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「高性能住宅、住んでみてどう?」2年以内に家を買った600人に聞きました

想定していなかった暴風による建物被害や、広範囲かつ長期間に及ぶ大規模停電など、想定外の被害を引き起こした2019 年の台風災害。これらを経て、人々が求める住宅性能はどのように変化したのでしょうか。

住宅業界のプロ向けメディア・新建ハウジング(新建新聞社)では、人々のいまのニーズに応える満足度の高い住宅とはどのようなものなのかを知るため、自身の家を暖かいと感じる「2年以内に持ち家を購入した男女」計600人を対象にアンケート調査をし、昨年行った同様のアンケートとの比較検討を行いました。一部を抜粋してご紹介します。

<調査概要>
【方法】インターネットによるアンケート調査
【時期】2020年3 月16日~19日
【対象】2年以内に持ち家を購入した男女600人(男女比1:1)
【子どもの人数】0人:12.0%、1人:32.8%、2人:40.2%、3人:12.8%、4人:1.5%、5人以上:0.7%
【年代】20代:8.8%、30代:47.2%、40代:26.5%、50代:10.7%、60代:6.8%
【住宅を購入した会社】全国規模のハウスメーカー:53.2%、地域の工務店:41.3%、設計事務所:3.5%、建築家:1%、その他:1%


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重視ポイント第1位は「長持ちするか?」

「住宅購入時に重要視したポイントは?」と聞いたところ、「長持ちする」が52.3%、「寒くない・暑くない」が52.2%、「地震が来ても倒れない」が52.0%と、いずれも住宅性能に直結するポイントが上位3つを占めました。
昨年行った同内容の調査では、今回4位の「家事がしやすい」が1位だった点を踏まえると、動線計画など間取りに関するポイントよりも、住宅自体の性能を重視する人が多くなりつつあることがわかります。


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「住宅性能」を重視する人が増加中!

「購入時に重視した『性能』は?」と聞いたところ、全ての性能において「かなり重視した」の割合が4%以上アップしました。特に「断熱・気密性」は昨年より14.3%アップの39.5%で、「耐久性」も昨年から10.3%アップの37.0%という結果に。性能に対するニーズの高まりが感じられます。


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「この家は本当に高性能?」判断基準は“自身の体感”

住宅を購入する際に「この家は高性能だ!」と判断した基準を聞いた問いに対し、男女ともに約4割が「モデルハウスでの自身の体感」と回答しました。次いで「購入前に住んでいた家での暮らしとの比較」が約25%で、体感を通して初めてわかる暖かさなどで、住宅性能の高さを判断していることがわかりました。


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こだわりの住宅会社を探すなら、まずはウェブから?

「住宅性能に関する情報をどのように知った?」との問いには、地域工務店で家を建てた人の半数以上が「インターネットやSNS などを駆使し、ウェブ上で自分で調べた」と回答。ホームページやブログ、情報誌などで自力で調べたと回答した人も、大手ハウスメーカーで建てた人と比較すると、いずれも高い割合になりました。
地域工務店の家づくりは全国規模のハウスメーカーと比べ、手がける住宅の全体量が少ない分、良い技術を取り入れる速度が速い傾向にあります。住宅展示場に行く前に、まずはインターネットで住宅性能に関する情報を探してみると、新しい発見があるかもしれません。


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リアルな暮らしを知る機会を大切に

性能に関するイベントに参加した際の満足度についてたずねると、ほとんどの設問で「満足した」が過半数を超えるという結果に。特に「高性能住宅に住んでいる人と実際の暮らしについて話せる機会」は85.4%、次いで「OB 顧客の住宅見学会」は84.9%と、リアルな感想を聞いたり、体感できたりする機会が満足度に直結しやすいということがわかりました。

先に出てきた「高性能住宅の判断基準」についての問いでも、女性は男性に比べ、「OB 顧客の感想・評判」「OB 顧客の家での自身の体感」「OB 顧客の家の光熱費の安さ」など、OB 顧客にまつわる項目を判断基準としてあげた割合が約2倍にものぼりました。共感力が強いとされる女性にとって「自分がしたい暮らしをしている人」の体感や声は、説得力を持ちやすいのかもしれません。どのイベントに参加したらいいのか迷っている人はぜひ参考にしてみてください。


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男性は「光熱費」、女性は「乾燥」に困っている?

「冬の暮らし」と「夏の暮らし」で、困っていることはないかたずねた設問では、男性はどちらの暮らしにおいても「光熱費が上がる」がトップに。一方で女性は、夏の暮らしは男性同様「光熱費が上がる」が1位だったものの、冬の暮らしにおいては「暖房で室内が乾燥している」ことが28.3%と、最も困っているという結果になりました。美容や健康に直結する空気の乾燥具合は、女性の方が敏感に察知しやすい傾向に。室内の湿度の保ち方がわからない場合は、建ててもらった住宅会社に確認する必要がありそうです。


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高断熱住宅に住む人に暮らしの変化をたずねたところ、「光熱費が下がった」ことが31.7%と、男性回答の1位に。男性が最も困っている悩みに対し、高断熱住宅を建てることは有効な解決策といえるかもしれません。また、家事・育児の改善は、女性が感じやすい傾向に。高断熱住宅に住むママの中では、子どもが薄着でいても風邪を引きづらくなったため、お着換えの回数や時間を短縮できるようになった人もいるんだとか。家事動線の改善だけでなく、思いがけない効果をもたらしてくれるのも、いま高性能住宅が求められる理由のひとつかもしれません。


寒い季節がやってきて、「暖かい家に住みたい…」と思う機会が増えた人もいるのではないでしょうか。
そんな家を建てたくなった時、ぜひこのアンケート結果を参考にして、こだわりの住宅会社を見つけて、素敵な高性能住宅を建ててくださいね。

※本記事は、新建ハウジング/新建新聞社が発行した「新建ハウジングプラスワン4月号 令和流・高性能住宅~いま求められるレジリエンス性能~」(発行:2020年3月30日)掲載記事を再編したものです。


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