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事業拡大が先?オフィス移転が先?

企業の経営者と話していると、「事業拡大とオフィス移転、どっちを先にすればいいですか?」と聞かれることがあります。同じような悩みを抱えている方は、結構多いのかもしれません。

今日はこのあたりについて考えていることを綴っていこうと思います。

「オフィス移転」は目的じゃない

そもそもの話になりますが、企業が目指しているのは「オフィスを移転させること」ではないはず。オフィス移転は、目的ではなく手段です。

事業をより良いものにしていくために何をすべきか。その答えの一つがオフィス移転、というだけです。

もちろん、事業拡大のためには他にもやるべきことが沢山あります。たとえば人を採用したり、資金を調達したり。そのどれもが目的ではなく手段だということを、まず忘れずにいてほしいなと思います。

なので、オフィス移転よりも一つ上のレイヤーにある事業拡大が先であるべき、というのが僕の答えです。

ギュウギュウになるまで待つべき

あと、「どのタイミングで移転すべきなのか?」と悩まれている経営者も多いようです。

オフィスというのは大体、移転したてでスカスカの状態からはじまり、人が増えるにつれて程よい人口密度になり、もっといくとギュウギュウで狭すぎ、という経過をたどります。

結論から言うと、オフィス移転はマストになってからがベストタイミング。つまり、「もうこれ以上は無理だ」というギュウギュウ状態になってからです。

それまでは、今あるスペースを活用する前提で、なんとか工夫して席配置を変えたりしながら耐えた方がいいです。

先々まで見据えすぎると危険

世の中の急成長企業を見ていると、先を見越して一気に広いオフィスへ移転するケースもあります。先にオフィスを「背伸び」して、そこに事業や組織を追いつかせるパターン。

華々しいサクセスストーリーとして語られることも多いので、憧れる経営者も多いと思います。ただ、こういうオフィス移転のスタイルがどの企業にもオススメできるかというと、決してそうではありません。

確実に事業成長できる企業であれば問題ないですが、最悪の場合、コストカットのために縮小移転をするなりしてオフィスグレードを下げなければならなくなります。いわゆる「都落ち」です。

ただ、一度グレードを上げると、そこから下には落とすのは簡単ではありません。

たとえば、弊社では社内のドリンクを無料にしていますが、これをいきなり有料にしたとしたら、おそらく暴動が起こるでしょう。なぜなら、従業員にとってはすでにドリンク無料が当たり前の権利になっているから。

オフィスも同じで、一度グレードを上げるとその環境が当たり前になってしまうので、下げたときのマイナスインパクトが非常に大きい。福利厚生や給与とまったく同じです。

なので、僕がオススメするとすれば、あまり先々まで見据えすぎず、短期間でのオフィス計画を立て続けること。スタートアップやベンチャーのように変化が激しい企業であればなおさら、短いスパンの方がいいです。

10年後に会社がどうなっているかよりも、1~2年後の方がまだ見えやすいですから。

結局のところ、すべては事業計画次第

オフィス移転は、事業計画ありきで広さや賃料などを決めていきます。

47グループでは、日頃からオフィス移転も含めてワークプレイスづくりのお手伝いをしていますが、ここで経営者の皆さんに向けてあえて厳しいことを言うとすれば、「僕たちは事業計画を一緒につくることはできない」ということ。

現実的な事業計画を立てて、それをしっかり遂行できるかどうかがすべての鍵です。

だからこそ、「背伸び」のオフィス移転には相当な覚悟が必要になります。

もう後がない、という気持ちで事業計画を遂行していけるというのであれば、僕たちはその意思を尊重して、全力で物件を探して提案します。でも、「ダメだったら小さいオフィスに戻せばいいじゃん」と安易に考えているのであれば、絶対にオススメしません。

経営者の皆さんには、ぜひそのあたりの認識をしっかり持っていただいた上で、オフィス移転について考えてもらえたらなと思います。