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14年ぶりユーロ高とスペイン旅行

今年、年明けに130円台だったユーロが春にかけて上昇傾向にありました。

そんな中、私たち夫婦はスペイン旅を決行。

するとスペイン渡航中に日本では日銀の植田新総裁の会見が行われたようです。
金融緩和続行を匂わせる内容だったそうで、着いてびっくり。1ユーロが151.6円に達していました。
これは14年ぶり、あのリーマンショック以来の水準だったようです。

まぁこんな機会もなかなかないように思いましたので、今回のスペイン旅を経済的な観点を中心に振り返ってみようと考えました。

住民の約10倍の観光客が訪れるバルセロナ

今回マドリードに3日間、バルセロナに4日日滞在しました。
2都市に滞在し、気になったことがあります。
マドリードでは、店員さんらがあまり英語に寄せてくれることはなく、ほとんどスペイン語で話してきたことです。
一方でバルセロナでは最初から英語で対応してくれることが多くありました。

私の推測にはなりますが、320万人という人口(バルセロナの倍)の首都マドリードはビジネスの都市。

一方、住民の約10倍の観光客が訪れる、観光都市バルセロナ。
それぞれのコミュニケーション労力の違いが言語にも現れているのかなと感じました。

気のせいだったらすみません。

ちなみにバルセロナにこれだけの観光客が集まるようになったのは、私が生まれた92年のオリンピック以降で、その後の金融危機とローコストビジネスが拍車をかけたという見方が強いようです。

2021年にオリンピックが行われ、世界的には安い国になりつつある日本も、最近はインバウンドが復活しています。観光客に対する住民の不満が溜まっているというバルセロナの現状を見ると、あまり楽観視はできないようにも思いました。

世界一スリが横行するバルセロナの治安

前述の通り、観光客が集まるバルセロナでは、世界一スリが横行すると言われています。

幸い私たちは被害には合いませんでしたが、学会のために日本から来られた医師の方は空港でパスポートを盗まれて、帰国できず戻ってきた、とたまたま夕食をご一緒した際に話されていました。

またゴシック地区を散策中、背後で大声が聞こえたので振り向くと、明らかにひったくりと思われる現場に遭遇するなど、ヤンチャなバルセロナの一面は垣間見えました。
とは言え、カバンを前に持つなど警戒していれば、問題ないのかなと感じます。

貧富について考える

スリではないのですが、地下鉄に乗っている時、路上生活者と見受けられる老人が乗車してきました。
すると車両内で大声を発したと思いきや、私たちのところに来て『アリガトウゴザイマス』と言いながら紙コップを向けてきました。
つまりをお金をせびって、巡回する気だったようです。
『ノーグラシアス』と断ると去ってきましたが、自分でも何がグラシアスなのか、返しが正しかったのか分かりません。

ところで、あの老人は私たちをひと目見て『シェイシェイ』でも『カムサハムニダ』でもなく「アリガトウゴザイマス」と発してきました。
もしかするととんでもない観察眼を持つ仙人だったのかもと思った瞬間でした。

お金を要求する行為、よく海外では遭遇します。
スペインの路上でもよく見かけました。
実はこの旅の途中に読んでいた本(夢をかなえるゾウ)に『人を喜ばせるために募金しよう』的なことが書かれていました。
すごくタイムリーだったので、私も頭にはよぎったのですが、募金とはまた違う気がしたかのでスルーしました。
ちなみにマドリードの王宮の近くのバイオリン弾きには情緒を揺さぶられたので投げ銭。



そこに価値を感じた時に財布を開かなければ、もらう側も不幸になってしまう気がします。


このような状況に出くわしていると貧困格差は日本とどれくらい違いがあるのかを知りたくなりました。
OECDの調査(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/国の所得格差順リスト)によると格差のポイントは日本36.4に対し、スペイン35.6とほぼ同程度。
そして貧困率で見ると日本15.7に対しスペイン14.7と、なんと日本の方が貧困率は高いようです。

これにはびっくりでした。
スペインの光景と世界の数字によって、普段は見えてこない日本の実態が見えた気がします。

スペイン人は働かないのか

現地で飲食店を経営している日本人の方と食事をする機会がありました。
その方が『スペイン人は全然働かない。日本人は働きすぎる』と言っていました。
働かないとは言っても、残業しないことを指すのか、労働時間内の生産性の低さなのかは分かりませんが興味深いコメントでした。

関係があるかは分かりませんが、滞在中の日曜日や祝日に街を歩いていると、ブランドショップはほとんど閉まっていました。
休日に対する考え方は日本と根本的に違いそうです。

実際にスペインの祝祭日は日本よりも10日少ないにも関わらず、有給を全て消化する傾向にあるため、休日が多くなるという記事もありました。

時間は人と共有できてこそ、幸福度が上がるという話も聞いたことがあったので、それも踏まえて世界の幸福度ランキングを見てみました。

スペインは28位で日本は62位。
もちろんスペインは日照時間も長いため、セロトニンの分泌など生態学的に幸せホルモンが出やすいのかもしれません。

休みと幸福、その因果関係は分かりませんが示唆に富むデータに見えました。

お買い物事情

日曜日や祝日はブティックが空いていないことがほとんどでしたが、ユーロ高のなかでの買い物がお得なのか調べてみました。(良いように言ってます。)

エルメスでは店内で約1時間待ったあとに接客してもらえました。私たちのお目当ての財布が日本では見かけないほど、揃っていました。
【Only for display(展示してるだけ)】の札があっても言ってみるもんですね。
気になる価格なんですが、タックスフリー分が差し引かれると日本で買うよりも30,000円弱ほどお得であることが分かりました。

これは結構意外!

もしかするとロレックスも置いてるかもと思い、行ってみました。
すると、ここでは【Waiting list】があるようで、イチゲンさんには出さない仕組みになってるようです。
そりゃそうですよね。
でも旅行者であってもこのWaiting listが平等であれば、初日に登録しておいても良かったのかなと感じました。

ブランド品に限らず、物を買うときに、ざっくりと円換算するようにしてましたが『高っ!!』と思うことはそんなになかったです。

むしろ内容量が充実しているのにこの値段なのかと驚くことの方が多かった気がします。

もちろん海外にきて、気が大きくなっていたりというバイアスが多分に含まれている可能性はご容赦ください。

一方で街中にトイレがほとんどないスペインで、特急列車の駅で見つけたトイレは1ユーロ必要でした。自分が用を足す行為に150円?と考えてしまった時は、日本との違いを感じずにはいれませんでした。

まとめ:資産のバランスをとるということ

①現地でのコミュニケーションは英語を喋る妻の影に隠れ、お遊び程度のスペイン語を話すにとどまった私。
ですが、いくら翻訳機能が発達している昨今とはいえ、英語を話せないことの危機感も抱いた旅でした。

今年の目標にも掲げたことですが、スキルも資産なので、語学においても複数身につけることでバランスを図っていきたいと感じました。


②また"健康"や"時間"という観点で見ても
『ユーロ高だから今は旅行を控えよう』という論理は勿体無いように思いました。
余暇が多く、幸福度の高いスペインでは時間と健康資産が豊富であるような気がしています。

学生時代は"時間"と"体力"はあるけど"お金"がない。
社会人になると"体力"と"お金"はあるけど"時間"がない。
老後になると"お金"と"時間"はあるけど"体力"がない。

という状況になりやすい日本社会で生きる中、"お金"と"時間"と"健康"、それぞれのバランスをとって生きていきたいと感じました。

③そして今回、植田総裁の会見後に円安が進んだ一方で株価は上昇しました。
円と外貨、現金と株というように金融資産の観点でもバランスを取ることの大切さを実感しました。

ユーロ高のなかでの旅行とはいえ、勉強になることが多かったという意味では、良いタイミングだった気がしています。

長くなりましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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