うつ病休職者のよくある葛藤への向き合い方ーキャリアカウンセリングのイメージ

前回のコラムでは、リワークプログラム(職場復帰のリハビリ)における、キャリア支援の必要性と実情について解説しました。
前回の最後には、うつ病休職者の方がよく持つ葛藤として、以下のようなものを挙げました。

「この仕事、そもそも、自分に向いているのだろうか?」
「これまでの仕事の仕方で、再発することなく続けられるのだろうか?」
「この仕事を、他の人ではなく自分が担うことの、社会的意義は何だろうか?」
「ビジネスパーソンとしての、自分の社会的役割とは、一体、何だろうか?」

本稿では、では、これらの葛藤をどのようにすれば良いかの一例を提示します。

では、どうすれば良いのか?

私の結論から簡潔に述べると、「キャリアカウンセリングを受けて、これまでの仕事人生を振り返り、整理・棚卸しすることで、解決の糸口を探していきましょう」となります。
キャリアの解きほぐしを専門とするセラピストの第三者的視点を通すと、”葛藤”の構図と核心が明瞭になってきます。キャリアカウンセリングを受けると、自分の考えを相対化し、人生という物語の中でそれがどういう意味を持つかが浮かび上がってくるのです。

しかしながら、これではただの宣伝になってしまうので、以下、この葛藤を具体的にどのように解決できるか、”さわり”だけになってしまいますが、紙面上で解きほぐしていきましょう。

「この仕事、そもそも、自分に向いているのだろうか?」

My Answer.
どういう時に、そうお感じになるようになったのでしょうか?何かきっかけがあったのでしょうか?
世の中、100%の適性(天職)というのは、なかなかありません。「この仕事、苦手なんだよな」と思いながら捌いていくことも少なくないでしょう。しかしながら、それが、ご自身の”問題”として認識されるということは、決して無視できない、違和感のようなモヤモヤしたものがあるのではないでしょうか?
放っておくと、それはどんどん肥大化しますから、少しずつで良いですから、向き合っていきましょう。”向いていないのでは?”と、どういう場面で感じますか?

「これまでの仕事の仕方で、再発することなく続けられるのだろうか?」

My Answer.
私の答えから言いますと、それは"No"です。
これまで、繰り返し強調しているように、同じ職場で同じメンタリティーで同じ仕事をしたら、再発するのは時間の問題です。自分という”(活動)システム”が変わらないまま、同じ入力(仕事)を入れたら、同じ出力(病気再発)しか出てきません。
休職に至った経緯を、少しずつで良いので、点検してみましょう。一般には、ストレッサーの積み重ねが心理的負担を生みます。どういう時に、心が締め付けられるように感じてきたでしょうか?
職務内容は?
職場環境は?
チームメンバーは?
ゆっくりで良いので、洗い出してみましょう。

「この仕事を、他の人ではなく自分が担うことの、社会的意義は何だろうか?」

My Answer.
そのようにお感じになるということは、仕事に対し、社会的使命感を持っているということではないでしょうか?それは、とても誇らしいことです。世の中、指示されたことを処理するだけで、勤務時間を過ごす人はゴマンといます。

人生の1/3の時間は仕事です。あなたにとって、仕事とは何でしょうか?”社会参加”・”社会貢献”・”社会活動”といったところだと思いますが、より掘り下げると、どう表現することができるでしょうか?

そして、ビジネスパーソンとしては誰しもが思うであろう、”替えが効かない人材”でありたいという、お気持ちが揺らいでいるのだと思います。ご自分の、”替えの効かなさ”は、どこにある/あったのでしょうか?単なる、専門性だけではないと思います。これまでの経験・実績・期待など、書き出して可視化してみましょう。

「ビジネスパーソンとしての、自分の社会的役割とは、一体、何だろうか?」

My Answer.
まず、ビジネスパーソンって、何でしょうね?「社会的意義」のご相談と通底するところがあると思いますが、単に、労務提供で対価をもらう、ということではないでしょう(そうならば、このような自問自答は出てきませんんね)。あなたの中の定義を、探してみましょう。”役割”を考えるには、それを行う”舞台”を明確に認識することが必要です。

ここまで、どういう”役割”を果たしてきたと考えてらっしゃいますか?その積み重ねを探る作業から、糸口が見えてくると思います。”社会的役割”とは、いきなり与えられるものというよりは、積み重ねで出来上がるものなので、職歴を振り返ることは、とても有効です。

問いかけの効果

だいぶ抽象的な問いかけですが、ここから先で、個々の事情をお聞きしないと、具体的なことは何とも申し上げられません。また、これは紙面上の一例です。ここまで一方的に、一気に質問を畳み掛けることはしません。

異動や昇進で、環境が変われば、同じような問題は再び出てきます。というか、ビジネスパーソンのキャリアとは、その問題解決の連続と言えます。いちいち躓いていたら、先に進めません。もちろん、都度都度、キャリアカウンセリングを受けるのも良いのですが、キャリアカウンセラーは、伴走者にすぎません。
うつの再発率は50%、再々発率は70%、再々々発率は90%と言われています。うつになったから問題に対処するのではなく、うつになる前に問題をある程度緩和しないと、健康で働き続けることはどんどん難しくなります。
そのためには、日頃のシチュエーションから、ある程度自分で問題解決ができることが必要です。最終的にはご自分で問題解決能力を身に着け、精神的に強くなる必要があります。
私の社会復帰支援サービスでは、再就職後も、”フォローアップ”として、ここまでサポートいたします。


本稿は以上です。それではまた、次のコラムでお会いしましょう!

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