プラサンティ

2001年から結婚定住、今までバリ人まみれで暮らしてきた中で、バリの文化や宗教行事につ…

プラサンティ

2001年から結婚定住、今までバリ人まみれで暮らしてきた中で、バリの文化や宗教行事について、日本語で書かれたものに納得したことがないので、自分で書こうと思いました。もとよりバリ島全土、バリ人全部、についての記述を目指しているものではございませんので、ご了承ください。

最近の記事

阪神淡路大震災の記憶

I was here on 1.17.1995. 1995年(平成7年)1月17日(火曜日)5時46分52秒、兵庫県南部地震により発生した災害時、私は東灘区の甲南町のワンルームマンションの二階の部屋にいた。全体での犠牲者は6,434人、神戸市では4,564人が死亡したが、最大の被害を受けたのは東灘区であり、全ての自治体で最多となる1,469人の死者が出た。そんな中でかすり傷一つ負わなかったのは、今思うと本当に幸運だった。 揺れの(心理的)衝撃が強すぎて、ところどころ覚えて

    • 2002年生まれのバリ島の甥っ子が亡くなった。

      これは一年前に書いたものを今投稿します。 去年(2021年)の8月にバリ島の舅が他界し、そのころから貧血を訴えるようになった甥っ子。 貧血症状が酷くなり、医者で精密検査の結果、白血病だと。 抗がん剤治療を受けるかどうか、迷いに迷っていたのだが、年明けから治療を始めることになった。 二回目の抗がん剤治療の日の朝、具合が悪くなり、病院へ搬送されたが、そのまま帰らぬ人となってしまった。 この3月で二十歳。あまりにも早すぎる死に、親族みな、茫然としている。 甥は、主人の妹の息子

      • バリ島のNGABEN火葬式

        なぜ、インドネシアのバリ島に移住したか、というテーマで記事を書いたので、一部抜粋。 サムネの画像は、30年前のバリ島、バトゥブラン地区の火葬式。 現在もあまり変わっていないのが本当にビックリです。 世界的リゾート地として有名なバリ島は、インドネシアの一つの州です。 インドネシアは世界第4位の人口(2億3,764万人)を持ち、赤道にまたがる1万3千以上の島からなる大きな国で、バリ島はそのうちの島の一つで、人口は436万人ほど。 5,632平方キロメートルで、広さは和歌山県の1

        • バリ人の通過儀礼。

          日本滞在も半年になった。お盆頃にワクチンを2回打ち終え、日本生活も本格的に始動、バイトのかけもちがちょっとオーバーワーク気味な今日この頃、現実逃避で久しぶりにnoteを。 最近、バイト先で、子育ての話になって、やはり、日本とは出産、子育てはかなり違っていたのだなあ、と思うことが多い。 結婚する直前に、流産したことがある。その時の妊娠で慌てて、最小限の結婚の儀式を行ったのだが、残念ながら11週で流産してしまった。 ※その時のことは、こちらのブログにて バリ人にとって、妊

        阪神淡路大震災の記憶

          Iseng ajak bapak

          舅は、そんなにペラペラと喋る人ではなかったから、会話が記憶に残っているというのはあまりないけど、バリの風俗や、バリ語や宗教行事のことなど、分からないことをよく質問して、色々教えてもらった。時々、堰を切ったように話し出すことがあって、そんなところはうちの夫もそっくりだ。 一番感謝していることがある。それは、二人目の子供を出産した時。 二人目の妊娠中は、早期破水したということもあって、私はとても神経質になっていた。7か月の終わりごろから少量の破水があって、日本だと出産まで寝た

          Iseng ajak bapak

          ありがとうお義父さん

          バリ島の舅が他界した。 先月、2021年8月18日に、ギャニアールの病院で息を引き取った。 2016年の年始早々、姑の薬(糖尿病の血糖値を下げる薬)と、自分の薬(喘息の薬)の飲み違えが発端で、急性低血糖症に陥り、錯乱、けいれん発作、一時意識不明だったお義父さん。 その時を境に、元々持っていた喘息の発作と、胃痙攣の発作を繰り返し起こすように。 喘息の薬で胃を壊し、薬を飲まないと喘息の発作を起こす。それの繰り返しで、どんどん体調が悪くなっていった。 そして、入退院を繰り返すよう

          ありがとうお義父さん

          龍の巣②

          この世界最大の暗闇と言われる洞窟が、なぜ「龍の巣」と呼ばれるのか。 「この中には母親の龍が居る。それを追って、父親と子供たちの龍がここに集まってきた」 ミャオ族の言い伝えである。 この洞窟の成り立ちは、インド亜大陸が、ユーラシア大陸と衝突した5000万年前に遡る。その衝突の際に、ヒマラヤ山脈が隆起した話は有名だ。インド亜大陸は今でも北上を続けており、今でも年に5センチほど、ヒマラヤは隆起し続けているという。 この時の衝突が、中国の南部にある貴州省の地形を作ったと言われる。

          龍の巣①

          NHKスペシャルで、「龍の巣に挑む」(再放送)を見た。 その内容と感想を、何回かに分けて書いてみたいと思う。 中国貴州省に、世界最大の地底空間があり、地元のミャオ族(苗族)からは、「龍の巣である底なしの洞窟、そこは冥界、決して入ってはならない」と言われている。 この世界最大の暗闇を、初めて光で照らし、内部を撮影するという試みのドキュメンタリーなのだが、どこまで深くて、どこまで広がっているかわからないので、絶対に内部を照らすなんて不可能だ、と言われてきたことに挑戦するのだ。

          カジャン・クリウォン

          バリ人の毎月のお供え物の中でも、定期的で重要な日であるカジャン・クリウォン Kajeng Kliwon は、15日に一度巡ってくる。 バリでは様々な暦が使われているが、そのうちの三曜週(Tri Wara)のカジャンと、五曜週 (Panca Wara) のクリウォンが重なった日、それがカジャン・クリウォンだ。 カジャンの日=デウィ・ドゥルガー(aham kara 自我 のパワー=bhuta kala )とクリウォンの日=デワ・シワ(dharmaのパワー=dewa)という、相対・

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          カジャン・クリウォン

          バリ島で幸せに暮らせるのか?

          ※100円で有料公開にしている記事を、最後まで読めるように設定しました※ よく、旅行で訪れる方から、バリ島で暮らす人々のように、充実した生活を送ることは出来ないかな? という言葉を聞く。 子供さんを連れて、またはご家族で、バリ島に移住してくる人は、沢山居る。欧米人(近年多いのはロシア人)も、日本人も、短期・長期にかかわらず多い。 物価が安いからか、気候が温暖だからか、子育てしやすそうだからか、考えられる理由は様々だが、ずっと定住、それこそ墓場まで、住み続けていくのは、我々

          バリ島で幸せに暮らせるのか?

          桜咲く季節に思う

          今朝、起きぬけに、「桜見に行かなきゃ」と思った。 今年は開花が早くて、もう見ておかないと次いつ見れないか分からないのに。日本に居るのに、なぜ近くのお城の桜を見に行かないの、馬鹿々々しい。今日はこれからお城に行こう。 目が覚めて、起きる前に数秒、まだこう考えていた。 完全に、日本に居る感覚。 直前に夢でも見ていたのだろうけど、目が覚めて、こんなに強く自分の居る場所を錯覚したのは初めてだった。しばらくしてから、あれっ、自分はまだバリに居るんだ・・・と気づいて、驚いた。 現

          桜咲く季節に思う

          バニュ・ピナロ~パゲルウェシの日のお供え物。

          サラスワティから5日間続く一連の儀式のお供え物について (リンクをクリック)、二日目のバニュ・ピナロから最終日のパゲルウェシについて、まとめてみました。 ★サラスワティのお供え物については、サラスワティの日のお供え物。 をどうぞ! 【Banyu Pinaruh バニュ・ピナロのお供え物】 バニュピナロはサラスワティの翌日の儀式です。 サラスワティの日がバリの暦・ウク歴の最終日で、翌日のバニュピナロが、次の新しいウク歴の最初の日にあたります。 この日は自身の浄化の日です。

          バニュ・ピナロ~パゲルウェシの日のお供え物。

          サラスワティの日のお供え物。

          2021年1月30日土曜日は、Piodalan Sang Hyang Haji Saraswati サラスワティの日です。バリ島のウク歴に基づいて、210日ごとのウマニス・ウク ワトゥグヌンの土曜日に祭祀が行われるサラスワティの日。 この日は全ての書物、聖典、知識を伝える図書を聖水で清め、儀式を行います。 この日のお供え物は、バンタン・サラスワティ(Banten Saraswati)、アジュマン(Ajuman)、プラス(Peras)、ダクシノ(Daksina)、等々 (Ra

          サラスワティの日のお供え物。

          未曽有の年明け。

          生まれてこの方、初めての、世界史に残る2020年が明けた。 パンデミック。 明けたからと言って、状況は何も変わらないけれど、自分を取り巻く世界は2020年から大きく変化し、その変化はいまだ続いていて、今後も続いていくであろう。 誰にも予測できない。 去年の今頃はまだ、お正月明けで、年末年始のお客様がどんどん帰国していく時期で、寂しく気が抜けた感じがしつつも、すぐあとに来るヨガのワークショップや、MOKSAで開催されていたワークショップの宿泊ゲストの対応準備で充実していた。

          未曽有の年明け。

          バリ島のバリアンについて私見。

          前回、バリアンについて少し書いた。 バリアン、とは、民間医、とか、呪術医、シャーマン、と訳されることが多い。要するに、「病気を治したり、健康な人を病気にすることが出来る人」のことだ。インドネシアでは、「ドゥクン」という事が多いかな? 西暦2000年頃までは、バリの人は西洋医学よりも圧倒的に民間医療の方に頼っているな、という印象だった。 西洋医学はお金もかかるし、手の施しようが無くなったら行く、という印象。 普通のお医者さんと違うのが、その診立て。 大概、「不思議な力」で症

          バリ島のバリアンについて私見。

          バリアン、行ってきた。

          バリ島に関して質問を受けることが多いのが、「バリアン」についてだ。 バリアンは、「人の病気を治すことが出来る人」で、シャーマンのことである。 治すことが出来る=病気にすることが出来る、ということでもあり、その点において白と黒のバリアンが居る、と言われる。いはゆる、ホワイト・マジック、ブラック・マジックってやつだ。 バリアンにもいろんなタイプが居て、なり方にもいろんなタイプがある。 バリアンに関する私見は、また違う機会に。 珍しく旦那が誘ってきたので、バリアンのおうちに行

          バリアン、行ってきた。