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正しい感情の感じつくし方 浄化ワークのススメ 中編

 まずは前回のおさらいを。感情を感じつくす(=浄化ワーク)には、感情に吞まれることなく客観視せよというのが一つ目の鉄則でした。

 今回は二つ目の鉄則です。

ネガティブな感情を毛嫌いしない

 そもそも私がこういったワークを始めたきっかけは、あまりにもトラウマなどの反芻を始めとして、ネガティブな感情が止まらなかったからです。これが消えてくれるならと思って始めたんですね。でもあまり上手く行かなかったのは前回書いた次第です。

 ずっと辛かった当時は「この感情さえ無くなれば・・・」と思って過ごしていましたけど、冷静に考えるとネガティブな感情って実は消滅しないと気づきました。だって、ネガティブが無くなってしまうとポジティブも無くなって無になってしまうからです。闇が無くなれば光はなくなるし、裏が消えれば表が消えるみたいなものでしょうか。
 
 ただ、世の中の浄化ワークに勤しんでいる人たちは、ブログなどでそのほとんどが感情が解放されるとか消えるみたいな表現をされている方が多いんですよね。そして、当時の私のように何よりもネガティブな感情を目の敵にしている方が多いような感じがします。

 でも、実際にちゃんと浄化が上手くいくと、これまで苦しんできた感情が消えたかのように結構楽になるんですから、そう表現するのも無理はないのかもしれません。では、消えたわけじゃないのに、消えたように楽になるのはなぜか。それは前回の一つ目の鉄則に被ってしまうのですが、ネガティブな感情を客観視出来るようになったからだというのが正解だと思います。

 下品な例え話で恐縮ですが、何か悪いものを食べてお腹を壊したとき、その腹痛と出すときの苦しみ(=浄化の最中に該当)は想像できると思います。でも出し切ってしまえばスッキリします。
 そして仮に便器に入った出し終わった後の汚物を見ても(=客観視した状態に該当)、それを見て腹痛に悶えていたあの頃がフラッシュバックして脂汗が止まらないみたいな人はいないと思うんです。「汚っ!」とか「臭っ!」くらいは思うかもしれませんけど(笑)。その汚いものは消滅したわけじゃないけど、もう苦しまないのです。

実は忘れがち、治癒・回復にも体力がいる

  ここまで、ネガティブな感情がなぜ消えないのかということを論理的に説明しました。でもここまでは頭だけの理解であって、これだけではまだ上手く体に落とし込めず、上手く実践に繋げられない方もいると思います。
 
 私自身も頭では理解しても、上手くできなかったクチでしたから良く分かります。そこで、実際に何をすればよいのかについてもっと掘り下げてみましょう。

 さっきネガティブを感じる作業を下痢に例えました。下痢って間違って取り込んだ悪いものを排出するため体が行う自然治癒の作業なのですが、かなりしんどいですし、体力を消耗しますよね。

 体力のある人にとっては、治療・治癒って病気から健康へと一直線に駆け上がっていく印象があると思いますが、実はまず一度自身の体力・気力という代価を支払ってこそ治療や治癒は可能になるのです。
 他にも病気になって手術が必要だけど、老齢過ぎて体力が無いから手術が出来ないとか、治療・治癒には体力・気力がいるという事例は枚挙にいとまがありません。

 感情の浄化もそれと同じで、その苦しい感情に耐えられるだけの精神・身体があってこそ乗り越えられるのです。
 私は発達障害だったのですが、発達障害者って思ったより心身がボロボロなんですよね。なので、頑張ってネガティブな感情を感じようとしても、精神・体力が貧弱なので、無意識の内に自分を守ろうとして出し切れない状態に陥ってしまったのだと考えられます。

 心身が健康な人であっても、例えば戦争やレイプのような性被害にあって、自分のキャパを超えるような事案にあってしまえば、同様の事態に陥ります。

 つまり浄化が上手く行くようになるには、感情をどうにかしようとするよりも、感情を受け入れられるだけの心身の器をまずは作っていく必要があるのです。
 前回述べたような原始反射の統合で脳を成長させたり、グラウンディングを強めてどっしりとブレない自分を作ることも重要でしょう(グラウンディングのやり方は今後書いていきます)。また肉体を鍛えるという方法もとても重要です。

ところが生じる矛盾

 と、ここまで二つ目の鉄則やどうすれば鉄則を生かせるようになるかについて書いてきました。

 二つ目の鉄則をまとめると、「ネガティブな感情を毛嫌いするな!消えるように見えるが、実は客観視できるようになるだけ」です。

 でも、ここで一つの矛盾が生じます。前回の冒頭で感情の浄化を行うと、その感情に関連がある嫌な他人がいなくなったり、現実が変わることがあると書きました。

 これに関しては嘘ではありませんし、実際に私も経験があります。浄化を実践している人たちは、これを「自分の内面からネガティブな感情が解放・消失したから、それに関連する現実も変わった」という表現を良くしています。

 確かに本当に「ネガティブが消える」のならその説明も正解でしょう。でも、ここまで読んでくれた賢明な読者のみなさんは「ネガティブな感情は消えない」ということは理解したはずです。

 感情が消えたわけじゃないのになぜ現実や他人が変わるのか。それはまだ話していない最後の鉄則「自分の感情に責任を持つ」に関連があると考えています。

 それについては次回書きましょう。では、また!

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