病気の治し方が書いてあるブログですか?という、ご質問に対して、回答します。

ブログ(コラム)をやっていると言うと、「病気の治し方が書いてあるんですか?」と言われることが多い。
はっきり申し上げるが、そんなわけがないでしょ!私は医師(治療者)ではない。クライエントの生活支援、特に社会復帰を支援する、ソーシャルケースワーカー(精神保健福祉士)である。

”治す”という言葉を使えるのは、治療行為を認められている医師だけである。周知当然のことながら、医師免許は業務独占である。医師以外の者が医療行為を行うことはできない。これに対して、我々精神保健福祉士は、”名称独占”にすぎない。資格を持っていないと名乗れないが、その資格保有者でなければできない業務があるわけではない。

「じゃあ、あなたは、何をしてくれるんですか?」というのは、この元日に”新サービス”としてリリースしたので、こちらの記事をお読みいただくか、
あるいは、先日、これをまとめた小冊子(スライド)↓を作成したので、そちらを見ていただければと存じますが、

私は、転職活動ができる程度にまで回復した方を対象に、私オリジナルのプログラムを実施することで、社会復帰(再就職)するまでをサポートする、キャリアコンサルタントである。


精神保健福祉士になる過程で、「”診断”?をしたいのか?ソーシャルワーカーとしての姿を想像できません。進路を再考した方が良い」などと”現場実習”なるもので、一方的にコメントされたことがある。その考えを実習期間中、放置していたのかと思うと、今や、怒りを通り越して呆れるばかりだが(そんな輩に、実習”指導者”を名乗る資格はない。今すぐ足を洗え)、
確かに、私は、元々当事者だったので、治療に対する興味は強い。しかしながら、治療についての最低限の理解もせずに、障害者支援をしているなんて、厳しい現実から目を逸らしているようにしか、私には見えない。
このコラムなどでも、再三申し上げているが、”障害”や”疾病”についての理解なしに、障害や疾病を持つ人の生活支援など、できるはずがない。その障害特性・疾病特性を、その人の”個性”などというのは、まやかしである。

それはともかくとして、話を戻すと、精神疾患は、何をして”治療”するのかというと、釈迦に説法を承知で簡単に述べると、以下の通りになる。

まず、精神疾病の治療は、薬物療法と精神療法に分かれる。
薬物療法というのは、その名の通り、服薬によって、治療を進めるものである。服用するのは、抗不安薬とか向精神薬とかである。文字通り、不安を沈めたり、気持ちをジャッキアップしたりする効能がある。これらの中でも、”ベンゾジアゼピン”系という種類の薬は、強力な作用があるが、依存性があるので、取り扱いには注意を要する(少し前に、過剰投与が話題になった、デパスが代表例である)。
個人的には、アトピー性皮膚炎の治療で用いる”ステロイド”みたいな物をイメージすれば良いと思う。効果は大きいが、だらだら続けて良い薬ではない。副作用もあるし、使い続けると、薬物耐性ができて、効かなくなってしまう。

一方、精神療法というのは、患者の意識や感情に働きかけて、回復を目指すものである。定義としては、薬物療法以外の全ての治療法を指す。
最も有名なのは、”認知行動療法”である。専門的には、「認知(ものの受け取り方や考え方)に働きかけて気持ちを楽にする心理療法」などと定義されている(国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法研究センターより)。これは純粋な意味での医療行為ではない(診療点数は付くようになったが)ので、医師以外でも行うことができる。もちろん、専門的な訓練を受けた者でなければならないが。
私のサービスでは、”問題解決療法”という、これの一類型を用いるが、認知行動療法全般のスキルは、私はまだまだである。というか、一生をかけなければ、熟練できないものである。カウンセリングなどのセラピーは、一般にそういう性質を持つ。

従って、冒頭の疑問点に対する答えを述べると、一部の精神療法は、セラピストとしての心理的支援という形でできるが、薬物療法はできないので、”治す”という行為は、私にはできない。「うつ病を治したい」というご希望であれば、医療機関を受診してくださいとしか言えない。ついでに言うと、どこか良い先生を紹介してください、という相談もあるが、これは、ほぼ100%、相性の問題なので、第三者である私が横から口を出すことはできないし、そもそも少なくとも、こういう患者さんには、あの先生がいい、いや、この先生がいい、というメディカルネットワークの存在を、私は聞いたことがない。

では、治療ではない生活支援とは、具体的に何かと言うと、お金の問題とか、住まいの問題とか、通院の問題とか、就労の問題とかなどを、それぞれの方面の専門職とソーシャルに連携して、解決することである。
お金の問題なら、FPや社労士に、住まいの問題なら、不動産にコネクションのあるケースワーカーに、通院の問題なら、役所の公的サービス部門に、就労の問題なら、キャリアコンサルタントに、といった具合である。最後の一つに私は該当するわけだが、これは、他の問題と比べて、まだほとんど例がない。

私のサービスは、治療によって、転職活動(再就職活動)をできるまでには回復した人が、対象である。一般的には、治療と転職活動は同時並行で行うことも多いが(これを、業界用語で”リワーク”という)、体力的・精神力的にかなり大変だし、転職活動も思い通りには進まないことも少なくない。
従って、私のサービスは、この”回復”を前提としている。その上でないと、私が開発した、ハードな社会復帰プログラムはこなせないからだ。途中で辛くなり、ギブアップして病気が再発する、というのが、最悪のパターンである。それは、医療・福祉に携わる者として、絶対に避けなければならない。


以上、私が何ができて、何をする人なのか、ということに対して、お答えをしたつもりです。それでも、説明が足らないということであれば、コメント欄からお願いいたします。

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精神科キャリアカウンセラー。メンタル疾患からの復職を目指す方の、キャリア構築支援をしています。精神保健福祉士、国家資格キャリアコンサルタント・CDA、WLBコンサルタントなどのライセンスを保持。ホームページ→http://s-yam-gucci.jp
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