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モノからコトの消費へ

限られた時間やお金を何に費やすのか。もちろん人それぞれであり、時代とともに変化するものもあるのでしょう。既存の百貨店や商店街にとっては、かなり厳しい時代になったと実感しています。そんな経済の冷え込みが懸念される中、2022年4月に九州初出店した『ららぽーと福岡』へ、福岡に出掛けたついでに足を伸ばしてみることに。なんといっても、『ガンダムパーク福岡』や『キッザニア福岡』、そして『福岡おもちゃ博物館』が登場など、目新しい施設が目白押しの、注目のショッピングセンターです。熊本では『新しいもの好き』のことを『わさもん』と呼びますが、私も間違いなくその一人のようです。

かなりの人出を覚悟していましたが、駐車場も比較的スムーズに停めることができて、中に入ってもそれほどではなく、まずはホッとしました。早速、お決まりの『機動戦士ガンダム』へ。立体駐車場からも横顔が見えていたのですが、足下まで近づくとさすがの存在感。私はガンダム世代の少し後になりますが、精巧に作られた等身大のそれを前にすると、ワクワクしている自分に気付かされました。

せっかくなので、限られた時間を有効に使おうと、まずは最上階に上がりすべてのフロアを見てまわることに。屋上には広々としたグラウンドが整備されていて、陸上トラックや直線で100mのレーンも確保されていました。バスケットボールやテニス、フットボールのコートもあり、スポーツに汗を流す人、小さな子どもを遊ばせる人、ピクニック気分で飲食をしている人等々、ここがショッピングセンターであることを忘れてしまいそうな広々とした空間が広がっています。その他、ポケットパークや農園、いくつものキャンプのテントが張ってあったり、物販や飲食以外のスペースがかなり充実している印象を受けました。近々、子どもの職業・社会体験施設『キッザニア福岡』のオープンなども控えており、ますますファミリー層が増えることでしょう。

私のようなおじさん世代にとって嬉しいのは、ベンチの数の多さ。高級感のある座りやすそうなベンチが各所に配置されていて、本を読んだり、スマホをいじったり、休息はもちろん、しばらくはその場で時間を費やすこともできます。

『ららぽーと福岡』の訪問を通して、いわゆるモノからコトへ消費行動が変化していること、くつろげる空間を大事にしていることなどを、肌で感じることになりました。私たちの使うお金や時間には限りがあります。どこで、何に、どうやって使うのか、それぞれの欲求を満たすために、色んな情報を得て選択することになります。
単なる買い物であれば、ウェブ上で済ませる割合もかなり高まってきている中、サービスを提供する側にとっては、消費者のニーズを把握して、体験も含めた複合的なサービスや空間を提供することで、より多くの集客を図ろうとしています。
「ショッピングセンターやショッピングモールはどこも同じ」と、ひとくくりにするのではなく、なぜ多くの人はそこに行きたがるのか、その場で何をしているのか、理由を求めてときには出かけたいと思います。『わさもん精神』もときには役に立ちますね。


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