夢を求めてスペインへ

今夏、夢を求めて2人の日本人がスペインを新天地に選んだ。香川真司と岡崎慎司。サッカーファンでなくてもこの2名の名前を知っている方々は多いだろう。押しも押されぬ日本代表で、早くから欧州へ渡り日本サッカーを牽引してきたその2人が、1部でなく2部のチームを選んだのは、他でもなくスペインだからだ。
柴崎岳もそうだ。ヘタフェでは出番に恵まれず、今シーズンから2部のデポルティーボ・ラ・コルーニャを選んだのだ。

スペイン、いやラ・リーガには2部でも夢がある。そんな世界最高峰のリーグがいよいよ開幕する。

◾️ピッチ外が騒がしいカタルーニャの雄

昨季、国内では圧倒的な強さを見せつけたが、欧州の舞台ではその力を発揮できなかったカタルーニャの雄、バルセロナ。アトレティコ・マドリーからグリエズマン、アヤックスからデ・ヨングを早々に獲得。さらにベティスから、左サイドのジュニオール・フィリポも獲得し、抜け目ないオフシーズンを過ごしている。
コウチーニョを放出し、ネイマールを獲得するかは定かではないが、今季はなんとしてでも欧州CLを取り、ビッグイヤーといきたいところだろう。プスケツ以降、カンテラ育ちがなかなか出てこないのは気になるところではあるが、このチームが今季も優勝の大本命であることに変わりはない。

◾️積極補強で覇権を奪いたいロヒ ブランコ

昨季2位のロヒ ブランコことアトレティコ・マドリー。グリエズマンの移籍問題をいまだにゴタゴタさせているが、その後釜にはポルトガルの新星、ジョアン・フェリックスをベンフィカから獲得。さらに、宿敵レアル・マドリーからマルコス・ジョレンテ。ポルトからエクトル・エレーラ、トッテナムからトリッピアー、エスパニョールから期待の若手CBマリオ エルモソを獲得。ゴディン、ファンフラン、フェリペ・ルイスといった功労者が抜けた穴を埋める以上の選手たちの獲得に成功した。
ミランからお誘いのあった、アンヘル・コレアは慰留に成功した模様で、ハメス・ロドリゲスの獲得が難しそうと見るや、バレンシアのロドリゴに目をつけたとの報道もあり、開幕後に動きがあっても不思議ではなさそうだ。
プレシーズンは「とにかくジョアン・フェリックスが凄い!」といったところだろうか。現地メディアがそう発信しているだけなのだが、ネクストロナウドだの、分辺りだとメッよりゴールを決めてるだのとにかく褒められまくっている。マドリーダービーでは、宿敵を野球みたいなスコアで蹴散らし、ICC最終戦ではユベントスにも競り勝つなど、最高のプレシーズンを過ごしているが、開幕戦はあまり期待しないでおこう。なぜなら昨年、一昨年ともに格下相手に勝点を取りこぼし、バルセロナに離されてしまったからだ。今年も開幕戦はヘタフェ、続く2節はレガネスだ。あまりいい匂いはしないので、今季に期待するのはこの2チームを蹴散らしてからにしよう。

◾️躊躇なき改革が必要な銀河系軍団

クリスティアーノ・ロナウド退団の影響は想定以上に大きかったと言わざるを得ない。後手後手の監督人事の末の低迷だったので、さすがにフロレンティーノ・ペレス会長も動いてきた。フランクフルトからストライカーヨビッチを獲得。さらに兼ねてから噂のあったアザールをようやく獲得した。ベイル、ハメス・ロドリゲスの去就は不透明ではあるが、ここにきてジダン監督が戦力とみなす発言をしたという報道も。それはつまり、これ以上の補強はないということなのかもしれない。
即戦力クラスはアザールだけに留まっているため、新加入選手がいるものの、スタメンは旧ジダン体制+アザールといったところのよう。期待されていたようなメンバーの刷新はなさそうだ。そうなると、昨季となにが違うのか問題が発生しそうなので有り余る才能たちをまとめあげ、その才能を早めに発揮することができるのかが焦点となりそうだ。
クラブ初の日本人選手となった久保建英は現地でも想像以上の反響のよう。当面はラウル・ゴンザレス率いる2部B所属のカスティリャ所属となるようだが、トップチームの結果次第では今夏獲得したロドリゴと共にメンバー入りする可能性もある。昨年のヴィニシウス・ジュニオールのような活躍ができれば、サンチャゴ・ベルナベウで輝く日もそう遠くはない。ひよっとすると、こういったヤングスターの活躍や出現がマドリディスタの心を明るくさせ、マドリー復権の礎となるのかもしれない。

さぁ、日本時間今夜のアスレティックvsバルセロナを歯切りに、夢のリーグが開幕する。バレンシア、セビージャ、ベティス等がどこまで3強を苦しめられるのか。はまたま今シーズンのヘタフェのような躍進するチームが現れるのか。乾率いるエイバルの活躍はあるのか。

眠れない週末が帰ってくる。

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