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乳腺外科医わいせつ事件・逆転有罪判決を読み解くための交通整理

業界関係者には、驚きの判決でした。私はその端くれでもありませんが、思ったことを述べようと思います。

東京都足立区の病院で手術直後の女性患者にわいせつな行為をしたとして、準強制わいせつ罪に問われた医師の関根進被告(44)の控訴審判決が13日、東京高裁であった。朝山芳史裁判長(細田啓介裁判長代読)は「被害者が診察だと信頼した状況を利用した犯行で、刑事責任は軽視できない」と述べ、無罪とした1審・東京地裁判決を破棄。懲役2年の実刑判決を言い渡した。被告側は上告した。
(読売オンライン「手術直後の女性患者にわいせつ行為、医師に逆転有罪判決…東京高裁」)

焦点は、女性患者の証言に信憑性があるか、特に、術後麻酔下での”せん妄”下での発言だったかどうか、でした。”せん妄”とは、簡単に言えば、麻酔や認知症による、意識狭窄・意識変容のことを指します。事実がどうあれ、女性患者が嘘をついているわけではありません。

法廷では、”専門家”の意見が割れました。
被告側弁護士の意見。

検察が推薦して出てきた証人は、せん妄の専門家ではない医師であった。
そのことは、この医師自身が作成したスライドにデカデカとした文字で「私はせん妄研究の専門家ではない」と書いていたくらいである。
一方、弁護側が推薦して出廷した証人は、せん妄についての多数の論文を執筆し、せん妄を専門に研究している大学教授(精神科医)であり、正真正銘せん妄の専門家であった。

(出典は、アメブロ。)


その”専門家”の構図を、今一度整理すると、

弁護側:大西秀樹氏(埼玉医科大学国際医療センター精神腫瘍科教授)
検察側:井原裕氏(獨協医科大学埼玉医療センターこころの診療科教授)

これを見て、正直驚きました。
えっ、井原裕さんて、あの人?私もこの人の著作は読んでいますが、井原先生の本来のご専門は、うつ病などの精神病理学であるはずですが…。どういう経緯で、この役をお引き受けされたのかは、知る由もありませんが。

井原先生は、公判中、弁護側の資料に対して、こう述べています。

この論文は参照にする必要はない。平均年齢70.2歳の、ガン治療を受けてお見送りの緩和ケアを受けているような人たちの症例でしょう。高齢者の方は合併症も多いし、既往歴もある。弁護士の先生たちは一審から、高齢者医療のせん妄の例ばっかりやっているでしょう。A子さんは30代の健康的な女性で、何の合併症もない。こういう人たちと同一視するべきではない。こんな論文を読んでいるのは時間の無駄。事実を見誤らせ、ミスリーディングするだけです。

文字通り”ズブの素人”である(医師ですらない)私が、この発言の是非を論じることはできません。ただ、女性患者側の証言では、被告医師は、わいせつ行為の側で自慰行為をしていたと言います。うーん、その信憑性は無理がある気が…。なぜって、カーテンで仕切られているとはいえ、相部屋ですよ?

問題の時間帯に女性看護師を同伴していなかったことが被告医師側の落ち度であるという報道もありますが、判決では、女性看護師が同伴していたとしても、インサイダーであるから、証言に客観性は期待できないという旨のことが述べられています。それを言ってしまったら、被告側に悪魔の証明を要求していることになる。


女性患者さんの主張が事実なら、セカンドレイプになってしまうので、断定的なことは言えませんが、正直、典型的な痴漢冤罪の構造である気がしてなりません。私個人としては、「疑わしきは被告人の利益に」の原則に則るべき事案であると思うのですが…。

【その他、参照資料】

(無料視聴は、19日(月)まで。特に、筒井冨美医師の出演に注目)

[7/16追記]

[7/21追記]

◇◇◇

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精神科キャリアケースワーカー。精神保健福祉士、国家資格キャリアコンサルタント・CDA、認定オンラインカウンセラーなどのライセンスを元に、メンタル疾患からの復職を目指す方の、キャリア構築支援をしています。 サービス受付ページ→http://www.s-yam-gucci.jp
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