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人生のゴールは、私の死後、妻が馴染みの店に挨拶に行き、お店の人と偲び酒をかわしながら、、、、。(うまい飯の話)

伊勢です、

旨いものが大好きです。

と言っても、

三ツ星レストランなどには
あまり興味がありません。

ただ、旨いものが好きなのです。

メンターにはそれが欠点と
指摘されるのですが、

前世は胃袋だったんじゃないかと
いうくらい、これだけは辞められません。

そういえば、

最近、いたく感銘した
言葉がありまして、

元マイクロソフト社長の
成毛眞さんがフェイスブックに
書かれていた言葉です。

成毛さんも三ツ星は自分の領域では
ないとおっしゃっていて、

食事処として興味があるのは
次の一点だけだ、と言います。

それは、

「こちらが高齢者になっても
潰れていないこと。」

その理由は、

「年齢を重ねると、三ツ星美食よりも
現役時代から通っている、帰る場所が欲しくなる
ことがわかっていたからだ。」

ということで、

成毛さんは、若い時からそういう
店を探して、仕込んでいたそうです。

今の大将が引退しても若がきちんと
引き継いで、丁寧に出迎えてくれる店ですね。

なるほど~。

なんたる先見性でしょう。

確かに、そうなんですよね。

必要なのは、美味しさだけではなく
帰れる場所なんです。

味も大事だけれど、

同時に求めているのは、

気の利いたちょっとした
やり取りだったりします。

足腰立たなくなっても
食が細くなっても
通える場所っていいですよね。

そんな事を考えていたら
先日、東京の自宅に帰ったときの事が
フラッシュバックしてきました。

・・・・・・・

蕎麦を食いにいったんですよ。

沖縄には和蕎麦の店は
ほぼないもので、

東京にいくと、和蕎麦は魅力的な
選択肢になるのです。

それで、家から一番近い、
西麻布の奥まったビルの二階にある
渋い蕎麦屋に久々にいきました。

そこの店は入ると薄暗いのです。

蕎麦屋じゃなくて
BARみたいです。

そこで、カウンターに座って
蕎麦を頼んで待っていると
えらい身なりの良いおじいちゃんが

秘書さんのような女性に手を引かれて
お店に入ってきたんです。

かなりの高齢で、歩くのも目一杯。
秒速1ミリ以下の超低速歩行です。

ただ、身なりは素晴らしいのです。

きっとどこかの上場企業の会長さんだと
思います。

あの体では、三つ揃えのスーツも
硬い革靴も着るだけで大変だと思うのですが
素晴らしい身なりでした。

隣で支える秘書とおぼしき方も
それなりに年配で、

二人は若い頃からタッグを組んで
仕事をしてきたのだろうなと、

そんな空気を感じさせる二人でした。

大変な時代もあったでしょう。

辛いときは、二人で深夜のバーカウンターで
ロックグラスを傾けながら過ごしたことも
あったかもしれません。

会長は、社員には吐き出せないことも
秘書さんになら言えたかもしれません。

もしかしたら、ちょっと恋愛沙汰も
あったかもしれないです。

そんな心地よい信頼関係を
感じるお二人でした。
(全部妄想w)

その二人が、店の人とたまにやり取りを
しながら、酒をちょびちょび飲んで
蕎麦をすするわけです。

いい景色だなと思いました。

素晴らしかったですよ。

きっと、会長に何かがあったときは、
秘書さんが一人できて、

本当にお世話になりました、とか
言いながら、お店の人と思い出話をね、

笑ったり、しんみりしたりしながら
するんだろうな、と。

そこまで、見えました。

・・・・・

ああ、あああ、ああああ
いいなと。

私も死んだときには、妻が、馴染みの店に
行って、生前お世話になりました、とか
挨拶をしてくれて、店の人と酒を酌み交わすのが
良いです。

ほろ酔いになってきたら、
あの人ほんとバカだったわね、とか笑いながら
少し涙ぐんだりしながらね、、

私の事を偲んだりしてくれるわけです。

ああ、なんて素晴らしいのでしょう。

そうなのだ、

それこそが、人生なのだ!

遂に、人生の目的が見つかった(笑)!

と、つい鼻息が荒くなってしまうので
ありました。

・・・・・・

ということで、

急遽、馴染みのごはん処を作らなくては
ならなくなりました。

2020年、喫緊の課題です。

しかしながら、

東京には二件、長野に一件、
何の気負いもなく、毎日通える場所は
それくらいしかないなと。

我が人生を振り返ると、
成毛さんのような長期的な展望が
決定的に欠けていたようです。

これはいかん、いかん、

ということで、

これから沖縄で外食するときは
美味しさ基準でうはなく、
老後基準で店を選ばなくてはなりません。

三ツ星などもっての他でござる。

あ、でも、その前に、そもそも沖縄には
星付きレストランがほとんどなかった(笑)


・・・・・・・


以前、こちらでも紹介させて
いただいたのですが、

沖縄には、満名さんという方が
やられている、満味という
ごはん処があります。

うまいです。

最近、一番しびれたのは
満味で特別に出してもらった

オイルサーディンをガーリックパンに
載せて、島らっきょと紫葉物のピクルスと
一緒に食べるやつです。

オイルサーディンといっても
ただのオイルサーディンじゃないんです。

沖縄の海に海面が黒くなるほど
大群でやってくるイワシたちが原料です。

そのイワシに、サバニという
帆と櫂だけで進む琉球古来の木舟で
そーっと近づくのです。

エンジンがないから、音がないので
イワシも逃げません。

氷の上を滑るように、すーっと近づく
ことができます。

すると、気づけばイワシの真っ黒い大群の
真ん中に、船が浮かんでいる状態になります

その状態で、投網をわさっとやります。

わさっと投げるんです。

そうしたら、それはそれは、
大量のイワシが捕れるわけです。

それを、さばいて小骨をとって
しばし塩で寝かせて、

ちょっとお酢で締めてから、

オリーブオイルにつけたら、

ほら、できあがりです。

もはや、オイルサーディンでは
ないぐらい美味しいです。

あえて表現するならば
オイルサーディンの向こう側です。

そのサーディンをこれまた
新鮮な島らっきょと紫のキャベツみたいな
沖縄の葉物のピクルスと一緒に

ガーリックオイルの効いた
薄っすら焼いた
パンにのせてもぐもぐしたら、

もう、てんやわんやの騒ぎです。

しみじみ、うまかったですよ。

いや、たぶん、あなたが想像している
50倍は美味しいです。

こんど、このイワシ漁とサーディンづくりを
みんなでやれるヤンバルツアーを開催しようと
思ってます。

満名さんプレゼンツで。

人生観もオイルサーディン観も
ひっくり変えるネイベントになるでしょう。

ほんとうに美味しかったなぁ。


・・・・・・・

このように、だんだんと、
美味しいの形が変わってくるのです。

歳とともに。

もうひとつ、

最近、しみじみ、おいしいそうな
話を聞きました。

お米を炊くときにね、
ほうじ茶を入れるんだそうです。

そして、炊きあがったほうじ茶米を
小皿にもった、色んな佃煮をつまみながら
食べるわけです。

く~、うまそうですね。

そして、最後は、ご飯に
ちりめんじゃこと梅をのせて、

そこにほうじ茶をとくとくと注いで
お茶漬けにしちゃうわけです。

あー、美味しそうですよね。

歳をとると、こういうのが
たまらなくなりますよね。

・・・・・・・・

ということで、

おいしいものを食べるっていうのは
楽しいですね。

手作り餃子をつくって
食べるだけでも、

超幸せですもんね。

おいしいものの話をするっていうのも
たまらなく楽しいですね。

ということで、

こちとら、足腰立たなくなっても
通える、馴染みのちょっと気の利いた
ごはん処を探すことにします。

生きる目的が見つかったという
話でした(笑)

それでは、また、メールします。


伊勢隆一郎

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