この世とダンスを踊らない

長いこと取り組みを続けてきて、ようやく完成するのかなと思ってることがある。何度も何度も同じ原理を誤って、その度に自分を思い出させて、調整してきたこと。
一度わかったはずのことを、どうしてそんなに間違え続けることができるのかというと、自分の中に「この世を実体と思いたい」気持ちが残っていたから。
そう、しっかり内を見るならば、その気持ちは確かに残存していた。

この気持ちの「内訳」を説明するのはそう単純じゃない。
そこに表れているのは、この世を体験している私たちの多くに共通の信念であって、そこから多様な感情や思考が派生しているからだ。

ひとつ参考にしてほしいのは、「この世から出たい!」と悲痛に訴えている場合はかえって、この世に執着する思いが幅を利かせているということ。この世に実体があり、この世は自分へ「望まない影響を与える確かなもの」と信じていたいのだ。

自覚のある状態で生きるとは

あらあら、そうはいっても実際問題として、この世の体験をし続ける限り、この世をないがしろにすることはできないじゃない。まさか「何もしないで」生きていくことだってできないし……。
と、この種の考えが浮かぶとき、根本的な勘違いの中にいる。

確かに、この世とは何か、自分とは何であるかの「自覚」ある状態になっても突然時空の経験が消えるということにはならない(なってもいいのだが、多くの場合そうしないだろう。あなたの目的がまだあるからだ)。
この世という設定を活用することは続く。
続くけれども、あなたの自己認識やものの見方は完全に以前と異なる。

つまり、行為や行動を「しないで」生きるということはない。
あなたは体を通した五感も経験し、一見すれば以前と変わらない生命活動が続くだろう。

けれども決定的に違うのは、完全に独立しているのは、

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