BLACKPINKをデータから分析してみた
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BLACKPINKをデータから分析してみた

はじめに

現在、第4次K-POPブームが来ていると言われている。そこで今回は世界的に人気なBLACKPINKについて、どのような軌跡を経て、現在の人気を手に入れたのか分析していく。

BLACKPINK について


まずはじめに、BLACKPINKの背景に触れておく。
グループ名の「BLACKPINK」は、最も綺麗な色と表現されるピンクを少し否定する意味で、“美しいものが全てではない”という意味が込められている。またスペシャルなものの前に「BLACK」という名称がつけられるように“スペシャルな女性グループ”を意味するものでもある。

彼女らのジャンルとしては、エレクトロニック・ダンス・ミュージック(EDM)とK-POPである。また、ガールクラッシュの代表的グループでもある。
※『ガールクラッシュ』とは・・・同性である女性が思わず惚れ込んでしまうような魅力を備えた女性を指す言い方で可愛いだけじゃなく、かっこいい、憧れ的な存在のことである

所属事務所は韓国4大事務所と呼ばれるYGエンターテインメントである。デビューは2016年8月8日に韓国にてデビューショーケースを行い、シングルアルバム『SQUARE ONE』を発表した。

メンバー構成は下記図(HP引用)の4名で、左からJENNIE (ジェニー)、LISA (リサ)、JISOO (ジス)、ROSE (ロゼ)である。

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BLACKPINKの活動地域は、全世界各国である。2019年1月から世界4大陸を周り16ヶ国22都市30公演を行ってきたワールドツアー「BLACKPINK 2019-2020 WORLD TOUR IN YOUR AREA」。その一環として開催した、自身初となる日本ドームツアーでは、東京、大阪、福岡の3都市全4公演SOLDOUT、全20万5,000人動員を達成! 

2020年10月2日にリリースされた初のフルアルバム「THE ALBUM」は米ビルボードのメインアルバムチャートで初登場2位を記録するなど、これまでK-POPガールズグループとして歴代最高のヒット記録を塗り替え続けている。

各記録について

本章では、BLACKPINKが樹立した各ギネス記録や、CDの売上、SNSのフォロワー数を調査した上で、なぜこのサブスクの時代といわれている現代にCDが記録的に売れたのかを明らかにしていく。

CDの売上について
1stフルアルバム『THE ALBUM』
・累積売上:125万枚 (K-POPガールズグループ初ミリオン)
・予約注文だけで100万枚を突破
・発売20日後には120万枚を売り上げ

アルバム発売初日だけの集計で、K-POPガールズグループの歴代初動売上の最多記録を打ち立てた。韓国内のアルバム集計サイトのチャートによると、BLACKPINKの1stフルアルバム『THE ALBUM』は、6日に発売されると、一気に約59万枚のセールスを記録。これは韓国の歴代ガールズグループのシングル発売初日の最高値であり、欧米地域への輸出枚数の一部が加わっていない集計であることを考慮すると、実際の販売数はさらに多いことが推測される。

また『THE ALBUM』は音源公開直後、アメリカをはじめとする全57ヶ国のiTunesアルバムチャートで1位にランクインした。また、アメリカのApple Musicのアルバムチャートの全体で7位、ポップアルバムチャートとしてはトップにランクインしており、世界的な人気を証明したといえる。

SNSのフォロワー数、再生回数について

YouTube 総再生回数 (MV)
・42億回 (2020年4月現在)

総再生回数が42億回であると同時に、4つのMVが10億回以上再生された。
これはK-POPの男女アーティスト全体で、10億回以上のMVを最も多く保有したグループとなった。10億回を超えたMVは次の4つである。
・DDU-DU DDU-DU
・Kill This Love
・BOOMBAYAH
・AS IF IT'S YOUR LAST

Instagram 総フォロワー数:218.7M (約2億) (重複フォロー含む)
・BLACKPINK:37.9M (約3,700万)
・JENNIE:45.7M (約4,500万)
・LISA:52.9M (約5,200万)
・JISOO:41M (約4,100万)
・ROSE:41.2M (約4,100万)

比較対象
・BTS:42.1M (約4,200万)
・TWICE:18.2M (約1,800万)
・TWICE JAPAN OFFICIAL:2.4M (約2,400万)

比較対象として、日本だけでなく世界的に人気のあるBTSと日本で絶大な人気のTWICEを挙げた。この数字からわかることは、BLACKPINKがいかに人気であるかだ。総フォロワー数の218.7Mを5で割りBLACKPINKの公式グループアカウントと公式個人アカウントの平均値を出すと43.7Mになる。これはBTSやTWICEの公式グループアカウントのフォロワー数よりも多いことになる。また同じく、TWICEの日本公式グループアカウントのフォロワー数よりも約18倍のフォロワーがいることになる。つまり、日本国内で非常に人気があるといわれているBTSやTWICEよりも圧倒的に多いということがいえる。

各個人の務めるブランドアンバサダーについて
JENNIE (ジェニー)
CHANEL (シャネル)

LISA (リサ)
CELINE (セリーヌ)
M・A・C
BVLGARI (ブルガリ)

JISOO (ジス)
DIOR (ディオール)

ROSE (ロゼ)
SAINT LAURENT(サンローラン)
Tiffany & Co.(ティファニー)

ギネス記録について

Most subscribers for a band on YouTube
(YouTubeの最多登録者数)
First artist to reach No.1 on a Billboard Global chart as a soloist and as part of a group
(「ビルボードグローバル200」で1位を獲得した最初の歌手)
Most viewed YouTube music video in 24 hours by a solo K-pop artist
(MVが24時間で最も多く視聴されたK-POPソロ歌手のユーチューブ動画)
Most viewed YouTube video in 24 hours
(24時間以内に最も視聴されたYouTube動画)
Most viewed music video on YouTube in 24 hours
(24時間以内に最も視聴されたMV)
Most viewed YouTube music video in 24 hours by a K-pop group
(24時間以内に最も視聴されたK-popグループによるMV)
Most viewers for the premiere of a music video on YouTube
(YouTube動画の史上最多プレミア視聴者数
Most viewers for the premiere of a video on YouTube
(YouTubeMVの最多プレミア視聴者数)

上記は、彼女たちが樹立したギネス記録である。下の5つは「How You Like That」という楽曲のMVにおいて樹立した記録である。たった1曲のMVで5つものギネス記録を樹立しているのだから、圧倒的人気があるということは既知である。

サブスクの時代にCDが記録的に売れた背景

1stフルアルバム『THE ALBUM』にて、K-POPガールズグループ初のミリオンを達成したと先述したが、この記録が生まれた背景は一体何なのか?
それを韓国全体のCD市場から見ていく

韓国の市場について
判型・仕様・素材・封入物なんでもあり
開封体験そのものが価値のあるCD
デザインが世界的にも評価されている

判型・仕様・素材・封入物なんでもあり
近年アナログレコードやカセットテープを購入する若者が増えているが、その「アナログ回帰」とは異なる方向でK-POPのCDはニーズを発掘している。その秘密の鍵を握るのは、独自のプロダクト性だ。

K-POP黎明期の2005年からBIGBANGやBLACKPINKを輩出したYGエンターテインメントでデザインを担当していたアートディレクターのGDSTさんによると、K-POPのCDパッケージがこれほどまでに多様化したのは、わずかここ10年ほどの話だという。

1990年代〜2000年代後半までの韓国のCDを見ると、日本でも定型の、正方形のプラスチックケースの前面に歌詞カードを入れて、その向かいにCDが収まった形態だったことがわかる。

K-POPのCDは、仕様や封入物にも工夫と遊び心が存分に詰め込まれている。韓国ではアイドルのCDは通常2〜3種類(多いときはメンバーの人数分)の仕様で発売される。

もちろん日本のCDでいう初回盤と通常盤も、ジャケットのデザインと特典映像ないしボーナストラックが異なるように作り分けられているが、K-POPだと仕様が違えばサイズや素材までびっくりするくらい変えてくるケースもあり、封入される分厚いブックレットの写真もすべて別のカットになっていたりする。共通するのは収録されている曲だけ、といっても過言ではない。

また、1枚のCDにランダムで封入されるアイテムの種類もとにかく多い。アルバムごとにアイテムは異なるが、ミニポストカード、トレーディングカード、ポスターなどがいくつも同封され、メンバー別にバージョンが異なる。最近では、コースター、ARカード、タトゥーシール、しおり、メンコといった、ユニークなアイテムも封入されている。ちなみにこれらは町工場で手作業で封入されているようで、アイドルが自分たちのアルバムを作っている工場に社会科見学に行く動画も無料で公開されている。

開封体験そのものが価値のあるCD
そもそも韓国にはCDショップがものすごく少ない。1990年代には全国に2万店以上あったのが2017年には100店以下になったといわれている。だから今となってはCDショップを見つけるのも一苦労で、いまだにリアル店舗に行こうとするのは海外からCDを買いに来たK-POPファンか、サイン会のために所定のショップでアルバムを買う必要がある、これまたK-POPファンくらいだろう。

したがって韓国人はアイドルのCDやグッズもネットで買うのが日本よりもさらに一般的で、だいたいの買い物をオンラインで済ませる。CDの流通規格が整備される前から芸能事務所がパッケージの新しいスタイルを開拓していたところに、ネットショッピングの普及もあいまって、K-POPのCDの自由すぎる多様性が確立されてきたのだろう。

CDをうれしそうに何枚も購入するファンを見ていると、サイン会に応募するため以上の何かがあることに気づく。K-POPのCDはとりわけ「開けて楽しむ」ことにフォーカスされているのだ。同じグループのCDでも、シールを剝がしたり、上蓋を開けたり、スリーブを外したりと、開封の仕方に毎回驚きがある。ランダムに封入されるグッズもCDのどこに挟まっているか予想もつかず、サプライズポイントが1枚の中に何か所も用意されているのだ。いま世界的にメガヒットしている「サプライズトイ」のように、中に何が入っているか開けるまでわからないわくわくどきどき感が、K-POPのCDを開封するときの大きな楽しみでもある。実際にファンたちはそれらの「開封動画(Unboxing)」を多数投稿していて、SNSを通じてその高揚感を共有している。

デザインが世界的にも評価されている
サブスク時代における「音楽ソフトを所有すること」に対して、K-POPのCDはデザインや形態、仕組みなど、さまざまな方向から新たな価値と体験を提示している。

人気を集める3つの理由

本章では、BLACKPINKの記録が生まれた背景を理解してもらう。前章の記載にわかる通り、ギネス記録を樹立するほど全世界から人気を集めている。下記に「人気を集める3つの理由」として、列挙した。

人気を集める3つの理由

1.デビュー前からがっつりプロモーション

大手事務所によるプロデュースであるため、デビュー前から韓国での期待も大きく、宣伝も大々的に行われており、デビューすると間もなく人気グループとなった。デビュー前からメンバーやグループ名を公表、ティザー映像の公開など、積極的にプロモーションが実施されていた。デビュー前の盛り上がりも、すぐ人気グループに上り詰めた理由といえる。


2.「女性が憧れる女性」的かっこよさ

これまで、人気の若手ガールズグループの多くは『かわいさ』を全面に押し出してきた。しかし、BLACKPINKは「女性が憧れる女性」的かっこよさを意味する「ガールズクラッシュ」を売りにしている。
TWICEなどの他人気グループにも「ガールズクラッシュ」なメンバーは存在するが、BLACKPINKはグループ全体でそのイメージを押している。その美貌も実力も、アイドルの枠を超えていると言われるほどのハイクオリティである。

3.ヒットするべくしてヒットした、中毒性の高い楽曲

BLACKPINKの楽曲は、BIGBANGや2NE1の数々の大ヒット曲を手掛けてきたプロデューサーであるTEDDYが全面プロデュースしている。
まさに、「ヒットするべくしてヒットした」と言える程、各楽曲の完成度が高く、中毒性のある楽曲ばかりであるがために、数々の記録を樹立していると言える。
その根拠として、前章であげた各記録をご参照いただきたい。

おわりに

世界的に人気と言われているBLACKPINKだが、ただ単に何となく人気があるというのではなく、複数でのギネス記録の樹立をはじめ、CDの記録的な売上、YouTubeの再生回数、SNSのフォロワー数、世界的なハイブランドのアンバサダーを各個人が務めるなど、様々な分野でトップを飾るほど世界的に人気であるということがわかる。

最後まで読み進めていただき、ありがとうございます。
お読みいただいた皆さまに、少しでもBLACKPINKや韓国の音楽市場のことを知っていただけると光栄です。

参考文献

各種WEBサイト
https://ygex.jp/blackpink/ :HP、閲覧日:2021/06/16
http://world.kbs.co.kr/service/contents_view.htm?lang=j&menu_cate=business&board_seq=395400&board_code=akorea_economyPlus :KBS WORLD、閲覧日:2021/06/16

https://note.com/emilyintokyo/n/n96c0e6eb9a77 :BLACKPINKに見るK-POPにおけるマーケティング戦略の凄まじさ、著:Emily in Tokyo | マーケティング分析をお届け、閲覧日:2021/05/25
https://www.vogue.co.jp/celebrity/article/blackpink-global-obsession-cnihub :快進撃が止まらない! BLACKPINKが世界を席巻するまでの軌跡。、著:VOGUE、公開日:2020/06/25、閲覧日:2021/05/25
https://static1.squarespace.com/static/5c46dff7365f022c9015f51b/t/5f23a07f1228ea67b19dc593/1596170420195/Music+Ally+Japan+Report+%2318.pdf :世界の音楽業界がK-popから学ぶ、 マーケティングのテクニック、著:music ally、公開日:2020/07、閲覧日:2021/05/25
https://www.wowkorea.jp/instagram/ :韓流・韓国芸能人のインスタグラム(Instagram)フォロワー数TOP100 (更新日:2021年5月6日)、著:WowKoreaランキング、閲覧日:2021/05/25
https://news.yahoo.co.jp/articles/6f9713582372166e79c2eb1facf2e8e033d2c9c1 :【公式】“K-POPグループ初の金字塔”「BLACKPINK」、「DDU-DU DDU-DU」のMVがYouTubeで再生回数15億回突破(WoW!Korea) - Yahoo!ニュース、閲覧日:2021/05/25

ギネス記録関連
https://www.guinnessworldrecords.jp/ :ギネス世界記録: ギネスワールドレコーズ公式サイト、閲覧日:2021/05/27
https://www.guinnessworldrecords.jp/world-records/381398-most-subscribers-for-a-band-on-youtube :Most subscribers for a band on YouTube、閲覧日:2021/05/27
https://www.guinnessworldrecords.jp/world-records/654601-first-artist-to-reach-no-1-on-a-billboard-global-chart-as-a-soloist-and-as-part-o :First artist to reach No.1 on a Billboard Global chart as a soloist and as part of a group、閲覧日:2021/05/27
https://www.guinnessworldrecords.jp/world-records/654268-most-viewed-youtube-music-video-in-24-hours-by-a-solo-k-pop-artist :Most viewed YouTube music video in 24 hours by a solo K-pop artist、閲覧日:2021/05/27

東洋経済オンライン
https://toyokeizai.net/articles/-/428998 :世界に逆行!音楽CDが売れる「K-POP」の驚く進化 | 映画・音楽、公開日:2021/05/21、閲覧日:2021/05/27
https://toyokeizai.net/articles/-/390983?page=2 :「K-POPの裏側」描くNetflix映画が話題のワケ | 今見るべきネット配信番組、公開日:2020/11/27、閲覧日:2021/05/27

論文
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jasmin/202011/0/202011_33/_pdf :サブスクリプションのビジネスモデル分析と考察、著:雨宮寛二、公開日:2020/11/07、閲覧日:2021/05/27
https://cuc.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=5765&item_no=1&page_id=13&block_id=37 :消費される音楽エンタテインメントを超えて : いかに音楽無関心圏外で評価される音楽聴衆状況を創造するか、著:吉田 優治、公開日:2019/03/31、閲覧日:2021/05/27

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流通科学大学羽藤雅彦/羽藤ゼミ

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