”エリート”からの転進人生:コンサルから福祉、そしてキャリアへー独立宣言4年を記して

昨日、11月10日は、4年前、独立を決断した日でした。あれから、本当にいろんなことがありましたが、今日は、自分の原点を振り返ってみようと思います。これは、その時のSNS投稿です。

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当時と、かなりビジネスモデルは変わりましたが、自分の生業に対する思いは変わりません。

新卒就活で、”エリートコース”から弾き出される

私は、大学院で経営管理論をやっていたこともあり、就活の第一志望は、政策シンクタンクでした。その会社の説明会を聞いて、「俺は、シンクタンカーになる!」と意気込んでいました。日本では、政策シンクタンクは数えるほどしかありません。
私は、一番有名な某社では、筆記論文試験をパスし、5つの部門から面接に呼ばれました。今から思えば、第一志望なんだから、模擬面接を大学のキャリアセンターで受ければ良かったと後悔していますが、4月1日に合計4時間、別の日に1時間、一次面接を受けた結果は、全滅でした。私は、大学受験で2年浪人し、大学院入試でも仮面浪人をしたとは言え、中学高校・大学・大学院と、自分の第一希望に進めていたので、どうしたら良いか、わからなくなりました。

のちに入社するソフトウェア企業の内定はもらっていましたが、シンクタンクへの夢を諦め切れず、別の有名某社も受けました。ここも筆記論文試験はパスし、3回の面接をクリアし、事実上の最終面接に臨みましたが、そこで不合格となり、夢は潰えました。数人で一つの内定ポストを争っていたそうですが、年齢的なリスクもあったのだと思います(合計3年浪人+院卒2年で、普通の人より5年食っていました)。

他にも、鉄道会社や総研系のIT企業など、合計約20社受けましたが、中堅ソフトウェア企業の某社以外は、全滅でした。周りがみな、有名企業の内定を手にする中、自分だけが、無名の企業に入社することになりました。就活後、周りから「何で、その会社にしたの?」と聞かれましたが、「他が、全部落ちたからだ」と答えていました。ふてくされていました。

私が就活をした年は、リーマンショックの直前で、「売り手市場」と言われていました。しかし、その内実は、喋りが上手く、ぱっと見の印象が良い学生が複数の内定を独占し、私のような内気な傷物は全く内定が取れないという、二極化が生じていました。これは今でも変わらないようです。ここから、いわゆる”エリートコース”からの脱落人生が始まりました。

一応、その企業にエントリーした理由はありました。ITコンサルの独立系として、業界内では定評があったそうだったからです。従って、コンサル事業部以外は眼中になく、配属希望も「コンサル事業部に行きたいから、入社した」と出しました。
その希望は通り、コンサル事業部に配属されましたが、ソフトウェア企業のコンサルですから、求められるスキルは技術力です。やっていること、特に新人のすることは、SEと何の違いもありませんでした。総研系のシステムインテグレーターと違い、戦略コンサル部門を持たないので、営業でも提案力に欠け、かなり失注をしていたようです。
そんな会社でしたから、別にディスるつもりはありませんが、東京早慶一工の出身者はほとんどいませんでした。数千人規模の会社だと言うのに、歴代の母校出身者の数は二桁でした。自分の年齢も相まって、入社前から、強烈な孤独感に襲われることになります。

労務ストレスによる休職から、茨の福祉業界へ

私は、自分がプログラミング、特にコーディングが苦手なのは、入社前からわかっていました。詳細はこちらの記事に書いたので、ここでは深入りしませんが、ロジカルに考えることとロジックのみで仕組みを作ることは、全く別のことです。私は、自他ともに認めるように、いわゆるロジカルシンキングには長けていましたが、頭の中で抽象的な概念を積み上げるのは苦手でした。

新人SEのやらされることは、プログラムの改修や作成がほとんどです。毎日がストレスフルでした。この頃のエピソードはこちらに書いたので詳述しませんが、現場配属された頃から、労務ストレスで、精神科に通う頻度が増えました。最初は4週に一度でしたが、それが2週に一度、さらに毎週となりました。
診断は、適応障害とうつ病でした。診察の度に、次の診察までどういう風に乗り切るか、助言を仰いでいました。精神療法というやつです(精神科面接で行う、薬物療法以外のセラピーのことです)。ベンダー資格の試験で、あと1問で不合格になってしまったことがトリガーとなり、労務不能に陥り、2週間、会社を休むことになりました。
その後、仕事に復帰し、勤務先が変更になりましたが、今度はそちらの方で、パワハラに近い、ストレスの土砂降りに会い、主治医の指示で、会社を休職することになりました。

2ヶ月ほど休んだら、具合はよくなりましたが、その間、自分の適性や将来のことについて、考えざるを得ませんでした。この頃から、いわゆる〈社会的弱者〉のサポートをしたい、と考えるようになりました。
という発想は、”あるある”です。その発想だけで対人支援業をするのは、難しいです。この業界にも適性というものがあります。私は、最初、精神科病院で、通院リハビリ施設でのサポートや福祉ホームでのサポートをしていましたが、下積みも大事だとは言え、どうも、自分のやりたいこととは違うな、と感じていました。

順番が前後しましたが、ソフトウェア企業・入社2年目の終盤で、福祉業界に転進することを決め、その企業は2年で退職、精神保健福祉士という、精神科での患者さんの生活支援をする国家資格の養成学校に入りました。ここまで来ると、東京早慶一工出身という学歴は、邪魔でしかありませんでした。口の悪い先生は、私のことを「今まで、ちやほやされてきた」と言いました。2年浪人した親不孝者の、どこが”ちやほや”やねんと思いますが、側から見た”エリート”に対する印象は、そんなものでしょう。福祉業界での、最初の私の上司は高卒でした。別に、高卒が悪いというのでは、決してありません。ただ、仕事の感覚がなかなか合わないのは、事実です。学歴社会とは、そう言うことなのだと思います。

キャリアとメンタル

福祉業界に足を踏み入れた私は、いわゆる障害者支援がしたいのではなく、その人の人生(キャリア)構築をサポートしたいのだと思うようになりました。そこでまたまた、一念発起、キャリアカウンセラーの養成スクールに通い、国会資格キャリアコンサルタントを取得、現在に至ります。

キャリアとメンタル、という組み合わせは、まだまだ巷間に流布しているとは言えません(専門書も、下に掲げたものくらいしかありません。この著者と私は知り合いです)。キャリアコンサルティングにおいて、精神疾患の方に専門的な支援が必要な場合は、外部に委託(コンサルテーション)することがほとんどです。1日やそこらの研修を受けたところで、対応できるようにはなりません。私のような、精神科のプロが必要だと考えています。

一方で、精神科の領域においても、キャリア支援は、ほとんどやりません(ないとは言いませんが、本当に数えるほどしか、実施している施設はありません)。本当は、問題の根っこには、その人のキャリア上の課題があり、それを解決しないことには、同じ問題が再発することになるのですが、そこまでサポートしてくれる機関は、ほとんどありません。あっても、私のような専門職のライセンスを持っている人が専任でやることは、聞いたことがありません(もっと言うと、この”国家資格キャリアコンサルタント”という資格は、できたばかりの”ザル資格”でして、別の民間キャリアカウンセラー資格を持っていないと、その人の専門性はかなり怪しいです)。

加えて言えば、福祉の業界は、ビジネスの感覚が全くありません(私は、精神保健福祉士の実習で、「あなたの言う”ビジネス”というのは、意味が狭いのでは」となじられましたが、「少しは勉強しろよ」と思います)。あまりに、一般社会の感覚と乖離しており、それにうんざりして福祉業界を離れた人を、私は何人も知っています。将来的には、そういうこともしたいと考えています(その辺は、また別の機会にお話しできればと考えています)。

私の人生の意味

東京早慶一工出身というと、私の年齢では、平均年収は1000万円を超えます。一方、私のいる、福祉やキャリアの業界では、その年収はあり得ません。流れているお金の量が、文字通り桁が違うのです。
でも、私は、日常生活に不自由しなければ、年収はその半分でも構わないと考えています。都心の一等地に持ち家が欲しいとも思いませんし、高級車やアクセサリーが欲しいとも思いません。お酒もタバコも株もギャンブルもしませんし、高級フレンチで休日を堪能したいとも思いません。強いて言えば、音楽活動で楽器が必要ですが、楽器を新調する予定は全くないので、10万円単位の買い物をすることもありません。

私が、社会的”エリート”の出自であることは、はっきり言って、運がよかったからです。浪人2年目の時、奇跡としか言いようがないことが、何度も起こりました。
私は、社会に弾かれた、これといった才能に恵まれない人、健康に恵まれない人、人間関係に恵まれない人に、自分がかろうじて掴み取った運を大事に、寄り添い、手を差し伸べ続けるのが、自分の人生の意味だと思っています。「人生は何事もなさぬにはあまりにも長いが、 何事かをなすにはあまりにも短い」(中島敦)。もうすぐ人生も折り返しですが、自分に与えられたミッションに応えていきたいと考えています。

来年から、独立5年目に入ります。私にしかできないサービスを、社会に提供したいと考えております。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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精神科キャリアカウンセラー。メンタル疾患からの復職を目指す方の、キャリア構築支援をしています。精神保健福祉士、国家資格キャリアコンサルタント・CDA、WLBコンサルタントなどのライセンスを保持。ホームページ→http://s-yam-gucci.jp
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