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地域のつむぎ手の家づくり|地元と関わることが私たちの存在意義<vol.02/斎藤工務店:神奈川県横須賀市>

【連載について】“地域のつむぎ手の家づくり”って、なに?
家づくりをおこなう住宅会社には、全国一律で同じ住宅を建てる大規模な会社や、各地方でその土地の気候に合った住宅を建てる小規模な会社など、さまざまな種類のつくり手がいます。その中でも、その地域ならではの特色や、そこで暮らすおもしろい人々のことを知り尽くし、家をつくるだけでなく「人々をつなぎ、暮らしごと地域を豊かにする」取り組みもおこなう住宅会社がたくさん存在します。
この連載では、住宅業界のプロ向けメディアである新建ハウジングだからこそ知る「地域のつむぎ手」を担う住宅会社をピックアップ。地域での暮らしづくりの様子をそっと覗かせてもらい、風景写真とともにお届けします。

今回の<地域のつむぎ手>は・・・

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海も山もあり、豊かで自由な雰囲気が流れる神奈川県の湘南・三浦エリアには、都内や関西からの移住者、感度の高いクリエーターが集まります。
住まいを提供するつくり手側にとっては、センスの良さや設計力・技術力が求められる、面白くも難しい土地柄です。

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そんな地で45年以上も木の家をつくり続けてきた家づくりのプロの名は、1974年に創業した斎藤工務店(さいとうこうむてん)。
3代目社長の草野康仁(くさの・やすひと)さんは、家づくりを手掛けながら、自分たちの“本当の価値”を問い続けてきました。

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「ブランド力では大手ハウスメーカーには敵わないし、価格ではローコスト住宅に敵わない。じゃあ、地元の工務店の存在意義ってなんだろう?」
と考えた草野さんは、さらに想いを巡らせます。

「性能や素材、職人の技をとことん極めること?・・・それもいいけど、一番大事なのは、地元と密に関わって、いい仕事・いい評価をもらうことなんじゃないか。そう気づいたんです」(草野さん)

その瞬間から、地元を盛り立て、地元にとって身近な存在になるための、地道な活動が始まりました。

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地元の祭りがあれば、櫓(やぐら)の組み立てや、神輿の前後の交通整理を率先しておこなう。
寺社の維持・修繕仕事をすすんで引き受ける。
さらには、自社のモデルハウスを子ども食堂やママサークルのために開放したり、地域のマリンスポーツイベント「葉山シーカヤック駅伝」のスポンサーを長年務めたり。

極め付きは、事務所と倉庫を開放して毎年開催する「斎藤工務店夏祭り」。
2日間で300人近い地元民がふらっと訪れる大イベントです。

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ヒノキの角材を使った箸づくりや、サクラの木でつくったミニカー競走、カンナ削りに丸太切り、左官体験・・・
子どももおとなも夢中になって遊んでいく催しが目白押しの、社員・協力業者みんなでつくり上げるこの夏まつりは、斎藤工務店で家を建てたオーナーにとっては、自宅を建てた職人と再会できる日でもあります。

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こうした活動・協力の“ものさし”は、「地元を元気にしたい、地元に貢献したいという純粋な気持ちがあるかどうか」だといいます。

「木の良さと大工の手仕事を伝えるのも、私たちの大切な役目のひとつ。その先に、工務店のつくる自然素材の家っていいよね、という世界が広がっていたら、理想ですよね」(草野さん)

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※本記事は、新建ハウジング/新建新聞社が発行した「jimosumu/vol.02」(発行:2020年1月10日)掲載記事を再編したものです。

ライター : 金井友子
撮影   : 清水隆史(ナノグラフィカ)、一部斎藤工務店提供
編集   : 松本めぐみ(新建ハウジング・統括デスク)


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