従業員が経営者になる給与体制を導入 【つぶれかけたおじいちゃんの車屋を、孫が復活させた話 Vol.5】
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従業員が経営者になる給与体制を導入 【つぶれかけたおじいちゃんの車屋を、孫が復活させた話 Vol.5】

柏原竜星 / 福友スズキ販売 店長

「黒字化させるぞ」という声かけだけでは、人は動かないとわかっていました。もっとやる気になる仕掛けが必要だと。

そして給与体制を変えることに。

給与は従業員のモチベーションにかなり大きく影響を与えるため、前々から給与体制の変更は考えていました。準備期間は約1年。自分の頭の中で多くのことをシミュレーションし、やる気になるような給与体制をつくりだしました。

ちなみに、給与体制を考えるにあたりたくさんのビジネス書を読んだのですが、明確な答えを得られるものはありませんでした……。取り上げられている内容と自分の置かれている状況に大きな差があったのです。だから自分の頭の中で地道に考えていくことにしました。

給与体制の大きな変更点は、基本給を下げて、その代わりにインセンティブ制度を導入したこと。車販売をした場合は粗利の5%を、追加整備の場合は粗利の10%を給与として支払うことにしました。

それぞれの整備士は、軽度から重度までのどこからどこまでの整備ができるのかを明確にして、そのできることによって手当を変更。会社の利益を生み出そうと意識がみえる人には給与を増やす仕組みを取り入れたり、さまざまな工夫をすることにしました。

もちろん、急に給与体制を変えるとなると、反発が起こります。だから、従業員とは一人ひとりと時間をつくって、給与体制が変わった後はどれくらいの給与になるのかを伝えました。「給与体制を変えたとしても、現状の給与から少し下がるくらいですよ。ただ、会社の利益を意識して仕事をしてくれれば、これぐらいは増えます」と。

1時間半くらいずつ一人ひとりと話したら、みんなが「これだったら給与が上がりそうじゃん」とやる気になってくれたのです。

それと同時に、僕は提供できるサービスの幅を増やしました。たとえば、車を買うときに「ドライブレコーダーをつける」とか、アフターメンテナンスのときに「オイル交換無料」とか。そうすることで、平気で値引きをしていた従業員が、値引きだけに頼らない方法で会社の利益をつくってくれると信じていたのです。頑張った分だけ給与に反映されるようになっていますからね。

あとはボーナスの仕組みも変えました。会社全体の粗利の3%をボーナスにして、一番販売台数が多かった人には25%を、その次の人には20%を……といった制度にしました。

ここまで給与制度を整えて、一人ひとりに納得してもらえていると、ギクシャクすることもありません。みんなが協力しあって、会社全体の収益が上がっていきました。

整備士の動きに一番わかりやすい変化がありました。たとえば、ボロボロの車が車検にきたとして、追加整備に何万もかかるとしましょう。これまでは整備士は特に会社の利益を考えることもなかったので、お客さんに「追加整備でここを変える必要がありそうです」とだけ伝えていました。でも、給与体制が変わったことによって、車を売ったらインセンティブが入るので、平均以上に車検にお金がかかってしまいそうな場合には車の買い替えを提案するようになったのです。

将来的に乗り換えを考えていたお客さんにとっては、高い車検代を払わずに新車や中古車に乗り換えた方が、長期的な目線ではムダな出費を抑えられることもあるので、その場で車検を通す選択だけではなく車の購入を検討してくれます。もしも車を購入してくれたら、会社にとっては車検よりも利益があるし、整備士の給与も増えます。お客さんが車検を通す決断をしても、これまでと利益は変わらないので損はありません。ただ、利益を伸ばすチャンスは圧倒的に増えました。

僕は給与体制を変えて、従業員一人ひとりが自然と経営者のように振る舞える仕組みをつくったのです。朝礼でも僕が出した部門ごとの粗利報告書をその部門に属する従業員に読み上げてもらって、従業員全員に会社の経営状況を把握してもらっています。主体性を持ってもらう仕組みのひとつです。

これらの変化で会社の経営はどうなったのか?

黒字500万円が黒字7000万円〜8000万円に。僕たちは非常に大きく飛躍しました。

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柏原竜星 / 福友スズキ販売 店長
因島出身。福友スズキ販売 店長。赤字1100万円の車屋を3年で黒字7000万円に。車屋の経営に関するノウハウや自身の経験を書いていきます。