政党評価に付随する個人的なメモ。
5月に政党別の評価記事を書いたことがある。その自民党の節に記したとおり、闇鍋政党だと思っている。つまり、考えが大きく異なる人たちが集まっていると思っている。
とはいえ、その個々の候補者の考えをあまり詳しくは知らない。この機会に調査・確認してみることとした。……と書き始めたものの、範囲が広すぎて収拾がつかない。そのため経済・金融政策を中心に調査・確認し、まとめてみることとした。
まだまだ政治のことが分からない者の意見ということを考慮いただきたい。
はじめに
基本姿勢
これは「政党評価2024年5月末時点」に記した内容にも被るところ、自身の考えをまとめるつもりで書いた記事となっている。経済・金融政策を中心に、当方の考えに合う考えを持っているかという観点で調べたものである。他の方に特定候補者の支持や不支持を促す意図はないことを前置きしておく。
そもそも自民党員ではないので、党員票を持っていない。もとより投票のために調べるのものではない。
記事掲載対象
下記掲載議員を対象とし、50音順で掲載した。
加えて、青山議員を末尾に追加している。
経済分野に対する当方の現状認識
コアコアがついに2.0%割れ。サービスが4か月連続で2.0%割れのうえ、ついに1.5%割れ。インフレ基調どころか、サービス分野を中心に経済減退の兆しが見える状況。安定的2.0%成長を実現するには、利上げをストップし、サービス分野を中心に経済的な手当てが必要な状況とみる。
◆統計情報
◆統計情報の原典
◆統計情報の収集・分析方法
石破茂元幹事長(鳥取1)
短評
現時点での利上げを正しい政策と評価している点、財政規律派、これらの点で当方の感覚とは相容れないと感じた。
所信表明演説全文……が掲載された情報
その他(1)
以下の「解決への時間を遅らせる」に共感する。そのため、連絡事務所開設という方向性はありえないという印象。
拉致被害者ではなく特定失踪者方面の人には連絡事務所開設に期待する動きがあることも分かるところ、相手が誠実といえない点、取り込まれる懸念と天秤に掛ければ、危険がはるかに上回るというのが当方の見解。
ウクライナ有事まで当方の政治への関心が薄かったので知らなかったところ、石破氏は以前から提唱していたようだ。前回の総裁選出馬の際にも同じことを語っていた模様。
なお、以下の動画でこの話を知った。
その他(2)
所信表明演説の以下の部分。
防災省の設立に対する思いが以前からあったことは知らなかった。
法制面では「災害対策基本法」、体制面では国は「防災基本計画」(左法34条、35条)、地方たとえば能登半島地震エリアであれば「石川県地域防災計画」「珠洲市地域防災計画」「能登町地域防災計画」などのように整備されている。十分ではないという思いがあるのかもしれないが、今の仕組みのままでも充実させていくことはできそうな気もする。それには、行政監視機能を有する議員による、防災・減災対策の達成状況のフォローアップのような気がする。そういうことをやっているという話が、検索しても見えてこない。そのため口だけの印象が拭えない。
上川陽子外相(静岡1)
短評
経済政策や金融政策に対する考え方、日銀の金利に対する考えなど、総裁選以前からどのように考えていたのかを窺い知る情報がどうも見つからない。
所信表明演説に「強力な物価対策を講じ」とあるが、これは利上げ→円高誘導→資源輸入コスト減……的な方向だろうか。もしそうなら賛同できない。
所信表明演説全文……が掲載された情報
その他
国会での松原仁議員とのやり取りを見ていると、他の国のトップとやり合える器にないと感じる。事前に準備された答弁はできるが、臨機応変に立ち振る舞う力に欠けると感じる。
加藤勝信元官房長官(岡山5)
短評
「物価と賃金の好循環が続くためには金利のある経済に向かわねばならないことは『明らかだ』」……という言い回しは、「物価と賃金の好循環」のために「金利のある経済」を目指す必要があると言っている感じに聞こえる。
金利は、それだけの金利を払ってもそれ以上の経済成長を見込める、借りてなおそれ以上の利益が見込めるからこそ成り立つ話であって、「経済成長」→「物価と賃金の上昇」→「抑制のための金利上昇」の順番に伝搬するのだと思うところ、当方とは異なる捉え方のように聞こえる。
所信表明演説全文……が掲載された情報
小泉進次郎元環境相(神奈川11)
短評
調べても金融・財政政策の考えがなかなか見つからなかったのはこういうことだったのか。「金融・財政政策についてはほとんど口にしたことがなく」というなら、論外である。どの方向性の考えを持っているにしろ、総裁選のときだけ聞こえのよいことを言う人は信用ならない、その場限りで何を言っていても響かないという話である。
所信表明演説全文……が掲載された情報
その他
「支援を検討」という言い回しも好きでないところ、「年金生活世帯や低所得者世帯」に限定するやり方も好きではない。どのように限定しても、境界部分に相当する人の不公平感は拭えない。
河野太郎デジタル相(神奈川15)
短評
「インフレ基調」とあるが、冒頭に当方の現状認識を記したとおり、「デフレから脱却」を完全に果たせず経済減退の兆しが見えるという当方の見解とは相容れないと感じた。
また「財政規律をきちんと取り戻すのが大事」という点にも、当方とは相容れないと感じた。
所信表明演説から、財政規律面を抜粋。ここも当方とは相容れない。
所信表明演説全文……が掲載された情報
小林鷹之前経済安保相(千葉2)
短評
調べてもよく分からないという感。
たしかに最近の言動を調べていくと、財政規律よりも経済という言葉が見える。ただ「今はアクセルを踏む時だ」の裏付けとなる情報が見つからない。高市議員のところに記したような、数字をベースにした現状分析を行っているのか、そこに疑念がある。
青山議員は、小林議員を保守と見ており、ただし減税には消極的意見だとみている様子。この印象がどこから来ているのかを追いきれていない。財務官僚あがりなので、財務省の考えを色濃く残しているのではないかという印象は分かるところ、そこから掘り下げた情報があまり見えない。財務官僚あがりだからという憶測ではない情報が知りたいところである。
所信表明演説全文……が掲載された情報
その他
中国政府と直接向き合ってこの問題を解決というのは、中国に輸出する水産業を応援していくという意味だろうか。販路の転換という方向が適切な気がするので、当方の考えとは合わない部分である。
高市早苗経済安保相(奈良2)
短評
聞いている感じでは当方の考えに一番近いように思う。以下の部分は、当方の認識や考えとかなり合っている。
所信表明演説全文……が掲載された情報
林芳正官房長官(山口3)
短評
よく分からない。以下の場所で「財政健全化」と言っているところ、これは官房長官の立場としての言葉のように思う。行政から離れた立場の言葉を探してみても、なかなか見つからない。
所信表明演説全文……が掲載された情報
その他
経済以外に、中国に対する向き合い方をもう少し調べたいところだが、総裁選では有力といえないようであることから、今回の調査ではここまでとした。
茂木敏充幹事長(栃木5)
短評
利上げ容認というところから、金融政策は当方の考えとは合わないように見える。
所信表明演説全文……が掲載された情報
青山繁晴参議院議員
短評
総裁選が始まる前に記事にまとめていたので、出馬に至らなかったものの、こちらに記すこととした。
大まかには当方の考えに近いところが目立つ。当人のYoutubeチャンネルを登録しており、多くの動画を見ている。ただし前半に限った話であり、後半、作家としての部分は見ていない。
ただ、ときどき考えの異なる部分が出てくる。思い出すところでは、能登半島地震の初動について。自衛隊が絡むところは、やや的外れではないかと感じるところがある。有事となると、自衛隊との協調が重要である。ここにはやや不安を覚える。
この点を記しておきたかったため、出馬断念とはなったものの、記しておくことにした。
能登半島の初動に対する考え
以下を見る感じ、オオカミ少佐の説明に強く共感した。逆に議員の説明は的外れに感じた。有事のとき、専門家の意見を聞かず、自分の考えを押し通すようなことにならないのかという点が気になった。
◆議員の動画
◆オオカミ少佐の動画
最後に
経済・金融に対するそれぞれの議員考え方、その大まかなところを理解できたように思う。
党員ではないので、あとは行方を見守るのみである。