見出し画像

学生達、身体を作ろう!(トレーニング編part2)

こんにちは。

タロウです。

今回は前回の続き、身体作りのトレーニング編part2です!

前回の記事はこちら↓

前回、僕は身体を大きくした結果、動けない体になってしまったという話を書きました。このままじゃまずいと思った僕は、アドバイスをいただくためにある方にお会いすることに。

その方とは...

吉田修久さんです。

吉田さんは現在サンロッカーズ渋谷でトレーナーをされていて、これまでアメリカ、日本で活躍されてきたスーパートレーナーです。(語彙力。笑)

過去には皆さんご存知のサンアントニオ・スパーズに所属していた経験もあり、世界のトップを知っている数少ない日本人の1人です。

なぜ僕が吉田さんと知り合いかと言いますと、実は幸運にも大学時代に何度かバスケ部を指導していただく機会があったのです。

本当にご縁に恵まれています。

そして2019年2月、吉田さんにお会いさせていただけることになり、当時の問題を解決する方法、そしてより良くしていくためのトレーニングの考え方を教えていただきました。

今回のnoteでは、その時いただいたアドバイスと、それらを元にトレーニングした経験による”身体を大きくしながら動けるようになる方法”について書いていきます。

パワー(パフォーマンス)=筋力×スピード

まず初めに吉田さんからこの考え方について教えていただきました。

ーーーーーーーー

筋は断面積が大きくなるほど筋力も大きくなります。基本的に筋肥大するほど筋力も大きくなるのです。しかし、それと同時に筋自体も重くなります。

また、バスケットボールのパフォーマンス(跳ぶや走る)では上半身の筋力も大切ですが下半身の筋力が大きな役割を果たします。それまでの僕は上半身中心のトレーニングによる急な体重の増加(特に上半身)によって相対的に下半身の筋力が低下し、スピードが低下していたのです。

トレーニングの時にスピードについて何も考えずに筋肥大だけを追い求めてきた僕はここでいかに自分が愚かだったかを思い知りました。笑

ただし、筋肥大すること自体は悪いことではありません。筋肥大させずに筋力だけをあげようとしてもどこかで頭打ちになってしまいます。大切なのは体全体をバランスよく鍛えることであり、今回僕が問題だったのは筋肥大だけを追い求めてしまったことです。笑

前回も書きましたが基礎筋力が足りていない選手は多いので、まずは基礎としてある程度の筋量をつけることをお勧めします。

ーーーーーーーー

その時の僕の問題を解決するにはウェイトトレーニングにおいて次の2つを行うことが必要でした。

①最大筋力を上げる ②スピード(筋収縮速度)を上げる

最大筋力を上げる

筋力を大きくするのは何も筋肥大だけではありません。筋力だけを鍛えることもできます。難しい説明は割愛させていただきますが、いわゆる神経系を鍛えるってやつです。

そのためにはなるべく大きい重量を扱うことが必要です。具体的には1セットを1〜3回がなんとかできる高負荷の重量によるウェイトトレーニングです。セット数は3セット程で必ずセット間は十分にレストをとってなるべく毎回100%の力で筋発揮ができるようにしてあげましょう。

ただし、シーズン中はそれによって疲労が強く出ることがあるので場合によっては数レップ余裕がある重量で行うなどの工夫も必要です。

僕が実際に行っているメニューとしては...

パラレルスクワット、デッドリフト、ベンチプレス、フロントプレス、チンニング(荷重)、ベントオーバーローなど割とベーシックなものです。

これらを3回ギリギリできる重量で行っています。

ただし、重量を求めるあまりフォームが崩れてしまってはトレーニングの効果は薄れてしまいますし、怪我のリスクも高くなってしまうので注意が必要です。

スピード(筋収縮速度)を上げる

これまた神経系ってやつですね。

ただし上の筋力狙いではどうしても扱う重さが大きいので若干ゆっくりとした挙上になることがありますが、こちらは1RMの55〜60%で爆発的に行うことが大切になります。とにかく爆発的にというのがポイントです。こちらのトレーニングもセット間は十分に取りながら3〜5回で3セット程行うと良いでしょう。

僕はよくスクワットでこの狙いのトレーニングを行います。

また、最大筋力を大きくすることもスピードを上げることにつながります。

ベンチプレスで60kgをやっと上げられる人が行う60kgのベンチプレスよりも100kg上げられる人が行う60kgのベンチプレスでは後者の方が素早く上げることができますよね。

最大筋力を伸ばすトレーニングをベースにして、スピードを意識したトレーニングを取り入れていくと良いでしょう。

その他にも、重量は軽くなりますがメディシンボールを全力で上に投げたり叩きつけたりといった全身を使ったトレーニングも僕は好きです。

最近ではクリーンを多く取り入れていて、筋力と筋収縮スピード、そして全身の連動を鍛えています。そのおかげかずっとできなかった両足跳びのダンクができるようになってきました。

画像2

ピリオダイゼーション(期分け)

ウェイトトレーニングにも様々な目的のトレーニングがあるということがわかってもらえたかと思います。(上に書いた以外にもたくさん存在する)では、これらのトレーニングをどのように組み込んで行っていけば良いのでしょうか?僕の例をご紹介させていただきたいと思います。

ーーーーーーーー

例えば2ヶ月後に試合があるとします。

このままでは体重が足りないなと感じたら...

筋肥大狙いのトレーニングを4週間程度行い、その後の4週間で3RM程度の筋力狙いとスピード狙いのトレーニングを入れて試合に臨みます。

もし、身体の大きさはこのままでいいやと思ったら...

4週間は5~6RMほどの重量でトレーニングを行い、筋量と筋力を維持し、その後の4週間で筋力とスピードを鍛えて試合に向けてピーキングしていきます。

ーーーーーーーー

ひとつのトレーニングセッションは4〜6週間(最低でも3週間)を目安に計画すると良いそうです。僕の場合、3x3は年中試合があるのでそれらに合わせるためにも3〜4週間ごとにトレーニングを変えています。このように僕らバスケットボール選手は試合のスケジュールを考慮してトレーニングを計画していくことが必要です。

吉田さんはこのピリオダイゼーションを強く強調されていました。

ちなみに筋肥大のトレーニングはやらなくても食事さえしっかり摂っていれば2週間ちょっとは維持できるそうです。ただし、そこを超えると少しずつ体重が減り出します。体重の減りが大きくなり出した時は筋肥大のトレーニングを取り入れて筋量を維持もしくは増量するようにしましょう。

僕の場合、筋肥大のトレーニングで4kgくらい増やして神経系をトレーニングして2kg減ったらまた4kg増やしてと言うように1ヶ月で2kgくらいずつ増やしていきました。その結果、スピードやジャンプ力を向上させながら体重を95〜96kgまで増やすことに成功しました。

様々な動作を鍛えよう

バスケットボール選手にとってウェイトトレーニングはパフォーマンスを上げるための手段のひとつです。そのため、ひとつの動作のトレーニング種目にこだわる必要はありません。

例えば習得が難しい種目のひとつにクリーンがあります。中々フォームが獲得できないからといって、クリーンにこだわっていつまでも軽い重量でトレーニングを行うのはパフォーマンスの向上という意味では非効率だそうです。それならミッドサイプルのような習得しやすくクリーンに近い動作で高負荷を行えるトレーニングを取り入れていくほうがパフォーマンスの向上につながります。

実際に僕もクリーンで高負荷を行えるようになるまではミッドサイプルで高重量を扱っていました。

また、例えば同じ下肢を鍛えるにしても、スクワットのように”上に押すのか”、デッドリフトのように”床から引くのか”、それらを”パラレルで行うのか””スプリットスタンスで行うのか”、”フルで行うのか””ハーフ”で行うのかなど動作の種類は様々です。

筋を鍛えることだけを意識するのでなく、動作を鍛えることを意識しながら様々なトレーニング動作を取り入れていくと良いでしょう。正しい動作を意識していくうちに必要な筋や柔軟性が分かってくるはずです。ただし、初めのうちはトレーナーに見てもらうことをお勧めします。

画像1

最後に

僕の場合、吉田さんにアドバイスをもらってすぐに最大筋力と収縮スピードの向上を狙ったトレーニングを4週間ほど取り入れました。すると4週間後にはすっかり跳べるようになり、片足跳びでのダンクが出来るくらいまでジャンプ力が戻りました。あまりにも効果がはっきり出たのでトレーニングがめちゃめちゃ楽しかったです。

吉田さん、本当にありがとうございました🙇‍♂️

その後は上にも書きましたが計画的に体重を増やしていき今では95〜96kg。さらに最近はウエイトリフティング種目とジャンプトレーニングを取り入れてジャンプ力成長期真っ只中です。笑

ただし、こうした結果が出ているのも筋量を増やして基礎筋力があったから。

よくウェイトトレーニングは身体が重くなるからやりすぎないほうがいいなんて聞きますけど、それも経験してきた僕からすればウェイトトレーニングにも様々な目的のトレーニングがあることを知らないだけなんじゃないかなと思います。

ウェイトトレーニングで身体が重くなるのは失敗じゃなくて成功の途中なんです。

途中で止めるのはもったいない。

バスケットボール選手でいられる時間はとても短いです。さらに言えば身体能力を伸ばせる期間なんてもっと短い。

是非これを読んだ方にはアスリートでいられる時間を大切にして、その中で引き出せる最高のフィジカルを手に入れて欲しいなと思います。

長くなりましたが最後までお付き合いいただきありがとうございました。

では、また次回!

(少しでも面白いと思っていただけたらスキ、いいね、リツイートを押していただけると嬉しいです🙇‍♂️)




いつもサポートいただきありがとうございます。 皆さまのサポートは大切に自己投資に使用させていただいております。より良い物が書けるように今後も励んでまいります。