龍神と繋がる旅『魂の宮古島 ⑫』


ともさんのご主人様の御嶽は
海岸に近い場所にあり
うっそうとした森に囲まれたところでした。


いつものようにお供えをしご挨拶をして
そして みんなで祈りを捧げます。

しんとする森の中

聞こえてくるのは ただ
木々を揺らす風の音と波の音だけ。

ふと・・・・・


数名の男性の声が聞こえて来ました。

それは

「祝詞」のようでもあり「払詞」のようでもあり


しっかりと私の耳に聞こえているのに
どんな言葉なのか
まったく分かりませんでした。


聞いたことがない言葉というのではなく
何かを唱えているのはわかるのだけど
その言葉自体がはっきりしない。

「右の方から聞こえてくるな。誰かあちらでも祈りをしているんだろう」

でも・・・・・


御嶽ってそんなに近い場所にいくつもあるもの?
それとも海で祈りを捧げているの?

私がその声に氣を取られているとき
他のメンバーはちょとした恐怖体験をしていたそう。


私たちの祈りが終わり
お供えのお下がりをみんなで頂いているとき
私がふと

「右の方でも誰か祈っていたね。男性が数名?」

すると他のメンバーも


「うんうん。誰か祈っていたねー。」

ところが その祈りの声が聞こえていたのは
私と ともさんと数名だけで

他の人は聞こえていなかったと。

「私には ワーンワーンという音が聞こえていたよ」
「私は何にも聞こえていなかった。でも・・・・・」


でも・・・?


「祈りの間中 私たちの周りにたくさんの人が来ていて
じっと見つめられていたの」

それ・・・・・私も感じてました。

男性たちの声が聞こえていたのと同時に
森の中から たくさんの目が
じっと私たちを見つめていた。

それは
神聖な御嶽を荒らされない為に
様子を見に来たのか。

または 私たちの祈りに引き寄せられてきたものなのか。


どちらにしても怖いというより
神聖なところに立ち会わせて頂いているという
緊張感が伴うもので
氣持ちが引き締まった思いでいました。


「ここは昔 死者の魂を海に流して弔う場所だったの。
このメンバーのお身内のご先祖様で
救われたいと思った人がいたのかもしれないわね。」


ともさんの言葉に

私たちの命を繋いでくれていたご先祖様が
海で癒やしの旅に出たのかもと・・・・。


そんな思いを抱きました。


翌日


朝早く目覚めた私たち。

今日で宮古島ともお別れです。


ホテルのベランダから昇ったばかりの朝日に
ここまで無事に過ごせたことの感謝の祈りをしました。

通常のバカンスとはまったく違う
このリトリートの経験は
一生忘れることが出来ません。

私たちは早々にホテルをチェックアウトすると
昨日出会ったカミンチュのおばぁとの待ち合わせ場所に向かいました。


その御嶽は海岸に近い場所にあり
立派な鳥居があって
内地の神社に近い感じでした。

おばぁは御嶽の駐車場にすでにいて
なんだか色んな道具を持ってきています。


海で禊ぎをするからね。
これを着て浮かんでもらうからね。

ライフジャケットに
さらに沈まない工夫がされて
首のところに枕まで付いていて
なんだかものすごい重装備!


海岸で祈りを捧げ
私たちは海へ入ります。

画像1

おばぁの用意してくれたライフジャケットを着て
海に浮かんでいると
もう時間の経つのを忘れるほど氣持ち良くて。。。。

みんなで代わりばんこに海に浮かんで
ふとその奥に洞窟があるのが見えました。


天井には穴が開いていて
空からの光が差し込んできます。


キラキラと波が光に輝いて
洞窟いっぱいを明るく照らしていて

その光景に私たちは
とっても楽しくなって大きな声で笑ったり
嬉しい!楽しい!と大はしゃぎをしていました。

もっと光って!もっとキラキラして!

そう叫ぶ私たちの声に反応するように
光の粒がぱぁーーーー!っと輝いたり
ユラユラ揺れたり

筆舌に尽くせない美しさ。


もしかしたら
この世ではなかったのかな。


そんな何もかもが別の次元のような感じでした。

ひとしきり海で遊んでいたら

「さあ!そろそろ竜宮へ行くよ!」
おばぁが言います。

いよいよ 宮古島の竜宮へ行くんだな。

「海の中を通って行くから
泳げない人はしっかり捕まって歩きなさい」


崖沿いの海の中を進む。


私は泳げるので
泳げない人の手を取り進みます。

ここは おばぁの秘密の竜宮。


腰や胸まで浸かる海を歩き
たどり着いたその場所は


すべてを慈しみ受け入れ癒やし
また宇宙の大いなる意志が存在する場所でした。

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