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木材と道具が織りなす日常が家づくりの大切なベース -TOOLS! <地域のつむぎ手の家づくり・番外編/井坪工務店:長野県飯田市>

【連載について】“地域のつむぎ手の家づくり”って、なに?
家づくりをおこなう住宅会社には、全国一律で同じ住宅を建てる大規模な会社や、各地方でその土地の気候に合った住宅を建てる小規模な会社など、さまざまな種類のつくり手がいます。その中でも、その地域ならではの特色や、そこで暮らすおもしろい人々のことを知り尽くし、家をつくるだけでなく「人々をつなぎ、暮らしごと地域を豊かにする」取り組みもおこなう住宅会社がたくさん存在します。
この連載では、住宅業界のプロ向けメディアである新建ハウジングだからこそ知る「地域のつむぎ手」を担う住宅会社をピックアップ。地域での暮らしづくりの様子をそっと覗かせてもらい、風景写真とともにお届けします。
今回も<番外編>として、地域に根差した家づくりを手がける工務店の“工場(こうば)”を覗かせてもらいました。

今回の<地域のつむぎ手>は・・・

井坪工務店(長野県飯田市)

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家づくりを中心に地域に根差すのが工務店。今回お邪魔したのは、長野県で、「心と技」を合言葉に、新しいものを取り入れつつも、大工など職人の技術力を大切に考えて建築業を行っている井坪工務店です。

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井坪工務店は、木材を保管したり加工するための工場(こうば)があるのも特徴。家を建てることを検討しているお客さんには必ず、あるいは週末を目途に、一般の方を対象に視察ツアーを行っています。近くにあったら、何かあった時にきっと助けてくれる。そんな雰囲気をもった工務店です。中村正憲さんが工場を案内してくれました。

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木材を「見ることができる」職人によって、一本の柱ごとに使う場所を指定されています。まさに適材適所です!


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傍らに大工道具が並んでいます。


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「天然乾燥だと香りが全然違うんですよ」と、5年は寝かして使うそう。住宅を支える材料として使われる日を待っている木材たち。


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年季の入ったヘルメット。現場では自分の身を守れてこそ一人前。工務店のプライドが詰まっています。


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木材を載せて加工するための台を「馬」といいます。多少壊れても修復しながら使い続けていくので、そこに味が出てくるのです。


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ドリルやインパクトドライバーの用途によって交換する先端部分(ビット)たち。


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スマホを置くだけの木工スピーカー。毎回満員御礼の木工教室では、こうした生活の中に木を取り入れるようなアイテムをつくっているそう。


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佐々木勝彦さんは、造作(ぞうさく)のほとんどを手掛ける木工職人。造作とは既製品ではない扉や、備え付けの家具のことで、必要な場所や要望によって製作します。この柔軟さも工務店の魅力です!


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棟梁の宮下直敏さんは超ベテラン。現場に出ることはなくなったものの技術は現役。指導などを行っています。


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宮下さん自慢の大工道具。自分の名前から「直」のマークを入れています。「昔はこんな風に大事な道具が分かるようにしておく人が多かったんだよね」と宮下さん。


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見事な3メートルの化粧柱が保管されています。「当社のお宝倉庫みたいなものです」と中村さん。一位(イチイ)、紫檀(シタン)など珍しい木が並びます。主に床柱(主に和室などのメインとなる柱)として使われます。


※本記事は、新建ハウジング/新建新聞社が発行した「jimosumu/vol.01」(発行:2018年8月30日)掲載記事を再編したものです。

ライター : 盛山浩平
撮影   : 清水隆史(ナノグラフィカ
編集   : 松本めぐみ(新建ハウジング・統括デスク)


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