私が会社を休職・退職した原因と背景 その(1)

本年度初めから、”うつからの社会復帰の仕方”をテーマに連載しておりましたが、今日からは数週にわたって、私がキャリアにおけるどんな失敗をし、どうやってそこから復活したかを、ご案内したいと思います(これまでの記事と、内容が重複する部分がありますが、ご容赦ください)。

私はこれまでに、体調不良で3回、仕事を休んだことがありますが、本稿では、その1回目を取り上げます。

序章

私は、福祉業界に入る前は、システム開発企業で、コンサルタントという名のSEをしていました。新人の8月に客先常駐になりました。出社できなくなったのは、初年度の年度末でしたので、1年持ちませんでした。入る会社を間違えたと言えるかも知れません。
その会社に入った理由は、内実は他の志望企業が全滅だったからですが、表向きの理由はIT企業でコンサルティングに定評があると、とある就活セミナーで耳にしていたからでした。”IT”という冠にいささかの不安を抱きつつも(そしてそれが後に現実になる)。

全般的背景

仕事面
後述するように、仕事で、やりがい・達成感などのプラスの感情を持てたことは、ほぼ皆無でした。

環境面(人間関係)
その時の上司は優秀な方だったようですが、見本も見せずに「ホーレンソー」と呪文のように唱えるだけで、雑談の一つもない職場では、私の信頼度は限りなく低く、上下関係も「命令する」「命令される」だけの無味乾燥なものでした。

私生活(アフター5)
学生時代の知り合いが一人もいない環境だったので、非常に孤独でした。実家から通える場所ではなかったので、週の半分は、独身寮で一夜を明かす日々でした。狭い独身寮では、何もしたいことがなかったので、毎晩お酒を飲んで翌朝ギリギリまで寝ていました。

SWOT分析で見るキャリア的背景

SWOT分析とは、強み(Strength)・弱み(Weakness)・機会(Opportunity)・脅威(Threat)の要素で、現状分析をするフレームワークです。こんな記事があるんだ。へぇ〜。

休職に至った背景を探るべく、当時の私をSWOT分析してみます。

強み(Strength)
唯一得意なのは、資料作りでした。
開発しているシステムの全体図を上司と一緒に描いたり(それまで無かったのが恐ろしい…)、常駐先の人事体系を分析して見積もり資料に加えたり、など。しかしながら、チームの最高トップであるプロジェクトマネージャーは、成果としては認めてくれませんでした。査定理由は、「独力でやったものではないから」。

弱み(Weakness)
後述するように、絶望的にプログラミングが向いていませんでした。
技術力の優位性を掲げている企業でしたから、その技術力がないのは致命的でした。

機会(Opportunity)
通常ならば、成長とともに仕事の難易度が上がり、周りから評価される機会をもぎ取ってくるのでしょうが、私はそのレベルまで到達できませんでした。
全新人が参加する「フォローアップ研修」が、新人の12月にありましたが、あくまで新人研修の一貫だったので、職場で自分をアピールする機会にはなり得ませんでした。

脅威(Threat)
次々と新しく降ってくるタスクは、憂鬱と恐怖でしかありませんでした。特に、厳しい期限を定められていたので(そうではない職種も世の中にはあるらしいですが)、毎日、時間に追われる恐怖がありました。

”must / will / can”で見る、原因分析

”must / will / can”のフレームワークで、なぜ休職に至ってしまったか、当時の自分を分析してみます。

must(やるべきこと)
与えられた仕事なので、やるしかない、という姿勢でした。社会的使命感といったものは全くありませんでした。なぜ、自分が苦しい思いまでしてそのタスクをしなければならないのかが、全くわかりませんでした。当時は、一番下っ端だったから、プログラミングというIT土方をさせられるしかないのだという、やらされ感しかありませんでした。

will(やりたいこと)
やりたいこと(業務コンサルティング)とは、程遠いものでした。「新人だから下積みから」というのはわかるのですが、プロフェッショナルの看板を背負いつつも、実際は、パートナーさん(昔で言う下請け会社)に1から10まで面倒を見てもらわないと、ほとんど何もできませんでした。

それなら、自分で自己努力(勉強)をするべきでは、と思われるでしょうが、あまりにマイナーな開発言語だったので、専門書の一つもありませんでしたし、お役立ちまとめサイトもありませんでした。私の優秀な同期は、わからないことがあったら、Google検索していたそうです(これが”プロ”の仕事のやり方なのか、甚だ疑問です)。

can(できること)
明らかに向いていませんでした。細かいことを精緻に一つのミスもなく積み上げるのは、とても苦手なのです(どうやら、それがASDっぽい部分があるようだと判ったのは、最近のことです)。時間をかけて多少はできるようになりましたが、それでも一戦力としては程遠いものでした。

抽象論だけで物事を組み立てて行くのは、とても苦手なのです(だから、大学受験でも、数学は苦手科目でした)。作ったプログラムの文法チェックでエラーが噴出してきた時の、あの内側でストレスが沸騰する感覚は、確実に自分の心身を蝕んでいる気がしました。

◇◇◇

こうして振り返って見ると、何一つ希望的要素はないのは明明白白でした。
「最初は苦手でも、スキルを身に付け、慣れればできるようになる。挑戦してほしい」というアドバイスをよく聞きますが、ここまでミスマッチをしていると、根性論だけではどうにもなりません。
仕事マインドの書き換えなども、まるで望めない状態でした。「どういう場合に、体調によってどういう行動・考えを持てば良いのか」、そんなことを考えている余裕は全くありませんでした。

最後のダメ押し

最後のダメ押しは、会社が要求している資格取得の失敗でした。
年度末にベンダーの認定資格を今一度受けましたが、あと一問のところで不合格になってしまいました。その時から出題形式が変わったので、「あぁ、これは当局が、合格者減らす気なんだな」と感づいていましたが、見事にこれに引っかかってしまいました。翌日に、その時抱えていたタスクを残業で全て片付けて、翌々日からは出社不能になりました。これが、人生の失敗でなくて、何でしょう?

2週間の休息後、出社できるくらいの状態にはなり、客先常駐から離れ、本社勤務になりました。正直、客先常駐からの開放感がその時はありましたが、それは一時的なもので、今度は強烈な閉塞感に襲われることになります。それらをどう乗り越えたかは、また次回に。

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