アメリカ流のプログラミング教育ってどうなんだろう?と思いインターナショナルスクールのプログラミングクラブを見学させてもらった話
先日地元東久留米にあるChristian Academy in Japan(以下CAJ)でやっているRobotics Programing クラブの見学をさせてもらいました。
そもそものきっかけは今年から日本のプログラミング教育が始まるがそんなんで大丈夫だろうか?的な話題がチラチラ出ているんですが、そもそも本場アメリカの人たちってどんな教育をうけているんだろう?という疑問から見学してみたくなり、行ってきました。インターナショナルスクールなので本土とは実際違うかもしれませんが、日本の教育とは違う文化の教育なのでそういう表現にしています。
彼らがやっていること
VEXというSTEM教材を使ってロボットを作っていました。自分も今回始めて知ったのですが、STEM教材とは
● Science:科学
● Technology:技術
● Engineering:工学
● Mathematics:数学
の頭文字をとったのがSTEMで、これらを低学年からみんながしっかり勉強しましょうという取り組みがSTEM教育らしいです。
下記が実際彼らが作っているロボットでした。ただ純粋にすげーなーってただただ感心しました。
みんなのモチベーションはVEXロボティクス競技大会で優勝すること
このSTEM教材VEXを使ってロボット競技大会が開催されていてみんなそれに向かって本当に楽しそうにやっていました。
CAJの皆さんは日本大会で成績が優秀だったそうでアメリカで開催される世界大会に出て上位に食い込む程のツワモノだそうです。いつも東久留米なんて何もない所じゃん。って思っていたのに思わぬところに誇れるものがあってちょっと反省しましたw
Robotics Programing クラブでのみんなの役割
Robotics Programing クラブには10-14名の高校生が所属していてそのうちプログラミングをできるのは2-3名程でした。これには結構衝撃的でクラブ活動なので自主的なものなのでみんなプログラム書けるのかな?と思いきやそうでもなく、プログラミングを自主的に興味を持った生徒だけが書けてその他の生徒はVEXのパーツの加工(グラインダーとかでパーツを削ったり)や世界大会に出るための広報活動をする人(学校からも補助はでるそうですが滞在費等諸々ふくめて約100万円程必要そうなのでスポンサー探しをする人)やゲームなので他の学校のロボットを研究して次の大会に向けての戦略を練る人等、普段自分達が努めている会社の役割を高校生達が担ってやっていてみんなで協力していて感動を覚えました。普段エンジニアリング以外はついつい「うーん。よくわからない」って思い距離を置いてしまう自分なんかよりもすげーなー。ってただただ感動でした。
自分達が欲しいパーツは3Dプリンターを使って作ってしまうそうです。
ドローンも中学生の時に作ったそうです
高校生になるまで生徒はどんなプログラミング教育をうけてきたのか?
小学生位からおそらく日本のプログラミング教育でも採用されるであろうscratchからやり始めるそうです。やっぱりscratchは世界スタンダートのプログラミング教材だな。と
で学年が上がってくると選択授業でプログラミングが出てくるので好きな子は選択してある程度は書けるようになるそうです。
今回VEXのソースコードはC++で書いてあったのですがC++初心者である自分でもなんとか読めそうなソースコード量で、特別難しい事をやっているようには見受けられませんでした。
これも興味深かったのですがCAJの生徒でプログラミングが書ける生徒と以前CoderDojoでコードが書ける子供(小学校高学年)に聞いたことがあるですが、コードを書くきっかけになったのはMineCraftのモジュール開発(ソースコードでMineCraftの操作の自動化等ができるもの)がしたくてソースコードを書き始めるようになった。との事でした。そうよね。やっぱり作りたいものがあって作りたいものに必要なのがプログラミングならばそれを学ぶのは子供も大人も一緒だよね。と
「これから子供にプログラミングを教えたい」という世のパパ、ママは
ゲーム = 頭が悪くなる
という時代遅れな思考はまず捨てて、MineCraftを買ってあげるのは意外と子供のプログラミング教育に約立つと思いますよ。
(ちなみに我が家はSwitch版のMineCraftは購入済みでモジュール開発ができるのが有料のPC版のやつしかできないので購入してあげようと強く思いましたw)
で先生の役割でどんなものなのか?
これもまた衝撃だったのが生徒を教える先生はどの位工学やプログラミングに精通しているのか?ということですが、プログラミングはちょっとできるくらいで生徒のほうが詳しいとのこと。あれ?日本の先生と同じなんだー。って思いました。
ただ先生に少しヒアリングをして感じたことは
● 先生自体は場所と予算等の大人の事情なものを調整する
● やり方は生徒達に基本任せていて、自主性を育むためのサポーター
のような役割らしく(ちょっとちゃんとヒアリングしきれていなかったので間違っているかもしれませんが)あーいわゆるスクラムマスターですね。って思いました。
またこの話を聞いて実はプログラミング教育ってどの国もそんなに土壌は整っていなくて悲観的な意見が多い日本のプログラミング教育もまだまだやれる事はあるんじゃないかな?って思いました。
それは何回かお世話になっているCoderDojo Japanの雰囲気と似ていたからです。CoderDojoでも今回見学させてもらったCAJも
楽しくやるためにはどうしたらよいのか?
を主眼に置いていてそれが主体性や自主性につながるんだなー。と
やっぱりエンジニアリングは知っていてもプログラミング教育は別の考え方が必要でエンジニアリングを知りすぎているから頭でっかちになって日本のプログラミング教育に関して悲観的になっているんじゃないかな?という学びでした。
最後に
今回CAJや過去にCoderDojoを見学をさせてもらって実際の現場ってどうなっているんだろう?っていうのを見てきたのですが、是非現役のエンジニアの方は見に行ってもらいたい。と思いました。なぜならば何がすごいかって僕らがIT業界に夢を見て目をキラキラさせながらエンジニアを始めた頃の目の輝きがそこにあってついつい普段忘れてしまうあの頃の情熱を思い出させてくれるからです。
また今回見学させてもらったCAJのロボットプログラミングクラブの生徒達は4月に行われるVEXロボティクス世界競技大会の参加の為にスポンサーを探しているそうなのでもしご興味を持った企業がいましたら自分まで連絡いただけたらと思います。
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