、という欲はない

【書いているとき、書き終わったときの頭の中は?】

”モヤっとしていた考え”に、輪郭。与えられるような感覚がある
⇒自分の思考を書くときは、より深まるイメージ。
⇒インタビュー記事などを書くときは、他人の思考に輪郭が与えられて、自分の思考との距離がハッキリするイメージ。

【上記から考えた、書くことの効用〜対内編〜】

「書く=考える」と捉えていて、自分の思考を深堀りできる機会。
⇒取材記事も、その対象の観点や考え方が自分に取り入れられていく感覚。
⇒どちらの面をとっても、”書く”ことに、自身の主張や知識の訴えは求めていない。

【”書く”をどういうものだと思っていた?】

”書く”ということは、”創作”だと捉えていた。
⇒これは、触れてきた文章が小説ばかりだったことが大きい
⇒創作こそが”書く”だと思っていたのかもしれない。

だからこそ、「ライターになりたい」や「趣味で文章を書いています」と言うのは、おこがましいことだと感じている自分がいた。
⇒ずっと書く仕事をしたいと思いながら、自分には出来ないと長い間、諦めていた側面も。


実際に考えてみて

特に枠組みを決めず、自由に考えてみた結果が上記になっています。

ここから、「書く=小説」と思っているのに、小説以外を書こうとしているから、モヤモヤが晴れていない、ということが分かります。
書くに求める効用を考えると、書くのは小説じゃなくても良いですよね。

また、書く内容に関しても、情報のまとめ記事やエンタメ系の記事は、方向性とは少し違うのかもしれません。

加えて、考える仲間を増やしたい、という側面があるから、趣味だけではなく、仕事でも”書く”を広げていきたいのかも。

と、いくつかの仮説が導かれます。

ここまでハッキリすれば、「あれ、なんで文章書いてるんやっけ?」と立ち止まらずに、仮説を検証し、修正していくプロセスを始めることが出来ます。

もちろん、考える切り口は上記に挙げただけではありません。けれど、ある程度の方向性を自覚するのには有効なのではないでしょうか。


研究の今後

本記事で示した切り口は、僕の”書く”を分解するのには有用だったとしても、他の人の”書く”は全く分解できないかもしれないですよね。

そのため、別の切り口を考えるべく、sentenceという「書くと共に生きる人たちのためのコミュニティ」の会員さん数名に、思考の変遷を聞いてもらう会を開きました。

次は、いただいた問いや、他の人の”書く”についてを分析し、切り口の精度や網羅性を上げていくフェーズに移ろうと思います。

挙げている切り口で考えたことや、ご意見等があれば、コメントいただけると嬉しいです。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます。 あなたが感じたことを、他の人とも分かち合いたいと思ってくださったら、シェアいただけるととっても嬉しいです。 サポートは、新たな本との出会いに使わせていただきます。