大阪で作ったインドア、東京で作ったアウトドア

ニューアルバム『アウトドア』の配信まで後もう少しです。現時点でなにか伝えておきたいことはないかなーと考えたのですが、一つありました。何かというと、アウトドアを聴く前にもう一度インドアを聴いといてほしいのです。タイトルからもわかる通り、『アウトドア』は前作『インドア』と対をなすアルバムです。それをより深く味わうためにも、今のうちにインドアを復習しておいてほしいのです。前作と今作を比較して、変わった部分や、逆に変わらない部分を見つけて、二つの作品をより深く楽しんでもらえたら嬉しいなと思っています。

大阪で作ったインドア、東京で作ったアウトドア。生まれ育った街で作ったインドア、これから生きる街で作ったアウトドア。小学生の頃から使っている学習椅子で作ったインドア、無印の「体にフィットするソファ」で作ったアウトドア。阪急と小田急、梅田と渋谷、俺の中ではそれと同じように、インドアとアウトドア、という感覚なので、どちらか一方だけを切り取られてしまうことは避けたいなーという気持ちが漠然とあります。

なかなか言葉にするのは難しいんですが、インドアから成長・進化してアウトドアを作ったというよりかは(もちろん作り手としてのスキルは上がってますが)、前作の時には表現できなかった、取りこぼしてしまったフィーリングを今作に詰め込んだ、という感じなのです。逆も然りで、今作にはない、前作にしかない魅力もたくさんあると思います。そのへんは人間の多面性と同じようなものでしょう。とにかく、両サイドが揃うことで初めて何かが完成したんだ、という強い実感があります。

前作のラスト、最後の一行に俺は「これが最後だろう」と書きました。今作のラスト一行はそれとは対照的な言葉です。矛盾しているようで、どちらも本心で、祈りのようなものです。

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