経験者募集や即戦力採用をするときに気を付けること
求人サイト・求人広告を見ているとよく見る【経験者募集】【即戦力募集】の文字。
教育研修をする手間を考えたり早急な欠員補充を考えていたりする場合は、経験者や即戦力がほしいのはわかります。
しかし、それが本当に会社にとって良いことなのかどうかは、改めて考えてみた方が良いかもしれません。
┃経験者や即戦力が必要な場面
大きな組織ほど採用計画を定め未経験者、場合によっては新卒採用を重要視しているように感じます。
会社を維持・成長させていくためには、各世代がバランスよく配置されていることが大切ですし、そのためには若手を採用していくことが必要不可欠だからです。
そんな中でも経験者や即戦力が必要な場面はあります。
例えば「会社の成長のために特別な経験が必要なとき」や「退職により欠員補充が必要になったとき」です。
【会社の成長のために特別な経験が必要なとき】
新しい部門やサービスを立ち上げるとき、社内にそのノウハウがない、足りないときは外部から新たな人材を獲ってくるケースがあります。
また、マネジメントできる人材が不足する場合に経験者を採用することもあります。
このようなケースでは、経験者や即戦力が必要になるでしょう。
【退職により欠員補充が必要になったとき】
マネジメント層が離職してしまうというのは、会社にとっても一大事ですがそれ以外にも経理や給与計算など特別な事務をやっているような人が退職してしまった場合にも経験者や即戦力がほしくなることがあります。
しかし、このような欠員補充による経験者採用や即戦力採用は、失敗することが多いです。
┃欠員補充の繰り返しは会社にとってマイナス
各部門を最小人員で運用している中小企業によくありますが、一人が担っている業務量が幅広く、マニュアル化もされていないため人に業務が紐づいているようなケースでは、「その人が退職してしまうと誰もその業務がわかる人がいない」という状況に陥ってしまいます。
さらに退職による欠員補充ではなく【業務が増えた(=忙しい)】→【急いで人員補充】→【忙しい】→【人員補充】を繰り返すこともありますが、そうするといつまでも忙しいループからは抜け出せません。
そのループの中でまた誰かが退職してしまうとそこからさらに欠員補充が必要になります。
「今すぐ人がほしい」状況で採用活動に望んでしまうと「この人でいいか・・・求める人材像ではないけど・・・」というミスマッチが生まれ、それもまた早期退職と忙しさ、欠員補充が必要になる理由にもつながります。
┃本当に会社が求める経験を持っているか
経験者や即戦力として採用するときに最も重要なのは、「本当に会社が求める経験を持っているか」どうかです。
履歴書や職務経歴書だけを見て判断をしてしまうと実際に採用した後に後悔することになるかもしれません。
経験者募集や即戦力採用をするときは、採用試験や雇用契約の方法、雇用形態などを良く考えた上で採用することが重要です。
┃育成も大切
未経験者を採用することは、長い目で見ると会社にとってプラスになることもあります。
たしかに採用直後は戦力になりませんが会社独自のやり方をゼロから教えることができますし、教えることで会社の業務フローを見直すこともできます。
その人が業務を習得し、その会社のやり方とともに会社の文化なども次世代に継承していくことができれば、経験者や即戦力で足りない部分を埋めるだけよりも会社にプラスの効果を生み出すことが期待できます。
┃まとめ
経験者募集や即戦力採用で手っ取り早く現場に出てもらって利益を上げてもらいたい、という会社側の気持ちもよくわかります。
しかし、多くの会社が経験者募集や即戦力採用に失敗している事実もあります。
採用活動は、常に求める人材像を明確にして先を見据えて行うことが大切です。
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