43回:イチから始める台湾留学、の前に個人的なこと

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 もはや自分が留学している実感がない。というか海外にいるという感覚がいよいよ希薄になってきた。長期休暇で沖縄に1ヶ月ぐらい帰っていると「台中に帰りたい」となる。そして那覇空港を経ち桃園空港に着いてから280元の客運(高速バス)に乗る。ほんで大安溪を渡り、台中へ入った時に染み入る安堵感よ。
 これはひとえに生活の基盤がようやく台中に出来上がったということに起因している。ってのも今まで台中に借りてるお家はあったのだけど如何せん金欠の極みでもって健康的な生活の水準は下回っていた。2年目からはありがたいことに奨学金を頂戴して、色々バイトをしていたおかげで1年目の一日150元(550円ぐらい)生活に比してだいぶ楽ではあったが、それでも「絶対的貧困」から「爪に火を灯す」にグレードアップしたぐらいで何よりも壊れた原付きを修理に出すこともままならなかった。
 それが3年目も中盤に差し掛かる最近になって幾らか楽になった。今年の1月から普通に仕事を始めていて、収入面がだいぶ安定したからだろう。昨年の11月、12月は謎のバイト三昧タイムでそれはそれで収入を得られたのだが、今度のそれはいわゆる半分会社に所属するってやつで、しかも台湾と沖縄に本社と支社があるようなところだからもう間違いない。これだ。もうしばらくの生活の目処がたった安心感だ。なんだかんだ強がっても将来に対する先行き不安感は心の底の方を蝕んでいたに違いない。
 さて、この台湾の進学アンド生活アンド就職の経験を誰かにフィードバックできるかといえば、甚だ怪しい。たぶんそれぞれの結果を生んだ重要なファクターは「映画をたくさん見ること!」に帰結してしまうし、当たり前だが映画をたくさん見たところで好ましい結果になるとは限らない。(「映画をたくさん見る」っていうのは物事を単純化しすぎているけど)

 へんてこな箇条書きにすると

・商店街に住み込んで当該地域1の歴史や事情を学ぶ
・学んだことを活かして小説を書いたり美術作品を制作したりする
・成果物があると発生する謎のイベントとかに乗ってみる
・興味を持った国にとりあえず住み込んでみる
・語学並びに歴史や事情を学ぶためにその地域2の「映画をたくさん見る」
・偶然上映会とかで当該地域1と地域2の比較研究している人にばったり会う
・大学院も比較研究とかのために「映画をたくさん見る」
・当該地域1と地域2でプロジェクトしてる人ととかは両方の「映画をたくさん見ている」人と組んだりする。
・一緒に仕事することに

 というのがやっぱり要領を得ないけど自分に巻き起こったことの断片。20代の頃に漠然と手を付けていたことが30歳になって急にリンクし始めたりするので、みんな若さを売りにしすぎたり、変に功を焦るなよ。まぁとりあえず人生の方向性だけ決めてよんなーくんだー

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