”3ヶ月の壁”に直面するあなたに、1つの解決法を贈ります。

6月も折り返しになり、「入社3ヶ月の壁」を乗り越えられるかどうかという季節になりました。「入社3ヶ月の壁」とは、今年の4月に入社してきた新人社員が、会社を辞めたくなる気持ちがピークに達することを指します。実際には、大企業なら研修漬けでしょうから、”壁”が現れてくるのは秋口〜年末ということになってくると思います。

20代前半の新卒新人なら、「がんばって乗り越えよう!」というのが王道のアドバイスになるでしょうが、とても乗り越えられそうにないケースも存在します。例えば、心身の不調を起こしてしまう場合がそうです。これは新卒新人に限りません。異動・転職などで、30代でも40代でも十分にそうなる可能性があります。本稿はそういう時の対処法を、私の経験を交えてご紹介します。

診断結果

毎日、ギリギリに出社し、帰宅後はお酒を煽って、泥のように寝る。翌朝ギリギリまで寝ていて、また家を飛び出して出社する。この繰り返し。あなたもこんなふうになってませんか?

画像1

「ギリギリに起きて、朝ご飯も食べずに、家を飛び出し、毎日がこんな感じではないでしょうか。これすなわち、「働きたくない病」です。体は嘘をつきません。健康な人から見たら、最初から最後までアウトです。ギリギリセーフと、したり顔ですが、はなっからアウトなのですよ」(勝山実,2011)

全ての職種に対して「働きたくない」かどうかはわかりませんが、そういう場合は、今の仕事・業務内容が合っていないのは明白です。

あなたの中で起こっていること

こういう状態を、適応障害ということが多いです。適応障害の診断基準は以下の通りです。

A.はっきりとしたストレス因のため、ストレスが始まって3ヶ月以内に症状が出現。
B.症状は以下のうち少なくともどちらかの証拠がある。
B-1.そのストレス因に不釣り合いな程度の症状、苦痛
B-2.社会的、職業的などの生活に重要な領域の機能に重大な障害をきたしている
C.ほかの精神疾患では説明できない。
D.その症状は正常の死別反応では説明できない。
E.ストレス因やその結果がひとたび終結すると、症状は6ヶ月以上持続することはない。
(「精神障害の診断・統計マニュアル」より)

適応障害の症状として、イライラや倦怠感・頭痛・不眠等だけではなく、うつ病を併発したり、そこまで行かなくても、うつ状態やパニック状態などが出現することもあります。でも、安心してください。適応障害の段階であれば、原因を取り除けば、回復します。

新人の私が潰れた原因と、対処行動の内容

私が新卒にして常駐客先で適応障害・うつ病を併発し、2年目を待たずにして休職に追い込まれたという話は、何度かご紹介させていただいています。

当時の会話記録が残っているので、そこから抜粋してみます。

一目見ただけで雑だと分かるので。
今回も期限どおりに終われなかったことは十分反省してください。
---
納期に遅れた理由として「悩んでいた」は、OJT終了以降は通用しないので。
---
ここの5分10分って、笑ってすませられるものではない。
---
あきれました。いくら仕事ができても、こういう基本行動ができない人は価値ありませんよ。猛省して、二度とこのようなことのないようにお願いします。

うわ、こんなことを毎日毎日、言われていたのか、実務経験ゼロで、そういう免疫のない新人(今で言うところの、HSP)に。。しかも、行動様式が確立していない迷える子羊(?)に対して、半分以上、精神論。そりゃ潰れるわ。。
おまけに、本来、ラインケア(長としての職場・社員の健康管理)をすべき立場のプロジェクトマネージャーは、放置プレイでした。そんな職場状況で、形だけストレスチェックなんかやっても、無駄無駄。

でも、こういう事例、少なくないと思います。自分が興味や能力のある業務ならいざ知らず、明らかにストレス反応を起こしているのに、新人だからという理由で他人の不始末処理をやらされる。10年以上前の記録ですが、今でもメモの業務内容を見ただけで虫酸が走ります。そんなことが何ヶ月も続いたら、そりゃ高ストレスで潰れるわけだ。

休職中、何ヶ月も自宅で無為自閉な生活をしていると、嫌でも進路について考えます。私の場合は、ビジネスゲームは自分には合わないと心底痛感したので、ITコンサルから精神保健福祉へと大きく舵を切ることになりました。精神医療に対する関心は、自分が当事者であったこともあって強かったので、以降のキャリアを弱っている人の力になるものにしたいと考えるようになりました。

くれぐれも誤解していただきたくありませんが、第2新卒となって異業種へ転職することを勧めているわけではありません。現実としては、どうキャリアを立て直していけば良いのかは、年齢やスキルによってだいぶ異なります。

危機の攻略ポイント

こういう思考プロセスの仕方を、ナラティヴ・アプローチと言います。”ナラティヴ”とは、物語(自分史)のことです。その手順を、正確さを棄てて簡単に言うと、

・起こっている問題を、一人称ではなく、三人称にする
・自分史ならではのポジティブな点を発見する
・あなたの取った行動とその意味を言語化する
・将来の新しい可能性を深堀りする

自分史を掘り起こすのに手っ取り早い方法は、自分史をチャートにすることです。縦軸が幸福度、横軸が時間ですが、縦軸は、幸福感でも充足感でもやりがいでも何でも良いです。仕事や働き方という文脈での「過去・現在・未来」を整理することが、心身不調という危機の攻略法の一つです。数年前に私自身が描いたものをご紹介します。

画像2

適応障害はストレスとなる原因がはっきりしているので、放って置いたら、ひと月〜3ヶ月くらいで目に見えて良くなります。
ただし。同じメンタリティで同じ環境・同じ仕事に戻ったら、確実に同じこと(再発)になります。精神疾病からの再就職に対して、不安や恐怖感を抱くのは、ごく自然なことなのです。従って、環境とメンタリティの両方を変える必要があります。私は、そういう人の社会復帰をトータルサポートします。

本稿は以上です。
それではまた、次のコラムでお会いしましょう!

★セミナー情報★
【限定5人】
『もう怖くない!うつ病離職からでも職場適応できる、失敗しない再就職活動・3つの成功ポイント』
うつ病からの再就職活動で、再発せずに進められるポイントがわかるセミナーです。
【日時】
2021年6月29日13:30~15:00
【場所】
オンライン
お申し込みは、こちらからお願いいたします。

◇◇◇

#1 このコラムは、メール配信(メルマガ)でもお読みいただけます。
メルマガの登録はこちらからお願いします。

#2 コラムの感想や、取り上げて欲しいテーマのリクエストもお待ちしております。こちらからお寄せください。

◇◇◇

★ メインのお仕事↓↓についてのお問い合わせは、こちらまでお願いします。# 個人向けのサポートは、松竹梅ご用意しております。

★ その他、ご相談等は、こちらからお願いします。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
ありがとうございます!励みになります!
精神科キャリアコンサルタント。復職を志す方、またそのご家族の方にお役立ちな、キャリア形成やメンタルヘルス・精神保健に関するコラムを、毎週お届けします。脱うつ転職活動で知っておきたい最新ニュースについても。 [サービス受付ページ]http://www.s-yam-gucci.jp