新型コロナウイルスに関係する内容の可能性がある記事です。
新型コロナウイルス感染症については、必ず1次情報として 厚生労働省 首相官邸 のウェブサイトなど公的機関で発表されている発生状況やQ&A、相談窓口の情報もご確認ください。※非常時のため、すべての関連記事に本注意書きを一時的に出しています。

新型コロナでキャリアコンサルタントに期待して良いことの覚え書き

(株)日本マンパワーのプレスによりますと、

新型コロナウィルス感染拡大による緊急事態宣言を受け、国家資格キャリアコンサルタント有資格者を対象に、相談の対象者(従業員、学生、求職者)ごとの相談内容やその変化について調査が実施されました。

本稿では、この調査結果を中心に、私の目線から、注目点を取り上げます。

以下はキャリア業界内輪向けのものですが、同業者向けメッセージを載せます。

●所感「キャリアコンサルタントは個人の自律と、集団自己効力感の醸成の支援を」
株式会社日本マンパワー
取締役(CDA)田中 稔哉

新型コロナウィルスの感染拡大の影響は、①予測できないところから、②急速に拡大し、③広範囲(世界規模、ほとんどの業種・職種)に、④大きな影響(対人接触回避や特定職種への過負荷)を与え、⑤長期にわたり収束の見通しが立たない、という5つの特徴があります。

このため、調査結果からも、生活(お金や家族関係)や仕事(会社業績や就職)、学業への不安、働き方の変化へのとまどいが見て取れます。背景には、個人では対処できない「無力感」、生活や働き方の大きな変化に対応しなければいけないという「被強制感(義務感)」がありそうです。働き方の変化への対応はコロナ前から言われていましたが、変化を望まずやり過ごしたいと考えていた人たちにとっては大きなストレスとなっているのでしょう。

このような中、キャリアコンサルタントには、以前にも増して、相談者の「良しとする自分や社会(自己概念)」を明確化し、そこを目指すエネルギーをもとにして、出来事(コロナ禍)を自分事化し、できることから着手していけるような支援が求められています。また、リモートワークや在宅勤務では、業務上の細かい指示がなく個人の裁量が大きくなるため、自ら仕事を計画し実行するという「自律心」が求められます。この「自律心」の有無により、個人のスキルの蓄積にも、組織のパフォーマンスにも大きな差が出てきます。これはオンラインのキャリアコンサルタント養成講座の受講生にも実際に見られています。ここでも働くことへのモチベーションの源泉となる自己概念を明確化することから、「自律心」を引き出すような支援が望まれます。

最後に、キャリアコンサルタントへの期待として個人への支援だけではなく社会や組織への働きかけについて述べたいと思います。今回のような問題は、個人で対処するには限界があります。社会、組織として、ありたい状態を共有し(共に創り)、そこへ向かっていくことが必要になります。そのためにキャリアコンサルタントに期待されるのは、自分たちが目指す先に何があるのかという「集団結果期待」と、自分たちにはそれを実現することができるという「集団自己効力感」の醸成を支援することです。その他、物理的に人が会ってコミュニケーションすることの意味が見直され、オンラインによるコミュニケーションの可能性や限界が見えてくるなど、キャリアコンサルタントにとっても大きな環境変化が起きています。こんなときこそ、予測できない環境変化を前提に、出来事を自分事化するプロセスを学んできた我々が真価を発揮するときです。キャリア相談だけがキャリアコンサルタントの役割ではありません。できることから取り組んでいきましょう。
(太字引用者)

本稿では、これら(特に太字部分)を読み解いてみます。

「キャリアコンサルティングの”キャリア”って、何のこと?」

と問われた時、教科書的には「キャリアとは即ち、人生そのもの」と答えることになります。しかしながら、これでは、ラジオの”何でも人生相談室”です。人間社会の神羅万象を、たかだか一人の人間が助言・指導できるなど、思い上がりもいいところです(別に、ニッポン放送の悪口ではありません)。

そういうこともあってか、この仕事は、継続して携わっていても、「ベテランになるまで、15年かかる」と言われています。テクニカルな問題(カウンセリングスキル)だけではありません。私が資格取得したのは5年弱前ですが、それからも、ビジネスや社会のあり方は大きく変わりました。「まだまだ若手なんで」とは、言っていられません。目の前のクライエントにコミットするのは、待ったなしです。現実として、私よりずっと人生の先輩である方を支援する必要も出てきます。

私は、ペルソナ(相談者様像)としては、慢性うつ病で離職中の方の社会復帰を専業としています。精神保健福祉とキャリア支援の両方の話ができるコンサルタントは、あまりいません。
”あまり”というのは、実際に、ダブルライセンサーが私以外にもいることは知っていますが、心理系(臨床心理士・公認心理士)の方が多いです。
私のレゾンデートルは、意思決定・問題解決ですので、似た人はほぼいないと考えていただいて良いです。まぁ、つーか、福祉領域では、バリバリのビジネス意思決定派は、極めて肩身が狭いです。福祉業界で”ビジネス”とか”稼ぐ”とかいう単語を持ち出すと、拒否反応を起こす人もいますから(知らないなら、勉強しろよと思いますが)。

前書きはこれくらいにして、本題に入りましょう。

キャリアコンサルタントには、以前にも増して、相談者の「良しとする自分や社会(自己概念)」を明確化し、そこを目指すエネルギーをもとにして、出来事(コロナ禍)を自分事化し、できることから着手していけるような支援が求められています。

まぁ、その通りなんだけど、ちょっと抽象的すぎる。
相談者の「こうありたい自分、こうなって欲しい社会」を、なんとなくではなくはっきり言語化し、その強い思いを出発点にして、寄り添いながら、一つずつ解決して、一歩ずつ前に進んでいく、
と言えば、少しはわかりやすいでしょうか。ただ単にネガティブな気持ちでいるのではなく、なんとなく方向性は見えているんだけど、自分自身では何とも言葉にできない、そういう状況を打破したいという相談者のニーズを、支援のベースにするべきだと読めますね。メンバーの”自律心”向上も、期待できるでしょう。

キャリアコンサルタントに期待されるのは、自分たちが目指す先に何があるのかという「集団結果期待」と、自分たちにはそれを実現することができるという「集団自己効力感」の醸成を支援すること

もうちょっと噛み砕いて言うと、組織文化の涵養には、個人単位ではなく、自分の所属するチームが何ができそうかを、メンバー同士でシェアできることが大事というわけです。いわゆる、組織介入あるいは集団支援(グループ支援)と言われているものです。これは、リーダーシップはもちろんのこと、チームメンバーのフォローワーシップも大事です(って、トヨタの経営者の方が言っていました。10年ちょい前に)。それらを深化させるのが、コンサルタントの役割と理解できそうです。

私は今のところ、個人支援しか承っていませんが、

将来的には、法人支援を考えています。例えば、ビジネス・ソーシャルスキルトレーニングや自己理解研修(ライフラインチャートやリッチピクチャ作成演習)、あるいは問題解決演習などです(私のサービスメニューにある、ソフトシステムズ方法論や認知行動療法(問題解決療法)などは、集団療法の方が、効果が出やすいのです)。詳しくは、お問い合わせください。


≪調査概要≫  
調査名:「新型コロナがキャリアコンサルティング現場に与える影響調査」
調査方法:弊社(※引用者注:(株)日本マンパワー、以下同じ)キャリアコンサルタント養成講座受講生向けメール配信、Web回答
調査期間:2020年5月23日(土)~5月29日(金)
調査対象:弊社キャリアコンサルタント養成講座を受講され、国家資格キャリアコンサルタントに合格された方かつ緊急事態宣言中にキャリアコンサルティングを実施された方
回答者数:387件
有効回答数:252件

それではまた、次のコラムでお会いしましょう。

◇◇◇


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
ありがとうございます!励みになります!
1
精神科キャリアカウンセラー。メンタル疾患からの復職を目指す方の、キャリア構築支援をしています。精神保健福祉士、国家資格キャリアコンサルタント・CDA、WLB認定コンサルタントなどのライセンスを保持。 サービス受付ページ→http://www.s-yam-gucci.jp
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。