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「自分目線最優先」 #音楽の履歴書

先日、この記事のタイトルにしたフレーズを持つ歌をApple Musicで聴いて、好きな歌に関するnoteを書きたいなと思ってたんですよ。
で、noteの街を漂っていたら素敵なタグを発見。
なんてタイムリーなのかとうきうきしつつ、振り返りがてら書いてみます。

先に書いておきますが全て敬称略です。
そして書いてみたらとんでもなく長くなったので、目次からご確認いただけますと幸いです。


~小学生時代

◆甲斐バンド

もともと母が甲斐バンドの大ファンなんですよ。
で、車が無いと生活できない町に住んでまして、母が運転する車に乗る時の9割ぐらいは車内に甲斐バンドの歌が流れていました。
幼さ故にぜんぜん意味が分からないまま聴いて、意味が分からないなりにこの歌好きだなと思うものも出てきて。毎日のように聴くものだから、いつの間にやら普通に歌えるようになったりもしました。

試しに検索してみたらば。
あるんですねApple Music!

幼かった頃、これ好きだなと思っていた歌です。
(こんなタイトルだったんだな…)
大人になった今改めて聴いたら、最初っから最後まで最小限の音色で伴奏を成立させている事にまず驚きました。
ボーカルもコーラス無しだし、曲も歌もシンプルゆえに巧さが際立つ。

そして気付いた。
どのミュージシャンの歌とか関係なく最初と最後に同じメロディが使われている歌が無性に好きなんですが、その原点ってもしかしてこの歌なのかな。
この記事を書くような機会でも無いとずっと気付けないままだったんだろうと思うと面白いものです。

あとApple Musicでは見つけられなかったんですが『喫茶店で聞いた会話』という歌も印象に残ってます。
なんつータイトルか、と思うじゃないですか?
歌詞もタイトル通りなんです。ほんとに。


◆ABBA

先ほど「母が運転する車に乗る時の9割ぐらいは甲斐バンド」と書きましたが、残りの1割のうちほどんどは『80年代歌謡曲集』といったような感じで、当時のいろんなJ-POPを聴いていたはずです。
好きな歌もいくつかあったのに、歌ってたひとたちの名前もタイトルも全く思い出せない。聴けば絶対一発で分かるはずなんだけどな。

で、そういう名曲選のような形式でなく、甲斐バンド以外でちゃんとアルバムで聴いていた唯一のアーティストがABBAでした。
『Dancing Queen』『Mamma Mia』も好きだったけど、一番のお気に入りだったのはこれ。

『Money,Money,Money』、歌詞も全部英語だし何を歌っていたのかなど全く理解してません。
ただ理屈抜きで好きだった。
歌声の魅力と威力に出会えた、最初の体験だったのかも。


◆『ムーンライト伝説』

幼少期で他に思い出深い歌、で思い出そうとすると真っ先に思い浮かぶのが、アニメ『美少女戦士セーラームーン』のオープニングテーマ『ムーンライト伝説』です。

アニメが好きだった事もそうだし、イントロからもう音色がキラキラしてるじゃないですか?
そのメロディにのせて歌われる「ゴメンね 素直じゃなくて」から始まる、セーラームーンの世界観が満ち満ちた歌詞。

幾千万の星から あなたを見つけられる
偶然もチャンスに換える 生き方が好きよ

フルサイズだとこの部分に一番グッときてた。
甲斐バンドとABBAで育ってくる中で「好きよ」なんて言葉遣い、セーラームーンを知るまで聞いたことなかったし。
未知の世界をひらく扉だったとも言える歌。

さっき検索して久々に聴いたんですが、いつ聴いても褪せませんね。
そしてこの歌は「最初と最後に同じメロディが使われている歌」と言ってしまってもいいのでは…!?と思い至って驚いてます。
(「ゴメンね 素直じゃなくて」と「星座の瞬き数え」のところ)

なんだろう。
書きながらどんどん原点に出会ってる(たのしい)。


◆SPEED

小学生の頃、SPEEDなるグループが『Body & Soul』という歌でデビューするとテレビで観て、自分とほとんど歳の変わらない女の子達がめちゃくちゃカッコ良く歌って踊っている…!と衝撃を受け。
一回見たその『Body & Soul』のMVで気になる存在になり、次のシングル『STEADY』で完全にファンになりました。

サビの「Dream On~」のくだりの高音の裏声にね、びっくりしたんですよ。英語だから何言ってるのかもわからないし、そもそも人間がこんな歌声を出せるものなのかという驚きもあったし。
(人生最初って何であれいつまでも鮮明なものです)

そういう目線で観ていたので、小学生の間はもうずっと憧れの対象でした。その後他にも好きなアーティストが出来ていきますが、なんだかんだで解散まではずっとリアルタイムで追ったものです。

なお人生で初めて買ったCDは、SPEEDの『ALIVE』でした。

CDジャケットに書いてあった事でファンクラブの存在を知り、入りたいと思って詳細を読んで「よんせんえん!?」ってめだま飛び出たのもいい思い出です。よんせんえんは小学生には大きいよやっぱ…。



中学生時代

◆19

中学生になってしばらく経った頃に『あの紙ヒコーキくもり空わって』19の存在を知ってファンになり、SPEEDと同じくこちらも解散までずっとリアルタイムで追いかけるぐらい好きでした。

当時はこのあたりの歌が好きだったはずなんですけど、今の自分だと『背景ロマン』『コッツウォルズ』が胸に響きます。どっちも後期の曲やんけ。

書きながらリアルタイムで聴いてる。染みる。

あとあれだ、『ガソリン』という歌に「君んちまで片道360円」っていうフレーズが出てくるんですけど、うちの最寄りのバス停から町まで出かける時の往復のバス代がまさしく360円だったので、身につまされる思いで聴いたのをめちゃくちゃ覚えてます。なんの話や。


◆椎名林檎

友達の影響で椎名林檎を知ったのもこの頃。
セカンドアルバム『勝訴ストリップ』でなんだこれはと思い、聴くほどに癖になりファーストアルバム『無罪モラトリアム』にも遡って延々と聴いてました。
シンメトリーな曲名、どういう意味なのかさっぱり分からないのに妙に惹かれる歌詞、そしてこれまで聴いてきた中で誰にも似ていない独特な歌声。

19と同じく書きながら聴いてます。
今聴いてもほんと、とんでもない才能が出てきたものだと思う。


◆モーニング娘。

と同時に、この頃はモーニング娘。に4期メンバーが加入して10人体制になったぐらいの時期とも被ってて、クラスでも話題になるしテレビにも出まくってるしで、自然にその存在を認識して歌も覚えていきました。

この頃の歌だと『恋愛レボリューション21』が華やかで可愛くていいなと思ってました。サビの振り付け覚えましたとも。

↑YouTubeで「サムネイルの脚の形が「つんく」に見える」というコメントを見かけて声出して笑った。

でもそれよりもっとずっと好きだったのは、最初のベストアルバムに収録されていた『Say Yeah! ~もっとミラクルナイト~』という歌。
書いていて思い出したので検索したんですが、公式にはApple Musicはおろか配信もされてないようで…。YouTubeで検索して久々に聴いたら涙腺が刺激されました。個人的に思うハロプロ史上屈指の名曲です。
イントロから近未来っぽい浮遊感のある音が聴いてて単純に気持ちいい事に加えて、この歌で辻希美ちゃんの「体重計乗って」の声に一目惚れ(一聞惚れ?)したものでした。今の私を知る人には意外かもしれませんが、中学生の頃はずっと辻ちゃん大好きっ子だったんです。


◆『青春』

そんな感じで19・椎名林檎・モーニング娘。に浸る日々を過ごしていたんですが、唯一聴いた違う歌がザ・ハイロウズ『青春』でした。

初めて付き合った人がザ・ハイロウズのファンで、当時の新曲だったこの歌のシングルCDを貸してくれたので、好きな人が好きな歌という視点から繰り返し聴いたりして。
甲斐バンドのところで挙げた『喫茶店で聞いた会話』に負けず劣らずのシュールな歌詞なのに「心のないやさしさは 敗北に似てる」というフレーズが不意打ちで登場したりするギャップにやられたものです。
思い出が大きいおかげで、好き嫌いとは別次元で印象深い一曲です。


◆『サクラ大戦』シリーズ

母が転職して介護士になり、仕事がシフト制にもなったので、夜勤で不在になる時は妹と一緒に、すぐ近くにあった祖母の家に泊まるようになりました。
祖母の家では叔父の部屋の隣にある客間で眠ったんですが、この叔父がゲームに詳しい人でして。プレステにドリキャスにセガサターンといった様々なハードを持っていたので、小さい頃からよく遊ばせてもらっていました。

中学2年生頃だったかな。
CDデッキをアラーム代わりに使っていたようで、いつしか叔父が仕事に行く日は一定の時刻になると、決まって同じ歌が流れるようになりました。
艶やかな女性のボーカルで「浅草から銀座へ メトロで行こう」という歌詞から始まる歌。
誰の歌かな、などと思いつつ二度寝する事が、程なく習慣にもなったものでした。

その後、叔父の部屋に遊びに行った際にプレイする場面をちょいちょい見かけるようになった事で『サクラ大戦』というゲームの存在を知り、横で見ながら面白そうだと言っていたら、叔父がいないタイミングでゲーム機を借りて遊ばせてもらえるようにもなりました。

太正時代が舞台の戦闘モノでありつつ、平時は銀座・大帝国劇場の舞台女優として活躍する乙女たちがメインキャラという事で、主題歌はもちろんキャラの声優さんが歌うキャラクターソングも一曲一曲がすさまじく気合いの入った魅力的な歌ばかり。
加えて実際に舞台で歌える事が声優起用の条件でもあったようで、誰の歌を聴いても歌唱力が半端なくて耳が幸せでした。
(後に、毎朝聴いていたのがこの『サクラ大戦』のキャラクターソング集だった事を知りました)

ゲームは知らなくてもこの歌なら聞いた事がある、という人をよく見かける初代主題歌『檄!帝国華撃団』を筆頭に、ゲーム本編だけでなく自分の趣味嗜好においても、重要な位置づけの作品になりました。
勇壮なオーケストラとか女性コーラスとか、いまだにめっちゃ弱いです。スイッチ入って奮い立つ。
そういう中学生時代でした。



高校生時代

◆ハロー!プロジェクト全般

相変わらず『サクラ大戦』シリーズをプレイしつつキャラソンも好んで聴きつつ、高校で出来た友達に松浦亜弥ファンの子がいて影響を受けた事や、毎年夏にハロプロシャッフルユニットなる形式で各グループのメンバーを混ぜた期間限定ユニットが作られる事も重なって、次第にモーニング娘。だけでなくハロプロ全般を聴くようになりました。
松浦亜弥の『奇跡の香りダンス』とか『SHINE MORE』とか何回聴いたことかという感じだし、書いてて思い出したんですがその松浦亜弥ファンの友達が誘ってくれた事で一度だけライブにも参戦しました。人生初ライブはあややさんだったんだな私。思い出せたよ。

あと高橋愛ちゃんが加入して以降のミニモニ。も、曲の系統がクール寄りになってカッコいいなと思ってよく聴きました。
Apple Musicでは無かったけど、iTunes Storeで検索したら当時聴きまくってたアルバムが出てきて大変懐かしい気持ちになってます。

『CRAZY ABOUT YOU』『WASSUP?遠慮がテーマ』『LOST LOVE』などの歌唱力の高い面々ゆえ成立するカッコいい歌と『ミラクルルン グランプリン!』といったぶっ飛んだ電波曲が同列に並ぶカオスな感じほんと好きだったの。また会えて嬉しい。
もちろん歌詞も重要視しているんですけど、それとは別に「聴いていて気持ちいい」音や声であることが好き嫌いの判断基準になっている部分があって、それを培われるきっかけになったのがハロプロ楽曲でありミニモニ。のこのアルバム収録曲なんだろうなと想像してます。原点。


◆『浪漫~MY DEAR BOY~』

そして新春単発ドラマの主役として、クラスメイトの男子と身体が入れ替わる役を好演する姿を観た事で吉澤ひとみさんに惚れてしまい、今で言う推し変というやつを経験しました。
これ以来、彼女の姿ばかりを目で追うようになっていきます。

この『浪漫~MY DEAR BOY~』は何気にバンドメンバーにバービーボーイズの方やレベッカの方が参加している豪華な一曲なんですけど、当時は全然知らないまま何これめっちゃ好き!!と聴いたものでした。

どんくらい あなたが弱っても 私が守るわ
こんぐらい 平気よ平気

『サクラ大戦』で育ってるので、強くて凛々しい女の子に滅法弱いんですよ。だからこんな歌詞を持つ歌を、こんなカッコいい曲調で歌われたらそりゃもう惚れますよ。
あとこのMVで見れる金髪の吉澤ひとみさん最高に好きだった…。ダンスシーンの金髪オールバックも似合ってて。美人さんでございました。



そんなふうにハロプロ楽曲を堪能しつつ、平行してサクラ大戦の歌も聴く日々でした。
もともと好きな歌たちに加えて、アニメやらOVAやらの新作が出る度に新曲や新アルバムをリリースしていたので、どれほど追っても全然追いつけないぐらい沢山の歌があって。

これはiTunes Storeのリンクですが(スクロールバーの短さ…)。
こういう130曲ほど収録されたソングボックスを2回リリースして、それでもまだ未収録の歌があるっていう状態。もちろん好きな歌が沢山出来ましたとも。


◆w-inds.

そんな感じで高1~高2の時期を過ごしました。
妹も『サクラ大戦』が好きだったのでそこに関しては気が合ったものの、私のハロプロ好きに対して妹はw-inds.に熱中してまして、どちらかというとハロプロはアンチ寄りだったので全く話が合いませんでした。そりゃそうだ。
ただその影響で、私の方はw-inds.の歌をちょくちょく聴きました。

『SUPER LOVER~I need you tonight~』好きだったなー!ダンスユニットで途中にラップもあったりするのにサビのメロディがめっちゃ歌謡曲っていうギャップにめろめろしていた。めろめろ。
他にも『so what?』とか、あとスキマスイッチさん作詞作曲の『キレイだ』も好きだった。なんだかんだでいまだに口ずさめます。


◆ポルノグラフィティ

高校3年生の夏。
たまたまCDショップでベストアルバムを見かけて、何となく買って聴いてみた事がきっかけで、人生の伴侶となるポルノグラフィティの歌に出会いました。
2枚同時リリースされたベストアルバムのうちの1枚『PORNO GRAFFITTI BEST RED'S』を聴いて収録曲の数々に惚れ、それ以来ずっとリアルタイムで追いかけ続けて今に至っています。

2曲目に収録されている『Century Lovers』、初めて聴いた時にびっくりしたなぁ。サビの高音の気持ち良さも「最初からハッピーエンドの映画なんて 3分あれば終わっちゃうだろう?」という歌詞にも。
(今聴くとw-inds.の『SUPER LOVER~I need you tonight~』に対して感じたのと似た感銘を受けたのかもなと思う。ポルノさんの方がずっと発表が早いけど)

『ラック』も同じく赤林檎ベスト収録曲。
ハロプロをずっと聴いてきてアイドルソングや電波曲を好んで育ってきたので、こういうどストレートにゴリゴリロックな音色にはこれまで出会ってこなかったという事もあるかもしれない。イントロからやたら新鮮に響いて一発で好きになった。

それ以来ベストアルバムを繰り返し聴き、過去の作品にも遡ると同時に新曲も追うようになりました。
本当は中学生の頃にすでに出会っていたけれど、決定的に惚れてしまったのが高3の夏だったんです。なのでこのタイミングで。
自分の人生を振り返るうえでも欠かせない存在のポルノさんとの思い出話は以前にも書きました。よかったらこちらもどうぞ。


◆『ツバサ』

というわけで高校生の頃はハロプロとサクラ大戦の歌に浸っていたら唐突にポルノグラフィティに心掻っ攫われるという経験をしたものでしたが、そんな中で唯一印象に残っている、違うアーティストの歌があります。
アンダーグラフ『ツバサ』です。

どういうきっかけで知ったのか全く思い出せないけど、やたら心を鷲掴みにされてよく聴いたのを覚えてる。
今回これを書くきっかけで思い出せてよかった。
久々に聴いたらやっぱりしみじみと良い歌でした。



社会人~2010年

2011年の3月に地元を出たので、まだ地元にいた頃という事でいったん2010年で区切ってみました。
2005年の6月に初めてポルノさんのライブに参戦し、その感動のままファンクラブに入ってライブにも通って今に至っているので、ずっと最優先はポルノさんです。なのでそれ以外の歌を思い出してみます。


◆モーニング娘。

まず\ここでもまだ登場するのか!?/なモーニング娘。ではありますが、この時期に大好きな吉澤ひとみさんがリーダーに就任するんですよ。先輩方も同期も卒業して、自分以外の現メンバー全員が後輩になった中でのリーダー。
推しが先頭に立って引っ張ってきた時代という事で、この時期のモー娘。はちょっと特別な印象をまとって心に残っています。

最強トンチキソング『Sexy boy~そよ風に寄り添って~』
初めて聴いた時は頭が痛くなってこれは無理だぐらいまで思ったのに、繰り返し聴くうちに中毒性の高さにやられて10年以上経った今でもすぐ思い出せるってすごいことじゃないですか??
あと今改めてMV見たらメンバー全員可愛くてびびる。冗談抜きで。

ところで当時は藤本美貴さんの事が好きじゃなかったんです。
でも大人になった今こうして見たら普通にきれいなお嬢さんだし、集団の中でも個性を放ちまくる安定感のある歌声を持ってらっしゃるしで、すごい人だったんだなと実感してます。そういうふうにフラットに見て聴けるようになったのは良かったかも。

これは吉澤ひとみさん在籍時のラストシングル『悲しみトワイライト』
曲もダンスも衣装も全部ツボでほんと何度聴いたことかというやつだし、いつ見ても吉澤ひとみさんの存在が美しいしで…。YouTubeありがたい。いい時代になったものです。

そんな感じで吉澤リーダー時代のモー娘。が特別な存在になってしまっていたので、吉澤ひとみさんの卒業をきっかけに、自然とハロプロからはフェードアウトしていきました。
(その後の事は頼むから言ってくれるな)


◆ALI PROJECT

以前別の記事にも書きましたが、この頃に携帯サイトを持ってまして、ブログも作って日常やら趣味嗜好やらを垂れ流していたんですよ。
そこに「ゲームだと『サクラ大戦』が好き」という話を書いた後、当時交流のあったサイトの管理人さんからALI PROJECT『愛と誠』という歌の存在を教えてもらったんです。
その人はサクラ大戦に対して「大正浪漫がテーマの戦闘モノ」ぐらいのふんわりした知識を持っていたらしく、アリプロが『愛と誠』という歌を発表した時に「サクラ大戦のタイアップかと思った」そうで。

そこまで言われたら聴くしかないじゃないですか。
でも当時はYouTubeは身近じゃなかったはずだし今みたいに配信も無かったし、、、どうやって聴いたんだっけな。興味持って早速CD買ったのかな。思い出せない。

(YouTubeを検索してベストアルバムの発売を知るという)
この動画の冒頭で『愛と誠』のサビが流れます。

爛漫の四方の春 愛と誠たずさえ
迎え討つ敵の数 まだ計りしれずとも
いつかは誉れの酒杯 空の色うつし

この歌詞を初めて聴いた時の衝撃といったらなかった。
酒杯が空の色をうつすという事は、そこになみなみとお酒が注がれているという事。そして「誉れの酒杯」にお酒が注がれるのは戦いに勝利した証だ、と瞬時に理解できた。
歌詞という限られた文字数で、加えて「勝つ」という言葉を使わずに「いつか必ず勝てる」という祈りを表現し、聴き手に情景を思い描かせている。

説明し過ぎず、受け取る側の想像力を信頼して、最小限の言葉で表現する。歌詞という表現を通して言葉の奥深さに出会った、忘れられない体験です。
『サクラ大戦』の世界を連想させるとか、そんなこと関係なく一発で好きになってしまいました。

『愛と誠』は公式も「大和ソング」と称していて、ときどき発表する日本をテーマにした歌だったんです。そこから入ってしまったので、それ以外の歌があまりにも系統が違い過ぎて最初は戸惑いましたが、次第に慣れて『亡國覚醒カタルシス』『禁じられた遊び』『聖少女領域』などなど好きな歌がたくさん出来ました。

ボーカルにして全曲の作詞を担当する宝野アリカさんがたいへんな読書家でして、様々な文学作品のオマージュを歌詞や曲名に取り入れる人なので、アリプロの歌きっかけで知って手に取った作品がいくつもあります。
ラディゲ『肉体の悪魔』、ランボオ『地獄の季節』、リラダン『未來のイヴ』、ボードレール『悪の華』などなど…。
読んでもさっぱり分からなかったものから、本当に大好きで繰り返し読むお気に入りの作品になったものまで様々でしたが、新しい扉をひらくきっかけを沢山もらいました。


◆さよなら絶望先生

かつて週刊少年サンデーで連載していた風刺満載ギャグ漫画『かってに改蔵』を時々読んでいたんですが、その作者である久米田康治さんが今度は週刊少年マガジンで連載を開始するという情報を得たおかげで『さよなら絶望先生』という漫画の存在を知りました。
糸色望(いとしき のぞむ)という名前の先生と、彼が担任のクラスの生徒たちが繰り広げる、かつての流れを汲んだかのような風刺満載ギャグ漫画。単行本を1巻発売から追って楽しんでいたら突如アニメ化が決定。
女生徒の声を担当する声優さんたちが絶望少女達という名前のユニットで大槻ケンヂさんとタッグを組み大槻ケンヂと絶望少女達としてオープニング曲を歌う事も発表されました。

一期の主題歌『人として軸がぶれている』も強烈だったけど、二期の主題歌『空想ルンバ』が本当に好きだった。
大槻ケンヂさんと絶望少女達の歌声の親和性の高さ(またみんな歌が上手いんだほんと)に、中毒性の高さと切実な叫びが調和した歌詞世界。

(雑談:アニメ放送終了からもまだ原作連載かなり続いたはずだけど、あの結末を理解した上でこの映像観ると鳥肌が立つぞ…。結果的に映像のあれもこれも伏線になってるじゃないか)

そして声優さん達が歌うキャラソンCDも発売されたのですが、これがまたクオリティが高くてですね。個性的すぎる登場人物たちの特徴をうまく歌に昇華させた上で、上手い人揃いな声優さんが歌うものだから一気にハマって。『サクラ大戦』以来にじっくりたくさん聴いたものでした。

個人個人の歌も好きだったけど、別バージョンのオープニング曲として使われた『強引niマイYeah~』とエンディング曲『オマモリ』は別格でした。

『強引niマイYeah~』の方は底抜けに明るい曲調と、最初はどことなく無常観の漂う歌詞がサビに向かうにつれて「時代が病んでも 人生なんて自分次第」「傷つくことも承知で 凛と咲いていたい」といったポジティブな女の子の凛々しさや強さを歌う流れになっていて、この明るさに聴いてると自然に元気が出るわけです。ちなみにこの記事のタイトルに引用している「自分目線最優先」もこの歌のサビのフレーズ。

『オマモリ』は古き良き歌謡曲のお手本のようなメロディに、どことなく不穏な伴奏と歌詞をのせて、4人の声優さん(甘い声2人・凛々しい声2人というバランスの良さ!)が見事に歌い上げている聴き応えのある一曲。
これはもう歌の魅力もそうなんですけど、アニメ後期のエンディング曲だったので、声優さんの凄さも相まってキャラクター達が歌うものとして脳内再生されるんですよ。だから「あなたが教えてくれた絶望、それがオマモリよ」なんて歌われるともうだめです。原作の結末を知ったうえでこれを聴くと堪らなく切なくなる。
(最初にも書きましたが『さよなら絶望先生』が風刺満載ギャグ漫画なのは間違いないです。終盤の怒涛の展開が特別すぎた)


◆マキシマム ザ ホルモン&Perfume

週刊少年ジャンプで連載していた漫画『DEATH NOTE』が好きだったんですけど、この漫画がアニメ化された時、オープニングテーマとエンディングテーマを担当していた事がきっかけでマキシマム ザ ホルモンの存在を知りました。
オープニングテーマ『What's up,people?!』と、エンディングテーマ『絶望ビリー』
(と言っても高知ではアニメの放送は無かったので、オープニング映像とエンディング映像のそれぞれをYouTubeにアップロードしている人がいた事で観れたのですが)

最初は英語の歌詞だと思っていたので、英語だと思っていた部分のほとんどが実際は日本語だと知った時には驚いたものでした。
その後、CSの音楽チャンネルで放送されていた『絶望ビリー』のMVをたまたま観る機会があり、『DEATH NOTE』の世界観を踏襲した作品だった事が面白いなと思ったのをきっかけに、ホルモンというバンドそのものにも興味が湧きます。

とりあえず上記の2曲が収録されているアルバム『ぶっ生き返す』をTSUTAYAで借り、1曲目の『ぶっ生き返す!!!』と最後を飾る『恋のメガラバ』を好きになって、その好きだと思った歌をちょくちょく聴くようになりました。

本家が無いから2号店の音源貼っときますね。
(ホルモンは基本的にYouTubeへのMVアップロードや音源配信・サブスク参入をしない方針を掲げているので、聴きたかったらCDを買うしかないのです)

その後TSUTAYAでひとつ前のアルバム『ロッキンポ殺し』の存在を知り、収録曲のタイトルを眺めてみた事で『包丁(×)・ハサミ(×)・カッター(×)・ナイフ(×)・ドス(×)・キリ(×)』(←Amazon表記。実際に歌詞カードを見ると全部の単語が×で消されている)という曲名が気になってレンタル。
そして通して聴いた事でどハマりして、歌詞カードを手許に置きたいがために購入し、繰り返し聴きまくりました。

演奏も歌声も、とにかく聴いていて気持ちが良かった。脳味噌のこれまで使った事がなかった場所をぐいぐい刺激されるような、歌を聴くことそのものの快楽に浸る経験をさせてもらえるアルバムだったんです。
最初は何と歌っているのか分からなくても、歌詞を理解してしまった瞬間にそうとしか聞こえなくなるのも不思議な体験だったな。
おかげでこの頃からカラオケに行ったら『包丁(×)・ハサミ(×)・カッター(×)・ナイフ(×)・ドス(×)・キリ(×)』を必ず歌うようになりました。デスボイスが少ないのも歌いやすい要因のひとつ。

そしてきっかけは思い出せないけど、同時期にPerfumeのアルバム『GAME』を聴きまして。ホルモンとは全く違う方向性ながらも聴いていて気持ち良い音に一瞬で惚れました。
当時は休みの度に車で1時間かけて大きな書店のある隣町に遊びに行く日々を過ごしていましたが、行きに『ロッキンポ殺し』を聴けば帰りは『GAME』を、行きに『GAME』を聴けば帰りは『ロッキンポ殺し』を、という感じで、どちらかのアルバムを大音量で聴きながら車を運転するのがすごく好きでした。



ホルモンはその後も新曲が出る度にチェックしてます。

↑年齢制限サムネイル初めて見た…。
これは2013年のアルバム『予襲復讐』発売時に出たトレーラー映像で、収録曲を少しずつメドレーで聴けるんですが、3番目に流れる『便所サンダルダンス』がすごく好きなんですよ。
今年好きになった新日本プロレス所属のプロレスラー・高橋ヒロム選手が、メキシコ遠征時代に『便所サンダルダンス』を入場曲にしていたと知って、こんな偶然あるのかと驚きつつめちゃくちゃ嬉しかったです。この歌で入場する姿見たかったな。

あと『鬱くしき人々のうた』は他の歌とは別次元で好きな一曲。多くは語らぬ。語れぬ。



2011年~現在

2011年3月10日に実家を出て高松へと引っ越し、一人暮らしを始めることにして生活環境が一変しました。
そして車を運転しなくなった事や、それまで持っていたガラケーからAndroidスマホに機種変した事などが重なって、音楽の聴き方も変わりました。ポルノさん以外の歌をCDで聴く事が基本的になくなり、iPhoneに機種変した事でiTunes storeで一曲単位で購入する機会が増え、YouTubeが身近になった事やApple Musicに登録した事も重なって、聴きたいと思った歌のほとんどを聴きたい時に聴けるようになりました。
それに伴い、ポルノさんの歌はCDを購入して配信でも買って、という事も出来るようになったのでありがたいです。課金出来るのが嬉しいおたく。


◆『蛹 -サナギ-』

たまたま有線で流れている歌に耳を奪われて聴き入り、必死に聞き取ったラストの歌詞「背中のミシン目に気付けないまま」のワードでグーグル検索する事で出会えた一曲。
それがsuzumoku『蛹 -サナギ-』でした。

高校生の頃アンダーグラフの『ツバサ』に惹かれたのと同じ系統かなと思わなくもないけれど、このヒリヒリした焦燥感がやたら癖になって夢中で聴きました。出会いのインパクトも含めて思い出深い一曲です。
そしてこの歌、よくよく考えたら小学生時代の時に書いた「最初と最後に同じメロディが使われている歌」という条件を満たしますね。面白い。


◆タイアップ曲各種

前述の通り一曲単位で歌を購入する事が可能になったので、好きだと思った歌を気軽にiTunes storeでぽちぽちするようになりました。
当時観ていたアニメの主題歌や、観てなかったけどグッときた歌がプレイリストに何曲かあって、なんかもう地層の様相を呈しています。歴史を感じるというやつ。


◆アニメ『ハイキュー!!』エンディング曲/tacica『LEO』

初めてMV観たけどクールでカッコいいなぁ。
アニメ『ハイキュー!!』の展開にこの歌の「溢れ出すイメージの上を 続きは誰かが走りますか」のフレーズが重なって胸が痛いやら切ないやらで、情緒がぶっ壊れながらも聴いたものです。
そういう思い出があるから今聴いても胸に響く。
…ところでこの歌もまた「最初と最後に同じメロディが使われている歌」という条件を満たすじゃないですか。そろそろ単純オブザイヤー受賞してもいいなわたし。


◆ドラマ『すべてがFになる』主題歌/ゲスの極み乙女。『デジタルモグラ』

もともと作家・森博嗣さんが大好きなので、森さんのデビュー作でもある『すべてがFになる』が2014年にドラマ化される事が決まり、そりゃ観なければ!と毎週リアルタイムで視聴していました。作品名や「森博嗣」の名前を火曜21時にテレビ画面で観れる事にも興奮したな~~。綾野剛さんに惚れたきっかけでもある作品だ。
ドラマのオープニングだとちょっとしか流れないから、フルで聴いて印象がガラッと変わって一気に好きになった歌でもあります。間奏のギターがすさまじくカッコ良いんだ。


◆アニメ『すべてがFになる』オープニング曲/KANA-BOON『talking』

ドラマ放送の一年後にアニメ化もした『すべてがFになる』。
ドラマが小説一冊分の内容を2話(2時間)で構成していた事に対して、本作は(外伝のエピソードを少し加えてはいるものの)『すべてがFになる』という一冊の内容を30分×11話で構成したアニメだったので、必然的にドラマ版よりも丁寧で濃いストーリー展開を楽しめた良き作品だったという印象が残ってます。
で、この歌は最初にオープニング映像とともに聴いた鮮烈な印象がとても強く、未だにこの歌のイメージは黄色だったりします。あれは本当に新しかったし、こういうかたちで映像で観れる事も嬉しかった。あと歌の構成がアニメサイズとフルサイズでは全然違うので、その違いを味わうのも楽しみのひとつ。
「君と話がしたいぜ 夜明けよもう少し待ってくれ」「talking朝まで君と話がしたい」という、親密と切実が満ちた歌詞も好き。


◆アニメ『進撃の巨人』オープニング曲/Linked Horizon『紅蓮の弓矢』

アニメは観てないんですすみません…。
まずツイッターのフォロワーさんに進撃好きな人がいたんですよ。
で、どこかの一般の学生さんがYouTubeにアップしていた「アニメ『進撃の巨人』のオープニング映像を再現してみた」的な動画のリンクを爆笑とともにツイートしていて、興味が湧いてその動画を観てみたんです。
で、そこで初めてこの歌を聴いて一発で好きになり、歌を聴きたいがためにYouTube動画を繰り返し観て、これもう買ったほうが早いなと思ってiTunes storeで購入してフルサイズを聴いて更なる衝撃を受け。
いやもう『サクラ大戦』で育った人間なので、この勇壮なオーケストラとか凛々しい歌詞とか女性コーラスとかのツボな要素がたくさん詰まってる上に、Aメロ→Bメロ→サビ→Aメロ→Bメロ→サビ、のような定型にはまらない自由すぎる曲構成に本当にびっくりさせられたんです。こんな歌もアリなんだって刺激を受けまくった。ぜひフルサイズで聴くべき名曲です。


◆アニメ『おそ松さん』オープニング曲/A応P『はなまるぴっぴはよいこだけ』

こちらもアニメは観てないんですすみません…。
どういうきっかけで聴いたのか全く思い出せないけど、すごく中毒性の高い歌じゃないですか?これも聴いてて気持ちが良いので一時期は一曲をエンドレスで聴いたものです。大サビの高揚感いつ聴いてもたまらん。
「このよにいるのはよいこだけ」って耳で聴いたら可愛くて明るいんだけど、歌詞を読むと「この世に要るのはよいこだけ」なんですよね。アニメの『おそ松さん』って大人になってニートな日々を過ごす六つ子の話じゃなかったっけ…?(違ったらごめん) 華やかな中にそういう毒がしのばされてるところも好き。今聴いても高まる。


◆ドラマ『ホリデイラブ』主題歌/ポルノグラフィティ『カメレオン・レンズ』

ポルノさんは過去にも記事を書いているのでここまで敢えて触れずにきましたが、そういや前に書いた記事は2010年までの話だったな!と思い出したのでここで載せます。
他にも映画『名探偵コナン 業火の向日葵』主題歌『オー!リバル』、アニメ『僕のヒーローアカデミア』オープニング曲『THE DAY』、映画『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』主題歌『ブレス』などなど、挙げたい語りたい歌は沢山あるんですけど。
個人的に今の気分はこの歌です。
歌詞世界と曲調の調和も、MVの完成度の高さもピカイチな一曲。ぜひ聴いてみてください。


◆NMB48〜山本彩

忘れもしない2016年5月に放送されたミュージックステーション、ゲストで出ていたポルノさん目当てに録画しながら生放送をリアルタイムで視聴していた時の事。
Mステはだいたいゲストのアーティストが短いトークをしてから歌うのが通例なんですが、その時はポルノさんと同時出演していたAKB48が2曲続けて歌う流れになっていたようで、トークのタイミングも2組まとめて行われたんです。
で、その時にポルノグラフィティのギタリスト・新藤晴一さんの隣に座っていた女の子がすさまじく可愛くて一瞬で目を奪われてしまい、すぐさま「AKBの中に一人とんでもなくタイプの子がいるんだけどあれは誰だ???」というツイートをしたんですよ。
そしたら48グループ好きのフォロワーさんが「あれはNMB48の山本彩(やまもとさやか)だ」と教えてくれまして。
それまで48グループは一切通ってなかったので、なんでAKBじゃない子がAKBとして出てるんだろう?という疑問はありましたが、そのおかげで彩ちゃんを認識すると同時にNMB48に興味を持つようになりました。

今でこそ坂道グループ一強体制の様相を呈してますが、2016年当時はまだAKB以外の48グループも歌番組にちょくちょく出演してたんですよ。で、5月に惚れてからひと月ほど経った頃に、ここ最近の夏の恒例になってる各局それぞれの長時間生放送音楽番組があって、そこにNMB48として次々と出演する姿を見る中で、彩ちゃんの事がどんどん好きになっていきました。

・NMBのキャプテンにして絶対的エース
・歌の上手さに定評あり
・過去に習っていたおかげでダンスも上手い
・加入前にバンド経験がありギターも弾ける
・お笑いも出来る
・握手会人気トップクラス
、、、、、などなど天は二物を与えずとは何だったのかと言いたくなるぐらい多彩な魅力を持つ子だと知っていって。
吉澤ひとみさん以上に好きになるアイドルなどこの先もう現れる事はないだろうと思っていたわたしの認識を、彩ちゃんは軽々と飛び越えていきました。

そんな感じでNMBの歌も好んで聴くようになりました。
シングル曲だと『北川謙二』『らしくない』も好きでよく聴いたものだったけど、中でも一番好きだったのは『ナギイチ』という夏歌。

グッとくるイントロのメロディが、Bメロとサビで再登場する曲展開が本当に好きで。知って以来夏が来る度に聴きたくなる歌です。
(歌から入って後でMVを観たので、水着で踊るダンスシーンはいまだに見ててどきどきしますが)

それから彩ちゃん卒業前に急遽リリースされた『欲望者』

サムネイルだけでもほんまに『ナギイチ』と同じグループか???というえげつない振り幅をご確認いただけるかと思いますが、王道アイドルソングからこういうクールな系統までやれる幅広さがNMBの魅力だそうです。
(ちなみにこの『欲望者』で一番最初に歌う子が山本彩さんです)
あとこれは歌そのものが良い事に加えて、MVの世界観の作りこみが本当に素敵なんです。足並み揃えた真顔の行進の中で、ひとりはぐれてゆく彩ちゃん。初めて観た時に心思いっきり鷲掴みにされましたとも。


ところで山本彩さん、NMB在籍中にソロデビューを果たしてアルバムも2枚リリースします。
デビューアルバム『Rainbow』から作曲を精力的に行い、作詞も自身で行った『レインボーローズ』がリード曲となりました。そしてセカンドアルバム『identity』では作詞した歌の割合も増え、天は二物を与えずとは何だったのかと改めて言いたくなる存在ですほんと。

これはセカンドアルバム『identity』のリード曲『JOKER』のMV。上手いだけでなく歌声に個性があるって強い。本当に。

『identity』がリリースされた時に開催された全国ツアーで東京公演のチケットが取れたので、一度だけライブを観に行きました。
幕が上がって、照明で真っ赤に染まったステージの真ん中に、真っ白な衣装で立ってギターを弾いていた彩ちゃんの鮮烈な姿。今も覚えています。

ライブに行ったのは結局その一度きりになってしまっています。離れてしまった理由はいつかnoteに書くつもり。言語化したら昇華できるかなって。


◆米津玄師

米津さんの歌に出会った一番最初のきっかけは、2014年12月に開催されたポルノグラフィティ岡野昭仁さんの弾き語りライブ『Sing it up!』でした。
2013年秋から1年間限定という事で、FM802で昭仁さんがソロのラジオ番組を担当していたんですが、その番組内で毎週一曲弾き語りを披露するという贅沢すぎる企画があったんです。ポルノさんの歌から他のミュージシャンの歌まで、昭仁さんが歌いたい歌を一曲弾き語るという。
そのラジオの最終回で、これまでの弾き語りの集大成として一夜限りの弾き語りライブやります!と発表され、もう必死にチケットを取って大阪へ行ったのでした。
(最終的にフォロワーさんがチケットを譲ってくれて参戦できました)

そのライブ中。
暗転からいきなり照明が点くと同時に、イントロ無しで「あたしあなたに会えて本当に嬉しいのに」というフレーズで始まる歌を昭仁さんが歌い始めた瞬間、隣にいる一緒に参戦していたフォロワーさんの息を吞む気配がこちらまで伝わってきました。
わたしは初めて聴く歌だったのでそのまま聴き入り、サビの終わりの「あたしの名前を呼んでくれた」という歌詞が胸に残るいい歌だな、昭仁さんの歌声にぴったりの一曲だったな、などと思ったものでした。

終演後、フォロワーさんが開口一番「アイネクライネやりましたね!!!」と声をかけてきた事で、その歌が米津玄師『アイネクライネ』という歌である事を教えてもらいました。

その人はもともとハチの歌が好きで、その流れで米津さんの歌も初期からずっと聴いていたそうで。好きな人が好きな人の歌を歌ったのだから、そりゃ感激もひとしおだよなと思いながら喜ぶ姿を眺めたものでした。

後日iTunes storeで『アイネクライネ』を購入したものの、一度聴いただけで分かる特徴的で優しい歌声が心地よくはあるけれど、そのせいで映像化もされない一夜限りの弾き語りライブで聴いた昭仁さんの歌声が上書きされてしまいそうで、聴くのが怖いと思うようになってしまいました。
サビのラスト「呼んでくれた」の一言と同時にステージ上が真っ赤な照明に染め上げられるあの瞬間とともにずっと覚えておきたい思い出なので、6年近く経つ今でも『アイネクライネ』は聴くのを避けたい歌です(歌詞も曲も大好きなんだけどね)。
とにかくそういう経緯で、米津玄師さんの事を知りました。



時は立ち2017年の秋。
前述のとおり山本彩さんに惚れ、彼女のソロアルバム『identity』のCDを購入するべくタワレコに行ってレジ待ちで並んでいた時のこと。
店内に流れている歌を聞くともなしに聞いていたらすぐに耳を奪われ、この歌わたし多分すごく好き!!と直感が働きました。
歌声は米津玄師さんに似てるような気がするけど…?と確証が持てないまま必死に歌詞を聞き取り、かつて『蛹 -サナギ-』に出会った時と同じようにグーグル検索を駆使して、それが予想通り米津玄師さんの歌で『爱丽丝(アリス)』という曲名である事を突き止めました。

↑の動画、再生すると『爱丽丝』から始まるように設定してあります。

すぐiTunes storeで購入してフルで聴いて改めて好きになったので、それからしばらくは彩ちゃんの新しいアルバム発売直後だったにもかかわらず、延々とこの『爱丽丝』1曲ばかりをエンドレスで聴く日々を過ごしました。
まず2014年に感じた通り特徴的で心地よい歌声、曲調がどストライクだったのは言うまでも無く、「側には群がる人と 目を見張るドローン」などのどことなく不穏な歌詞世界も堪らなくツボで。
何よりこの歌詞にアリスなんてタイトルをつけてしまう米津さんの言語感覚を最高だと思いました。タイトルと歌詞どっちが先なんだろう。

その後2018年に『Lemon』の大ヒットがあり、あまりにも流行り過ぎていたのであまのじゃく故に当初はスルーしていたんですが、YouTubeで気まぐれに再生したMVでハイヒール姿の米津さんの美しさに胸を撃ち抜かれて(……)、ちゃんと聴いたらすごく良い歌だったのであまのじゃくを反省したのでした。

ところで『Lemon』の初回盤に収録されているDVDで『爱丽丝』のライブ映像が観れるらしい事をこれ書いてて思い出しました。CD屋さん行かなければ。

あと最近またも気まぐれに再生した『感電』に一目惚れして繰り返し聴いたり(結局米津さんの歌声がツボなんだろうなわたし…)

最近『銀河鉄道の夜』を再読した流れで『カムパネルラ』を聴いてこっちも好きになったり(歌詞に「リンドウの花」が登場するのほんとずるい)

積極的に追うわけではないけれど、今では好きな歌を繰り返し聴く欠かせない存在になっています。魅力的な人だ。


◆フレデリック

2018年に開催された『アミューズフェス』という、アミューズ所属のアーティストが一堂に会する音楽フェスに何故かフレデリックがゲスト出演していまして。そこで歌を聴いたのが知ったきっかけです。
4曲披露していた筈なんですが、そのうちの2曲を好きだなと思ったんですよ。

1曲は歌詞に「桃源郷」というワードが頻繁に登場していたので、調べてこの『TOGENKYO』という歌だとすぐ分かりました。例によってiTunes storeで購入して繰り返し聴く日々。
その後Apple Musicに登録して他の歌も聴けるようになった事で、気になったもう1曲が『飄々とエモーション』だと判明しました。「なんかこうダダッダッダダーダダッダッダダーみたいな感じのイントロの歌」というヒントしか無かったから、Apple Musicが無かったら突き止められないままだったかも。

そこから気になって他の歌も聴いてみた事で『オドループ』の中毒性や『オンリーワンダー』の歌詞も好きになったり。ときどき無性に聴きたくなるって強いですよね。


◆『布団の中から出たくない』

この季節にぴったりの一曲ですねぇ。
一昨年だったか去年だったか思い出せないのですが、読友さんが「おはようございます!寒い中皆さん学校にお仕事にお疲れ様です!頑張る皆さんにこの歌を送ります」というつぶやきを投稿してまして。
添えられていたYouTubeリンクをクリックしたら出てきたのがこの歌で、大笑いして再生したのが出会いのきっかけです。

打首獄門同好会はこの歌で初めて知ったんですが、バンド名の物騒な字面・曲名の脱力感・コウペンちゃんのかわいらしさというトリプルコンボ。ずるいですよねこのサムネイル画像。
そして実際に聴いて好きな一曲になりましたし、あのつぶやきを投稿した読友さんの言いたかった事もよく伝わりました。応援歌なんだね。

なお『布団の中から出たくない』に感銘を受けたあなたはぜひこちらの歌もどうぞ。


◆新日本プロレス入場曲

2020年、唐突に新日本プロレスの高橋ヒロム選手を好きになって、プロレスを観戦する楽しさを知った黒井です。
野球とかだと選手が登場する時に歌が流れる事があるのは何となく知ってましたが(どこそこの選手がポルノさんの歌を入場曲に!のような話題を目にした記憶がある)、プロレスだとそれが選手ひとりひとりに合わせて作られたオリジナル曲になるんだと知ったのも今年の話。

↑再生すると高橋ヒロム選手の入場曲『TIME BOMB』が流れます。

自身のアイデンティティを象徴する曲が鳴り響く中、選手が試合前の独特の緊張感を纏いつつ姿を見せ、リングへと進んでいく。
そしてその試合に勝利すれば場内に自分の曲がもう一度鳴り響き、その中で勝者としてコールを受け、勝者が歩める花道から退場する事が出来る。
手に汗握って応援する機会が増えるほど、選手自身と決して切り離せない入場曲もまた特別な存在になるというものです。

あと、たまに入場曲が変わる事もあるんですよ。
今年で言うと突然の造反で仲間を裏切りヒールユニット『バレットクラブ』に加入したEVIL選手とか。
それまでとは全く違う曲が鳴り響く中で入場する姿を、最近ようやく胸を痛めずに見る事が出来るようになりました。入場曲がドラマの一端を担っている一例。

ここからは個人的に好きな入場曲を。
まず内藤哲也選手『STARDUST』(下の動画を再生すると流れます。以下同文)。2018年から広島東洋カープのチャンステーマに採用されているので、ご存知の方も多いかも。


後藤洋央紀選手『覇道』
個人的にこれまで生きてきた中で培われてきた、勇壮な管楽器の音色やら女性コーラスやらの好きな要素が詰まりまくってて、聴いてるとちょっと泣きそうになります。覇道って曲名もすごく良いぞ。


SHO選手『100% VOLTAGE』
キラキラメロディとピコピコ電子音から生まれる独特の高揚感に、合いの手も入れられるリズム。最強です。


石森太二選手『BONE SOLDIER』
音数は決して多くないのに、聴いてると不思議と癖になる。


ウィル・オスプレイ選手『Elevated』
もう普通にカッコいい洋楽として聴ける。好き。

などなど他にもたくさんあります。
そしてこれを書いている時点では、ここまで挙げてきた曲の中で、会場で生で聴いた事があるのはオスプレイ選手の曲だけです。
音源で聴いても勿論良いのですが、会場で聴く迫力には代えがたいものがある!!と10月に両国国技館に観戦しに行った時によく分かりました。
今は難しいけど、いつか『STARDUST』が流れる中で内藤コールをしながら内藤選手の入場する姿を見てみたいです。


まとめ

高3の夏からずっとポルノさん一筋で追いかけてきたと思っていたのに、いざ振り返ってみたら思った以上にいろんな歌が登場したので自分でもびっくりしました。忘れているだけできっとまだあるんだろうな。
とりあえず自分がジャニーズ事務所を履修せず今に至っている事と、あと音楽の聴き方や出会い方がガラッと変わっている事(身近な人が好き→自分で開拓→アニメやら音楽フェスやらYouTubeやらで出会う、といったように)がよく分かった。

14歳の頃に好きになったものが自分の生涯の趣味嗜好を形成するって説ありませんでしたっけ?うろ覚えだしいつ知ったのかもわからないけど、それが本当なら平均寿命が延びてる今だともう少し歳を重ねて18歳ぐらいにしてもいいんじゃないですかね。適当な事を言ってますね。18歳の夏に出会ったポルノさんを特別扱いしたいがゆえの提案ですね。
なんだかんだでこれからもいろんな出会いがあるんだろうと期待してます。楽しみです。