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慢性閉塞性肺疾患(COPD)

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は,毒素の吸入(しばしばタバコ煙)に対する炎症反応によって引き起こされる気流制限である。比較的まれな原因として,非喫煙者におけるα1-アンチトリプシン欠乏症および様々な職業曝露がある。症状は数年かけて発現する湿性咳嗽および呼吸困難であり,一般的な徴候には呼吸音の減少,呼気相の延長,および喘鳴などがある。重症例では体重減少,気胸,頻回の急性代償不全のエピソード,右心不全,かつ/または急性もしくは慢性呼吸不全などを合併することがある。診断は病歴,身体診察,胸部X線,および肺機能検査に基づく。治療は気管支拡張薬,コルチコステロイド,また必要があれば酸素および抗菌薬を投与する。重症COPD患者の約50%は診断から10年以内に死亡する。


COPDは以下の要素で構成される:

慢性閉塞性気管支炎(臨床的定義)
気腫(病理学的または放射線学的定義)
患者の多くは両方の特徴をもつ。

慢性閉塞性気管支炎は,気流閉塞(airflow obstruction)を伴う慢性の気管支炎である。慢性気管支炎は,ほぼ毎日湿性咳嗽がみられる週が合計で少なくとも3カ月続き,かつそのような年が2年間連続することと定義される。慢性気管支炎は,スパイロメトリーにより気流閉塞の存在が判明すれば,慢性閉塞性気管支炎となる。慢性の喘息性気管支炎は,類似かつ重複する病態であり,慢性の湿性咳嗽,喘鳴,および部分的に可逆的な気流閉塞によって特徴づけられ,主に喘息の病歴のある喫煙者に生じる。一部の症例では,慢性閉塞性気管支炎と慢性の喘息性気管支炎の区別は不明瞭であり,ときに喘息-COPDオーバーラップ症候群(ACOS)と呼ばれることがある。

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