動物と仲良くするためには【アニマル・コミュニケーションの基盤】

最近まで私はスピリチュアル・カウンセラーを仕事にしていて、元は人間の心の悩みを解決したいという熱意と目的があったのだが、近年になってそれがかなり変化したのを実感していた。
同じ熱意があるように見えていても目的の「中身」が変わった。
私の目的のより多くが「地球の他の生物たちのために、自然界の調和を人間の怖れによって阻害しないこと」に向けられていて、直接人間に向かう関心以上に、自然界の調和を乱さないために人間の意識に取り組みたい、という思いが勝るようになったのだ。

つまり、今の私は人間に対する以上に、自然界や地球の生物に対して興味がある。

「宇宙人(地球外生命)に会いたい!」と言う前に、人間は地球上の生物ともっとコミュニケーションを取れるように学んだ方がいいと思う。
地球上での異種間交流をまず、実現しよう。
地球に住むたくさんの生物たちは、本当に素敵な仲間なのだから。

私もその学びを深めている最中だが、多様な生物たちを知ることで得る感動は果てしなく、自然界から与えられているものの大きさを度々実感する。

今回は、特に動物の話をしよう。
私は数日にいっぺんは、動物の夢を見る。
夢では、自身の様々な側面の象徴として動物を見るという要素がある一方で、明らかに異世界(起きている間の現実とは違う次元)においてその動物とコミュニケーションしていることを実感できる場合もある。

人間の意識は「現実」に表現される。地球環境・自然界にも人間の意識状態が反映されるので、「地球舞台」を共有している動物たちも人間に言いたいことがあっておかしくない。
実際、彼らは色々な形で私たちの「鏡」ともなってくれている。

地球は独自の生命体であるけれども、同時に、私たちの体験する地球環境は私たちの意識の反映である。現状を良い・悪いと判断する気はないのだが(人間の狭い視野から物事を評価しようとすると、たいてい間違う)、人間の無知や思い違いから、明らかに不要な苦しみを生物たちに与えている現状もある。

動物とのコミュニケーション(アニマル・コミュニケーションと呼ばれることもある)ついてはもちろん、「異種間コミュニケーション」全般に関心がある人にこの記事を読んでほしい。

人間が動物に対して抱きがちな誤解

動物と接するにあたって、人間が陥りやすい2つの過ちがある。

1つは、動物を人間と同一視すること。
家族の一員として迎え共に暮らしている動物を、愛しさや外見のかわいさのあまりいつまでも「赤ちゃんや幼児のように扱う」などもこれに該当する。
(気持ちはわかるのだが、動物とコミュニケートすれば、それはそぐわないことだとわかる。「愛情表現」であるという意図は、大体伝わっているが……。)

野生動物を含む、動物の自然な行動を「人間流」に解釈することもそうだ。
彼らの行動の動機や意味を、人間の価値観に沿って説明しようとし、それをある動物の習性として定義づける過ちをおかしてしまうこともある。
他の生物と向き合うとき、私たちは「人間の世界の常識」や、「人間の思う発想や、善悪などの基準の枠組み」から出る必要がある。

もう1つは、1つめの真逆に思えるかもしれないが、動物を人間とあまりにも違うもののように扱うこと。
動物は思考や感情を持たないものとして、人間の利益のためにただの道具のように利用したり、深いコミュニケーションを取ろうとしない(動物には、それができないものだと信じている)などがそうである。

あなたが動物と本当に親しくなったらわかるはずだが、動物には感情も思考もあるし、それぞれの個性がある。それについては人間と変わらない。
ただし彼らは「ひとつであること」の本質を忘れていないので、先に書いたように、人間の価値観を当てはめようとすると「???」となることはあるだろう。

たとえば、死生観がそうだ。
動物は、現代の人間がそうしているように「センチメンタルに」死を捉えているわけじゃない。
それから、個であると同時に「種」として生きる意識を持っていることも、人間には理解しづらいものかもしれない。

「種は、大きな私である」という観点を持っている動物たち。人間のエゴとの違い

たとえば、種の存続のためにれっきとした力関係があったり、弱い個体ほど不利な生存環境になったりする野生動物のあり方も彼らにとっては自然だ。
そうすることで、種という「大きな私」を維持できるのだ。

人間が思うような「犠牲者精神」があってそうしているわけではない。
彼らにとって、個である自己は種の一部を成していると同時に、種は「私」そのものである。

また、彼らの社会で時に熾烈になる競争や、明確なマウンティングといった行為も、人間の価値観で解釈すると間違ってしまう。

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