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組織に属している=居場所がある、ではない

 
今日、「個々のチームメンバーが高いパフォーマンスを発揮するには何が必要か?」について考える機会に恵まれました。

 
当然、人である以上、パフォーマンスはブレるもの。常に最高のパフォーマンスを出し続けることはできないという前提はあると思います。 
 
 
でも不思議なことに、なんかわかんないけどこのチームにいる時ってやたらワクワクするし、自分の強みを活かせている気がする。貢献できてる気もするし、パフォーマンス発揮できてる自信もある。そんな組織ってありません?  
 
 
僕はそんな経験をしたことがあります。 

 
別に自分が脚光を浴びてるわけでもないし、最前線にいるわけでもない。けど何故か組織に溶け込んで力を発揮できているという充実感がある。
 
  
そんな組織とそうじゃない組織の違いは何かなー?と ずっと考えてました。 
 

 
そしたらパッと答えが出てきました。 

その組織に居場所があると感じられるかどうか」 

じゃないかと。 

これはコーチングを学ぶ中で様々な勉強会で聞いてきた話でした。
 

組織があるから居場所ができるわけじゃない  


個人が共通の目標に向かい組成される集団が「組織」と言われます。  

ただ、組織にいても居場所がない、ということが実際に起こっています。組織に所属させておけばOKなんて簡単なものじゃないんです。 

一人と孤独は違う」まさに言い得て妙です。  

一人の時って別に嫌な気分じゃないし、自然体で楽チンな時だってあるわけで。  

一方で、孤独は「痛み」を伴います。 
なんと、精神的な孤独を感じている時、人は身体的ダメージを受けている時に反応する脳の部位が同じように反応するそうです。 

 
これって、どの会社でも当たり前のように起きていることなんですが、冷静に考えるととても不思議じゃありません? 
  

だって、社員は会社が面接等した上で「採用」してるはずです。どういう形であれ、人が必要だと思うから採用するわけです。

なんなら、場合によっては「君にどうしても来て欲しい」みたいなこと言って採用したりします。   
 

でも会社に入って少しすると、組織の中で居場所を失う人がいる。  

共通の目標を達成すべく必要な人を集めたのに、居場所がなくなる。   
  

採用担当をやっていた身からすると、そういう現状があるという事実に悲しさを感じるとともに、果たして本当に自分は採用した責任を果たしているのか?とも思います。 

なぜこのような矛盾が起きるのか

 

・組織のような見た目だけど実は組織じゃなく、独立した個の集まりになっている。

・そもそも採用時に人を「数」としか見てないから、入社してわかった性格と相性が合わないと仲間外れにする。 

・目標達成に貢献しないと自分の存在価値を見失うという不安感から自分を守ることがメインテーマにすり変わり、他者のことを考える余裕がない。  

いろいろあるのだと思います。 
組織に完璧はないし、正解もありません。 

 
でも確実に言えることは、私たちは同じ人間であることに変わらないということです。 

誰かしらと繋がらなければ生きることはできないし、 安心して過ごすために居場所が必要なはず。 

 
だからこそ、「あ、自分はここにいていいんだ」と安心感を感じてもらえるような風土やコミュニケーションが必要になるし、なんならマネージャーの仕事はこれが最重要であると言っても過言では無いと思います。

  

とにかく相手の話を聴いて、自分の存在が認められている、弱みを見せても大丈夫だ、と思ってもらえないといつまで経っても鎧は剥がれないまま。
 
 
こんな時、一人ひとりに役割を与えるケースが多いですよね。でも人間、バカじゃないので、その役割が形式的なものかはすぐわかります。  

 
組織とか役割とかお金とか、そういう見えるものじゃ本当の意味で私達は心から満たされないですよね。
(まあそりゃあ、給料はいい方がいいかもしれないけど笑)

 
でも組織の中でこの安心感が欠如すると、自分をよく見せて存在を認めさせたり、権力で相手をねじ伏せたり、相手を蹴落としたり……急に自然体ではいられなくなるようです。 
 
そうなると組織の中でも孤立し、居場所を失う人が出てきてしまう。
 
 
事業目標の達成のためにはそんな甘いことは言ってられない! そんな人が出るのは仕方ない! という意見もあるかもしれません。 
 
 
ただ、僕は思います。なんでそんな、人間らしくない、お互いを削りあってまで事業を実現しなければいけないのか?と。 

 
誰かのために、社会のために役立つことを存在意義とするのが「企業」です。 
 
でもその企業が、皮肉にも自分の社員のことは孤独にさせている現実があります。 
 
 
今、企業と社員との関係性は大きく変わりつつあります。 
 
一人ひとりが人間として尊重され、居場所があると感じられて安心できるような、そんな組織が求められているんじゃないか? 
  
そして、そんな人間くさい、本来の自然体な感じで働ける場に人が集まるようになると思います。 
 
 
「べき論」や理論は抜きにして、自分の会社では居場所を失っている社員がいないか?と考えてみてはどうでしょうか。

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