見出し画像

令和3年度宅地建物取引士資格試験(12月試験)問題【問44】について

さまざな資格試験において、試験当日に資格の学校が行う解答速報では、ある問題について、A学校では2、B学校では3と、解答が学校によって異なるいわゆる「割れる解答」になることがあります。

令和3年度の宅地建物取引士資格試験(12月試験)については問題【問44】が「割れる解答」になりそうな気がいたしましたが、結果的にはどこの資格の学校も最終的な解答は、「3 三つ」となっています。

私も最終的な解答は、「3 三つ」としましたが、最後まで悩んだのが「2 二つ」。

それでは、まず問題を見てみます。

---------------------------------------------------------------

【問44】宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法35条に規定する重要事項の説明についての次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。

ア 賃貸借契約において、取引対象となる宅地又は建物が、水防法施行規則第11条第1項の規定により市町村(特別区を含む。)の長が提供する図面に当該宅地又は建物の位置が表示されている場合には、当該図面における当該宅地又は建物の所在地を説明しなければならない。

イ 賃貸借契約において、対象となる建物が既存の住宅であるときは、法第34条の2第1項第4号に規定する建物状況調査を実施しているかどうか、及びこれを実施している場合におけるその結果の概要を説明しなければならない。

ウ 建物の売買において、その建物の種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すすべき責任の履行に関し保証保険契約の締結などの措置を講ずるかどうか、また、講ずる場合はその措置の概要を説明しなければならない。

---------------------------------------------------------------

この【問44】は、正しいものはいくつあるか。といったいわゆる個数問題で、内容は宅地建物取引業法35条に規定する重要事項の説明事項について正しいものを選択する問題です。

最終的な解答はどこの学校も正しいものは「3 三つ」ですが、私が最後まで悩んだのがアが誤りと思われる「2 二つ」。

当初、選択肢アのどの辺りを誤りと判断したかと言いますと、文中の「水防法施行規則第11条第1項の規定により~」というところ。

ここで、選択肢アが誤りと判断する根拠となる、宅地建物取引業法施行規則第十六条の四の三第一項の三の二を見てみます。

三の二 水防法施行規則(平成十二年建設省令第四十四号)第十一条第一号の規定により~、と書かれており、選択肢アの「水防法施行規則第11条第1項の規定により~」の最後の「第1項」という部分が、正確には「第一号」であることが分かります。

では、なぜ、正確には「項」と「号」が違うのに選択肢アを正しいものと判断したかということになりますが、2021年から国家資格となりました賃貸不動産経営管理士試験では、国家試験となる前までは似たような問題が出題され細かい点まで問われましたが
60年以上歴史のある宅地建物試験ではこのような問われ方をする出題はこれまでほとんどないため、ただの誤植であると考え最終的に正しいものは「3 三つ」と判断いたしました。

令和3年度宅地建物取引士資格試験(12月試験)の合格発表は令和4年2月9日(水)。

合格発表とともに公表される正解番号表の【問44】の解答が「2 二つ」となるのか「3 三つ」となるのかはひじょうに気になるところです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?