あなたとあなたの側にいる人に知って欲しい、自殺についての見識

女優の竹内結子さんが、昨日亡くなったとの報道がありました。自殺と見られています。私も、ニュース速報を見て第一声、「えっ、何で??」と思いました。

報道ガイドラインを守りましょう。ショックなのはわかりますが…。

竹内さんには、”産後うつ”の可能性も指摘されていますが、本稿では、竹内さんの自殺原因の深入り等はしません。以下は、自殺に関する責任ある報道として、「やってはいけないこと」です。

・自殺の報道記事を目立つように配置しないこと。また報道を過度に繰り返さないこと
・自殺をセンセーショナルに表現する言葉、よくある普通のこととみなす言葉を使わないこと、
・自殺を前向きな問題解決策の一つであるかのように紹介しないこと
・自殺に用いた手段について明確に表現しないこと
・自殺が発生した現場や場所の詳細を伝えないこと
・センセーショナルな見出しを使わないこと
・写真、ビデオ映像、デジタルメディアへのリンクなどは用いないこと
(出所:WHO2017、太字引用者)

ワンセグ画質で申し訳ないのですが、相談窓口には、以下のようなものがあります(後述にもあります)。

画像1

(出所:9月27日放送「真相報道バンキシャ!」(日本テレビ系列))

以下は、考え方の One of them でしかありませんが、自死衝動への一つの対処法として、載せておきます。

「頭によぎる自死というものには、動物として何かしら正常ではない状況にあると思うことにしている。[…] そこで頭をよぎる自死には、理屈ではなく直結で、”従わない”と決めている」
伊集院光とらじおと」TBSラジオ | 2020/09/28/月 08:30〜
(関東圏外での聴取には、プレミアムサービスへの有料登録が必要)

どうなっても良いので、しかるべき相談先に話してみましょう。

自殺したいと思った時の相談先には、他にも、以下のようなものもあります。

自殺予防いのちの電話
フリーダイヤル 0120-783-556
(毎日午後4時~午後9時、毎月10日は午前8時~翌午前8時)

よりそいホットライン
フリーダイヤル 0120-279-338
(24時間、IP電話などからは050-3655-0279)

人に話すこと自体が苦痛な時もありますが、そういう時は、チャットなどで「書き込む」という方法もあります。

こころのほっとチャット
LINE、ツイッター、フェイスブック @kokorohotchat
(毎日正午~午後4時、午後5時~9時※受付は1時間前まで)

誰かにちゃんと話せる程、頭の中が整理されていないくらい、自殺欲求が強いことも考えられますが、
そういう遠慮をする必要は全くありません。相手は話を聴くプロなので。

また、
「"相談"なんかしても、何も変わらない」と思うこともあるでしょうが、
発話などアウトプットすることで、頭の中がすっきりする、とまでは行かなくても、気持ちの整理が多少付いて、自殺を思いとどまることも多いようです。
話す時に頭が真っ白になっても良いので、騙されたと思って、「ここなら話しても良いかな」というところに、行動に移す前に話してみてください。それで、あなたが何か損をすることはありませんから。

「自殺に関する迷信と事実」(WHO)を理解しましょう。

「自殺対策を推進するためにメディア関係者に知ってもらいたい基礎知識」に、自殺に関するWHOの見解が載せられています。
長いですが(約1600字)、大事なことなので、全文引用します。

自殺に関する迷信(myth)と事実(fact)

迷信:自殺について語ることは良くない考えであり、自殺を助長するものと捉えられてしまう可能性がある。
事実:世間に広く存在する自殺への偏見を考慮すると、自殺を考えている人の多くは誰にそのことを話せばいいのかわからない。隠し立てせずに自殺について語り合うことは、自殺関連行動の助長ではなく、その人に自殺以外の選択肢や決心を考え直す時間を与えることができる。結果として、自殺を防ぐことにつながる。

迷信:自殺について語る人は自殺するつもりはない。
事実:自殺について語る人は、外側に向けて助けや支援を求めているのかもしれない。自殺を考えているきわめて多くの人が、不安、うつ、絶望を感じており、自殺の他に選択肢がないと考えている可能性がある

迷信:自殺を考えている人は死ぬ決心をしている。
事実:反対に、自殺を考えている人は「生きたい」気持ちと「死にたい」気持ちの間で揺れ動いていることが多い。例えば、農薬を衝動的に飲んでしまい、生きたいと思っても数日後に亡くなることがある。正しいタイミングで情緒的支援にアクセスすることができれば、自殺を防ぐことができる。

迷信:自殺の多くは何の前兆も無しに突然起きる。
事実:自殺のほとんどの事例で自殺前に、言葉か行動に周囲の人が気づくような兆候(warning sign)を示していた。もちろん兆候無しに起きる自殺もある。しかし、周囲の人が気づくような兆候とはどのようなものかを理解し、それに注意を払うことが大切である。

迷信:一度自殺を考えた人は、ずっと自殺したいと思い続ける。
事実:自殺リスクが高まることは一時的なものであり、その時の状況に依存することが多い。自殺念慮が繰り返し起きることはあるかもしれないが、長く継続するものではなく、過去に自殺念慮や自殺未遂があった人でも、その後の人生を長く生きることができる。

迷信:精神疾患のある人だけが自殺を考える。
事実:自殺関連行動は深い悲しみや不幸を示すものであるが、必ずしも精神疾患があることを示すものではない。精神疾患がある人の多くは自殺関連行動を示すことはなく、自ら命を絶った人すべてに精神疾患があった訳ではない。

迷信:自殺関連行動は容易に説明することができる。
事実:自殺は単一の要因または単一の出来事から生じた結果ではない。人を自殺へ追い込む要因は多様かつ複雑であることが多く、単純化して報道すべきではない。自殺関連行動を理解しようとする上では、保健、精神保健、ストレスを感じるような人生の出来事(stressful life event)、社会的要因、文化的要因を考慮する必要がある。衝動性の存在も大きな要因である。精神疾患はその人の生活上のストレス要因や人間関係の葛藤に対処する能力に影響を与えることがあり、精神疾患のある人は自殺のリスクが高くなる傾向にある。しかし、精神疾患だけで自殺を説明しようとするのは不十分である。ほとんどの場合、自殺は試験の失敗や人間関係の破綻といった、特定の出来事が原因であるという誤解につながって行く。死因がまだ十分に解明されていない状況では、原因やきっかけについて時期尚早な結論を出すのは適切ではない。

迷信:自殺は困難な問題を解決する適切な手段である。
事実自殺は問題対処の建設的または適切な手段でもなければ、深刻なうつ状態への対応や苦しい生活状況に対処する唯一の方法でもない。自殺念慮の経験を持ちながら苦しい生活状況に上手く対処できた人の報道記事は、現在自殺関連行動を考えている可能性のある人へ、実行可能な他の選択肢の存在を示すことができる。また自殺は家族、友人、コミュニティー全体に甚大な影響を与える。そうした人々は自分が見逃した兆候があったのではないかと戸惑ったり、罪や怒りの感情を引き起こしたり、汚名を着せられた、あるいは社会から見捨てられたと思ったりすることがある。このような複雑な力動を慎重に追及する自殺報道は、悲しみに暮れる遺族を非難することなく、遺族へ適切な支援を提供するために必要なものを人々に伝えることができる。

(太字は全て引用者)

この内容が頭に入っていれば、少なくとも、悲劇の後に後悔することは、なくなるとは言いませんが、減ると思います(残念ながら、自殺を止められないケースが多いのも事実なので)。

末文ですが、竹内結子さんのご冥福を心よりお祈りいたします。そして、これ以上、自殺の連鎖が続きませんように。

【参考資料】

自殺対策を推進するためにメディア関係者に知ってもらいたい基礎知識
2017年最新版(WHO)

”自殺”について私が考えること(拙稿@2016/11/01)


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精神科キャリアコンサルタント。精神保健福祉士、国家資格キャリアコンサルタント・CDA、認定オンラインカウンセラーなどのライセンスを元に、メンタル疾患からの復職を目指す方の、キャリア構築支援をしています。 サービス受付ページ→http://www.s-yam-gucci.jp
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