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ネイバーアート 「印象に残る牛飼い時代の体験」

身近に感じるアートを「ネイバーアート」と名付けました。
それを生み出す人はもちろん「ネイバーアーティスト」です。

Neighbor Art ネイバーアート
Neighbor Artist ネイバーアーティスト

この二つをぼくなりの読み解き方 Literacy リテラシーで、
Curation キュレーション 発信していきます。


10年近く前に、児童養護施設で職業指導員として勤務してたことがあります。その施設では子どもたちと一緒に牛や野菜を育てていて、ぼくは農場や田畑、農作業を管理していました。

この「牛飼い時代」は、ぼくにはなくてはならないものです。この体験から独特のリテラシーにつながっています。Art Literacyの中にNatureやLocalの要素が入ってきたんだと思います。

印象に残る体験があります。
慣れない刈払機の練習で川べりの草刈りをしていた時、作業の手をとめて山の方を見ると、夕日が沈んでいました。すると体が自然に動き、両手を合わせてお辞儀をしたんです。

その動きに自分でも驚きました。頭で考えるより先に体が動く。たぶん、ぼくの体は自然への畏敬や感謝の気持ちを表したんだと思います。

日がのぼりおかげ。
雨が降り、山から流れてくる水。
生態系や自然環境。
田畑を切り拓いてくれた先人たち。

農作業を通じて、ぼくの体はこんな存在を感じ取ってたんだと思います。

ぼくが考えるんじゃなく、体が反応し、動き、表現する。初めての体験でした。これこそ「生きたえのぐ」です。「アートのたね」につながります。

風景に話しかけたくなる。土地と対話する感覚は、時々あります。

夕暮れ時の宮崎の山

甲斐隆児 / アーティスト、ネイバーアートキュレーター
宮崎県出身。大学で油絵を専攻。子どもNPO法人、児童養護施設、農業などに従事。福岡県で緑地保全活動等に携わり、2021年に宮崎県新富町の地域おこし協力隊として移住。アートプログラムや新富芸術祭を担当。

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