【読書感想】あのこは貴族
ばりフェミニズムのシスターフッド小説だった
主人公は医者の娘で三姉妹の末っ子・渋谷の松濤に実家がある絵に描いたようお嬢様。
そのお嬢様が婚活に苦戦するところから物語は始まっていく。
「そんな極太実家があるなら無理に結婚せんでも親の脛かじって生きていけるやん…」
中流階級の自分にはふと、そんな考えがよぎってしまうが、
そんなのは想像力の欠如した浅はかなものなのだと、読み進めていくうちに痛感させられる。
世の中は「〇〇はいいよな」って感情で溢れてる
金持ちはいいよな
エリートはいいよな
顔がいい奴はいいよな
専業主婦はいいよな
既婚者はいいよな
独身はいいよな
女はいいよな
男はいいよな
こういう無責任な嫉妬が世の中には溢れてる
隣の芝生はどうしても青く見えてしまう
けど、それぞれが抱える悩み
他人からは想像もつかないようなその人なりの地獄というは存在する
もうひとりの主人公・美希が、幸一郎との曖昧な関係を断ち切れずにいる自分自身の心を内省し、そこに起因する劣等感に気付き、手放していく。その過程も読んでて明快だった。
自分自身の感情やモヤっとしたものに、蓋をしないで向き合い答えを見出していく。
そういう人、すごく好き!!
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