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橋のこちら側あちら側②

一度歩みを止める。長い橋はまだまだ続いている。心地よい風に包まれ永遠に留まっていたい衝動に駆られる。自分を曝け出し本質で居ることがどんなに心地よいことか。何枚もの防具や何語もの耳障りの良い言葉の武装が、無数の多種の傷から自己を防御すると信じていたが、そのことが、逆に「自分じゃない自分らしいもの」巨大な怪獣を新たに構築していた。橋の向こう側から巨大な怪獣が追いかけてきた。僕は全力で橋のこちら側に向かって走り出した。

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