デザイン会社を作る時に借金した方がいい理由

僕には借金があります。

と言っても重い話じゃなくて、住宅と車のローン、あとは会社を作った時に受けた融資です。

住宅ローンってすごいですよね。普通のサラリーマン（当時）が借り入れられるものでは最大ですよね。ウチは3,000万くらい借りたんですけど、創業期の事業用融資だと、結構難しい金額なんじゃないかなと思います。

今回の記事は住宅ローンじゃなくて、事業資金としての借り入れについて書いていきます。

いざという時に動かせるお金を持つ

記事のタイトルに「デザイン会社」ってつけましたが、別に業種は問いません。

でも一般的にクリエイティブ系の仕事で独立するときのメリットとして「イニシャルが超少ない」ってのがあると思うんです。

だから無借金でいけるじゃんと。

これが飲食店なんかだと、普通に考えたら全部で1,000万くらいはいりますよね、多分。運転資金考えたらもう少し欲しいのかも。

でも僕は敢えて、無借金ではじめられる商売でも、事業資金を借りることをオススメしたいと思います。

かく言う僕も、創業期に政策金融公庫で800万借り入れました。これによって救われたことはあるし、全く後悔してません。

事業で利益を生み出そうとする場合、原資が少ないとやっぱり商いが小さくなるじゃないですか。だからやっぱり資金はできるだけたくさんあったほうがいいんです。

例えば「着手金もらえないけど一部上場企業の仕事」があったとします。発注書はもらえるし、信用リスクは極めて低く、下請法だって適用される。口座が開くこと自体や、納めた成果物が実績にもなる。でも商いが大きくて、先に発生する業者さんへの支払いがキャッシュフローに結構響く。

こういう仕事があったら、手持ち資金がないと受けられないです。

だから、やっぱり借金をしてでも事業資金は借り入れたほうがいいと考えます。

いざってときに動かせるお金をどんだけ持ってるかってのは、人生においてかなり大事な要素じゃないでしょうか。これが個人のお金だったら、（あなたが家族持ちなら）奥さんや旦那さんに確認しないといけなくなるんですよ。ビジネスでそんなことしてらんないですよね笑

口座のゆとりは心のゆとり

人は、貧すれば鈍します。

お金がないと、目の前の売上に飛びつきます。これはホントに悪い循環を生み出す。

例えば、今月の100万の売上のために、半年後の1000万の為のリソースを確保できなくなっちゃったりします。あと、売上欲しさに相場より安い仕事を受けたら、もうその取引相手からは、その相場でしか仕事が来なくなります。

だからぐっと堪えて、歯を食いしばって、目先の売上を捨てて将来の仕事を取りに行くべきなんです。

これには、口座にゆとりがないとだめなんです。

「口座のゆとりは心のゆとり」

これは僕がふと思いついた言葉なんですけど、ほんとその通りだと思ってます。口座にすぐに動かせる現金がたくさんあれば、様々なことの判断を冷静に下すことができるんです。

「この話、今だけ！」

っていう美味しい投資系の話、ありますよね。あんなのロクな事ないんですけど、そういうのを「はいはい」ってスルーできるようになります。

でもこれが、人って手元にキャッシュがないと、割と判断誤るんですよ。

以前のnoteでも書きましたけど、僕の知人で闇バカラに手を出して行方知れずになっちゃったひと、いますもん。

「ヤバい、まったく金がない、なんとか逆転しないと・・・」

ってなっちゃう。こうなると冷静な判断ができる人は少ないと思うんです。

事業用の借金は悪ではない

世の中無借金を礼賛する傾向にありますが、事業用のお金を借りるのは全然ネガティブじゃないです。だって利益を生み出す原資を、将来の自分から前借りしてるだけですから。ちゃんと返済してれば、いざってときの実績にもなるし。

やっぱりプライベートのお金と事業資金は明確に分けるべきだと思っていて、会社のお金は融資を受ける。そして、プライベートのお金は投入しない。ここを明確に決めておきましょう。

もし事業資金だけで事業が回らなくなったら、潔く撤退して就職する。実際に僕も、ここをひとつの撤退ラインとして定めています。

とは言え、実は一度だけ個人のお金を移動させる準備をしたことがあります。

その時は取引先の支払サイトの都合で、たった数時間ではありますが、一時的に口座のお金が20万しかなくなったんです。このときだけは「もし何かあったら個人のお金を入れるしか無いなー」と思ってました。

いや別に何もないし、当然ぜんぶ把握してるんで、問題ないことはわかりきってたんです。でもやっぱりあのときは怖かったですね。まあ一時的に口座のお金が0になっても問題はないんですけどね笑

今回のまとめ

どれだけイニシャルがかからない事業だとしても、僕は個人のお金をベースに事業を営むべきではないと思っています。

融資を受けて、それを元手に利益を出して、利息を払いながら返していく。これによってできるだけ小さくまとまらずに、大きな商いをする。経済にも貢献できるし、健全だと思います。

もちろん最悪の状況を想定した額を借り入れるべきだし、上手くいかなかったときのリスクはすべて想定してから行動する必要はあります。

でもたかだか数百万の借金ですしね。必死で頑張ったら何とでもなると思います。多分。

僕の返済は、あと数ヶ月で終わります。

それでは明日、また何か書きます。