40代非管理職の厳しい転活を乗り越える1つの方法

先週のコラムでは、うつ離職者に見られる心理的葛藤に、スコープを当てました。その中で、転活について、以下のように記述しました。

再就職にあたっては、
「まずは転職エージェントに申し込んで、キャリア面談を受けよう」
となりますが、転職エージェントは求職者の味方ではなく、求人企業の味方なので(それがビジネスモデルですから)、「お手上げ」で門前払いになることが現実としてあります(正直、40代以降の非管理職に対しては、とても厳しいです)。キャリアアドバイザーのキャリアカウンセリングは、万能ではないのです。そうなった場合、自分一人で闘わなければなりません。
…中略…
(逆に言うと、士業などの専門職ならば、年齢にそれほど縛られることなく”新卒”扱いになるので、キャリア挽回のチャンスはあります。丁稚奉公スタートなので、あまりお勧めはできませんが)。

本稿では、このことを詳しく見ていきます。メンタル疾患による離職後、具体的にどうすれば、一般社会参加ができるのかを、資格取得の有効性を中心に検討していきたいと思います。

40代非管理職が、転活で苦戦する理由

はっきり言うと、30代後半以降の中途入社者(転職者)に求められるのは、マネジメント経験です。チームをまとめて、会社としての結果を出してきたリーダーシップ能力が問われます。それがなければ、お話になりません。

では、非管理職の1チームメンバーとして応募したらどうなるでしょう?

「年齢差別はいけません」とはよく言われますが、同じスキルで年齢が大きく違う場合、企業は年齢が若い応募者を選びます。”伸びしろ”が全く違うからです。これが現実です。将来的には、履歴書で年齢を書く欄が消えるかもしれませんが、ぱっと見で明らかに年齢差が判れば、特段の理由がない限り、依然として、若い応募者を選ぶでしょう。「年齢差別だ!」と憤ったところで、「将来性を鑑みた結果です」とかわされるのがオチです。

私の就活も、ひょっとしたら、そういう理由で、第一志望の選考に漏れたかもしれません。5次面接の人事面接で漏れました。面接の人事の人曰く、私を含め数人で内定枠を争っていたそうです。私は、多浪&院卒だったので、ストレートの学卒より、5年も歳を食っていました。新卒の時点で、20代後半です。同じ選考評価でも、ストレート学卒と比べれられれば、勝ち目はまずありません。

なぜか?これも、”伸びしろ”の問題です。20代前半と後半では、これがまるで違うことを、内定をもらった会社の入社後研修で味わうことになります。この辺の苦渋を舐めた経験は、以前のコラムでご紹介しましたが、毎日がとてもストレスフルでピリピリしていたのを覚えています。

”一発逆転”は、望めないのか?

弁護士などの難関資格を取って「一発逆転する」というのは、なかなか難しいです。社会人人生のスタート時点からその仕事をしているベテランとは、とても同列扱いができないからです。中年にして、丁稚奉公でのスタートとなります。それも、”伸びしろ”が周りに比べて小さいのですから、精神的に若者よりずっと辛い、丁稚奉公生活になります。

更に、資格取得失敗のリスクも考えておかなければなりません。いわゆる、高学歴ニートになってしまうリスクです。中年になっても、難関資格を取得するのは不可能ではありませんが、学卒で取得するより、ずっと大変です。思考体力も、年齢を重ねると落ちてくるものだからです。物理的にこなせる勉強量も、そこでの単位時間あたりの集中力も、若者には全く敵いません。その差が掛け算となって、戦況を悪くします。

社会人人生の前半で鳴かず飛ばずなキャリアだと、後半戦で巻き返したくなる気持ちはよくわかりますが、そんなに甘くはないというのが現実です。

専門職も茨の道。どう活用するか?

私は30歳で、精神科ソーシャルワーカー(精神保健福祉士)という専門職の新人となりましたが、年齢面で現場でものすごく苦労したわけではありません。私も、医療・福祉系大学の新卒の子と比べられ、「あの子はできているが、あなたはできていない」と詰められたことはありましたが、それくらいは堪えましょう。

新卒と比べて、それまでの社会人経験が活きることがあります。例えば、対人支援職でビジネスがわかっている人は、多くはありません(開き直っている御人もいるので、呆れるばかりですが)。全く別フィールドの経験があることは、クライアントに対する提案力の具体性を豊かにすることができます。

それでも、40代後半にもなると、転活は不可能ではありませんが、難しいです。対策の一つとしては、プラスαのスキルで、差別化を図ることが考えられます。具体的には、これまでの経験を生かしたダブルライセンスなどです。
”これまでの経験を生かした”というところが、肝要です。ただのダブルライセンスでは、資格オタクと思われるだけです。そもそも、現場ではどちらの職種に付くかを選ぶ必要があるので、ダブルライセンスのシナジー効果は、限定的です。全く差別化にはなりません。そのスキルの組み合わせで、企業の人材ニーズにより応えられることを、アピールする必要があります。

私の例で言えば、近年、社会問題となっている、メンタル不調者のキャリア支援が、専門領域としてできる、それも、意思決定科学という学術的なバックグラウンドを活用して、というところです。精神保健福祉士とキャリアコンサルタントのダブルライセンスは、あまりいません(B to Bの第一線のボス級の人は、これらの資格をいくつも保持していることが多いようですが)。
ただ、これも、時代が経てば、新鮮味は薄れてくるでしょう。転活できたから一生安泰、ではないのです。小さい伸びしろながらも、自分のスキルを絶えずアップデートし続ける必要があります。

まとめましょう。

○40代以降の転活では、マネジメント経験がなければ、お話にならない。
○難関資格で”一発逆転”は、発想が甘い。試験に落ちるリスクもある。
○これまでの経験を生かした、プラスαのスキル差別化で、望みはある。

本稿は以上です。それではまた、次のコラムでお会いしましょう!

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