40代非管理職のスキルアップで注意したい勉強のターゲティングと方法

前回のコラムでは、40代非管理職の厳しい転活を乗り越える1つの方法として、”プラスαのスキル差別化”を挙げました。

○これまでの経験を生かした、プラスαのスキル差別化で、望みはある。
”これまでの経験を生かした”というところが、肝要です。ただのダブルライセンスでは、資格オタクと思われるだけです。そもそも、現場ではどちらの職種に付くかを選ぶ必要があるので、ダブルライセンスのシナジー効果は、限定的です。全く差別化にはなりません。そのスキルの組み合わせで、企業の人材ニーズにより応えられることを、アピールする必要があります。

本稿では、私の例として、精神保健福祉士(精神科ソーシャルワーカー)に+αでどう差別化できるか、勉強内容とその方法を中心に考えてみます。

伸びしろに富んだ若者と差別化したいのなら

その解決案の一つとして、2つ目・3つ目の専門領域を持つことを挙げました。+αのスキルによる差別化によって、市場から求められる人材になるということです。
手っ取り早く、わかりやすいのは、ダブルライセンスを取ることですが、ただ取れば良いのではないという点、注意が必要です。貴重な時間とお金を大きく使うものです。現場で差別化できないなら、意味がありません。
では、若者になくて、あなたにあるものは何でしょう?それは、人生経験です。これまでの人生経験で乗り越えてきた課題が、他の人のニーズの種になります。あなたはそれを解決したノウハウを、スキルという形で体系化すれば良いのです。

希少価値を上げれば良いのではない

医療・福祉やキャリア支援の業界でよくあるのは、臨床心理士(または公認心理師)を取ることです。心療内科クリニックで、カウンセリング(心理相談)や心理検査(知能検査など)をやっている人、というイメージが一番近いでしょうか。医療機関に勤務していると、任せられる仕事の幅が大きく広がるので、歓迎されることが多いようです。
逆に、キャリアカウンセラーなど、現場(特に医療機関)で認知されていない資格を持っていても、現場は使い方がわからないので、付加価値になりません。希少価値は、使う現場を間違えると、宝の持ち腐れになります。
また、+αと言っても、たくさん持っていればいいわけではありません。
たまに、両手の指でも数えられないくらい、難関資格を持っている人を見かけますが、その資格同士の関連がまるで見えないので、「この人は、一体何ができるのだろう?」と思ってしまいます。ただの資格コレクターです。

私の場合、どう希少価値を生み出しているのかというと、メンタル×キャリア×意思決定、というスキルを組み合わせています。具体的には、近年、社会問題となっている、メンタル不調者のキャリア支援が、専門領域としてできる、それも、意思決定科学という学術的なバックグラウンドを活用して、ということです。これ以上フィールドを広げると、何をしてくれる人なのか、わからなくなってしまうので、今は専門性を深めることに注力しています。

どうすれば、差別化スキルが身につくのか?

スキルには、経験して身に付ける”実践力”と、勉強して備えておく”知識力”があります。大概の難関資格には、登録要件として、資格試験の合格だけではなく、現場実習があります。知識だけの頭でっかちでは、現場で使えないので、実習が必要とされているのです。
専門性の深い資格ほど、実習の内容は明瞭です。「臨床心理士 実習 辛い」とウェブ検索候補に出てくるくらいなので、臨床心理士の実習は大変なようです。ちなみに、精神保健福祉士の実習は、正直かなりあやふやです。現場に放り込んで、あとは放し飼いというところが少なくありません(法定実習時間、増やしたところで、どうするんだろう?)。

”実践力”・”知識力”、いずれにしても、全くのゼロから積み上げるのではなく、何かしらの実体験に根ざしている方が、付加価値は上がります。なぜなら、実体験は交換が効かないからです。あなただからこそ意味があるということです。私の場合なら、うつ病休職という実体験があるということです。これは、簡単には真似できません。ただしこちらも、使う場所を選ぶ必要があります。あくまで医療・福祉の一職員として働きたいのなら、それは自分の中にしまっておいた方が無難です。

実務で使える勉強の仕方

試験に受かるためだけの勉強をするのならば、はっきり言って、時間の無駄です。ビジネス本の一つでも読んで、物にした方がいいと思います(読書猿さんなどは、参考になるかもしれません)。
頭脳明晰で要領がいい人なら、難関資格もストレート合格できるでしょうが、先述した、ただの資格コレクターになってしまいます。学習の過程で、その知識が自分の実務にどのように役立てられるかイメージできないと、合格した後に、学習内容を全て忘れてしまうので、certificatedの意味がありません(だから、試験勉強を馬鹿にする輩が出てくる。制度の悪循環ですな)。あなたの経験に根ざしたものなら、知識とその実例を結びつけることができますから、試験が終わったら忘れてしまうということはありません。私は今でも、精神医学や精神科リハビリテーションの知識が生きています。必ずしも、今の仕事で直接使っているわけではありません。

臨床心理士やキャリアカウンセラーは、実践を中心とした更新研修があります。現場のニーズは絶えず変化するので、継続的にスキルをアップデートすることが必要です。更新研修は、ニーズの宝庫です。ニーズに合わないスキルを持っていても、現場では使えません。それも、知識だけでなく、実務経験でフォローアップすることが重要です。

本稿は以上です。それではまた、次のコラムでお会いしましょう!

え、なんで私が臨床心理士を取らないかって?

正直、心理には興味がないのです。精神保健福祉士やキャリアカウンセラーで臨床心理士を持っている人なんて、ごまんといます。中年男子がそのレッドオーシャンに飛び込んでも、血だらけになるだけです。希釈化されてしまうだけのものを取っても、キャリア形成は広がりませんから。


本稿は以上です。それではまた、次のコラムでお会いしましょう!

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