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熊野古道 中辺路ルート 詳細記録

伊勢です、

いちじくに除霊効果があると
聞いてから、

見かける度にいちじくを
喜び勇んで食べている

除霊好きの41歳です。

さて、、

熊野古道の詳細な
レポートを書いてくれという
熱烈な要望を頂いたので
書いてしまおうと思います。

まず、私がたどったルートを
説明します。


1日目

羽田→南紀白浜 7時半発→8時45分着(JAL)
南紀白浜→滝尻王子 タクシーで30分


■解説
スケジュールの関係で
早朝に東京を出る便になりました。

南紀白浜空港からバスで
滝尻王子までいくことも可能ですが

遠回りになるため、
歩き出す時間が1時間送れるので
タクシーでスタート地点の
滝尻王子に向かいました。

山は日没の1時間前までに
下山しないといけないので
1時間はかなり貴重です。

※注意点
白浜空港にはお弁当などが売っていないので
羽田で買っておくのをおすすめします。

できれば、前日のうちに白浜に入り
温泉とクエ鍋でも食べてゆっくりして
早朝からスタートするのをおすすめします。

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『中辺路(なかへち)ルートを歩く』

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中辺路ルートは、中世の頃から皇族や貴族の人々が
通った「公式参拝路」です。

白河上皇、後白河上皇、平清盛、空海などです。

また、天皇家とのつながりも強く
現在の天皇も雅子様とご婚姻をされる寸前に
歩かれています。

明治と昭和の両天皇については
宮崎神宮を始め、宮崎近辺に
天皇家の影響を数多く見ました。

そして、平成、令和の両天皇は
熊野古道にその足跡を多く見ることが
できたように個人的に感じました。

平成令和は、熊野古道の時代な気がします。

熊野古道は蘇生の路と言われていて、

もともとは、修行僧や高貴な人のみが
歩く路でしたが、

徐々に庶民も歩くようになり
女性や障害者や、病人も受け入れる
懐の深い路となりました。

その辺りも蘇生の路と呼ばれるように
なったことと関係していそうです。

実際、道半ばで倒れた病気の方も
多かったようで、

みちみちにあるお地蔵さんには
道半ばで倒れた人についての
記述がいくつかありました。

歩ききれば、蘇生できるという
言い伝えがあったのかもしれません。

江戸時代には、
お伊勢参りが大ブームに
なりましたが、

伊勢に七度(ななたび)、
熊野へ三度(さんど)

と言われるように両方行って
初めて完結し、伊勢だけでは
片手落ちと言われてるぐらい
熊野詣も盛んなものだったのです。

そんな熊野古道ですが
実際のルートを紹介していきます。

※注意点

最大の注意点は、荷物を宿まで
運んでもらうことです。

滝尻王子の入り口に梅干しなどが
売っているお土産屋さんがあるので
そこの荷物を運んでくれるサービスを
利用することをおすすめします。

登山上級者は、もちろん必要ないですが
初心者は荷物がないだけでかなり楽になります。

荷物を預ければよかった、
そうすれば最後まで歩けた、、

と、後で振り返って後悔しました。

もちろん、苦行を楽しみたい方は
預けないのもありです(笑)

登山の苦しさは、上りの
荷物の重さにあると言えると思います。

そういう意味では、

荷物を預けられる中辺路は
初心者にも優しい
かなり歩きやすい路と言えます。

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『池尻王子→不寝(ネズ)王子』 30分 500M

スタートから500メートル足らずの区間が
中辺路ルート最大にきつい区間です。

心臓破り、太もも破り、
肺やぶりとはこの事です。

歩き出して5分で無理だと思いました。
帰りたいと思いました。

いきなりの正念場です。

胎内くぐりの大岩が300メートル登ったところにあります。

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かなり狭いですが、私でもくぐり抜けられたので
ぜひ、くぐってみてください。

くぐることで、禊が済んだ気がします。

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『不寝(ネズ)王子→高原熊野神社 3.2キロ 1時間50分』

とても気持ちが良い路です。

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尾根づたいで、原生林のままの森も多く
(杉が植えられた人工林ではない)
柔らかい光と爽やかな風とが爽快です。

高原熊野神社は、

文字通り高原にあるのですが
ビリビリきます。

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特に、神社ではなく、その奥にある
御神木の大きさと言ったら
ただ者ではないです。

宇宙人が降りてきて
という画が見えました。

こちらも現天皇の足跡を
見ることができます。

熊野高原神社の少し先に
休憩所がありますので
そこで昼食をとるのがおすすめです。

トイレもあります。

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『大門王子→十文字王子→大坂本王子→牛馬童子→近露王子』

5時間 9.3キロ

高原熊野神社を過ぎると
その後は、トイレもあまり入りたくない
トイレがひとつあるだけです。

高原熊野で水も多めに買って
ひたすら5時間近くことになります。

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日没までの時間との戦いです。

最後の方は、無言でひたすら
歩くことになります。

アップダウンの度に
汗びっしょりになり
その後冷えるを繰り返します。

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色々な感情が湧いて出てきます。

今まで押させつけていた
感情が湧き出てきます。

しかし、

それが人間なのだということにも
気づきました。

人間とは、
どこまでいっても
いつまでたっても
感情をもってしまう
存在なのだと感じました。

体がある時点で
不完全です。

不完全で、不細工で
醜い心と体を持っているのが
人間だと感じました。

そして、私の心と体を
醜いと思わせているのも
また、私の囚われた思考なのです。

あるがままとは
かようにも難しく奥が深い
在り方なのです。

それでも人間として
生きるぞ、という決意と共に
溢れ出る生命力も感じました。

体と魂は別にあり
また、感情も別にある。

山を歩くのは、
それを統合するのに
うってつけな気がします。

最後の方で、三体月の観測所というのが
出てきます。

小説の三体好きとしては興奮しました。

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『近露(ちかつゆ)』

近露で一泊します。

近露でおすすめなのは
民宿近露です。

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温泉がめちゃくちゃ気持ちいいお湯です。

ビシビシきます。

清潔で愛情をもって
細部まで小綺麗にされています。

ご飯は、鮎を焼いたものを
まぶしてくれる鮎ご飯でした。

ご飯の美味しさと温泉の心地よさを
考えると熊野古道の宿はどこも
コスパがいいなと感じました。

あとは、どこの自家製梅酒も美味しいです。


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『近露→発信門王子 バス1時間30分』
8時半ぐらい発→10時着

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本当は近露から熊野本宮まで
12時間歩くつもりでした。

しかし、膝が限界を迎えていたので
なくなく発信門王子までバスで
いくことにしました。

めちゃくちゃ悔しかったです。

次回は、近露から歩いて本宮まで
いくのを目標にしています。

帰ってきてからは、毎日泳ぐだけではなく
砂浜を30分走るようにしています。

うちの前のビーチが2往復でちょうど
30分なので、走りやすいです。

※荷物配達サービス

宿から宿にも荷物を配達してくれます。
なので、最低限のものをつめる歩くようの
小さなバックパックを用意するのをおすすめします。


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『発心門王子→本宮 3.5時間 6.9キロ』

発信門王子→水呑王子→伏拝王子→三軒茶屋跡
→祓殿王子→熊野本宮大社

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発心門王子から熊野本宮大社までは
最も歩きやすい熊野古道だと思います。

なので、体力と時間的に少しだけ
体験したい人はこのルートが
おすすめです。

トイレも頻繁にあり、休憩所もあります。

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また、無人販売所がたくさんあり
無農薬の梅干しや、無農薬の新茶などが
買えます。

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おもしろいのが、入り口の無人販売所では
梅干しがひとつ100円で売られていました。
(猫が販売)

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進む事に値段が下がり、
20個入って400円になり
最後は10個入って200円まで
下がります。

無人販売所が出てくる度に
買っていたので4つも買ってしまいました。

どの梅干しもめちゃくちゃ美味しいです。

水呑王子は、空海が杖をついたら
水が湧いたと言われている場所です。

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個人的に、一番ビリビリ来たのは
三軒茶屋跡から祓殿王子の間の路で、

間に巨大な岩が山肌に不自然に
重なっている場所があり

そこがもともと自然崇拝をされていた
場所だったのではないかと感じました。

ただ、岩をみていると
崖から落ちそうになるので
気をつけてください。

祓殿王子も良い空気感でした。

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『熊野本宮大社』

ゴールです。

八咫烏がシンボルとなっています。

八咫烏は神武天皇が熊野古道で
迷ったときに道案内をしたと言われていて
天皇家と縁が深いです。

サッカー日本代表のシンボルは
八咫烏ですが、

サッカー、Jリーグと天皇家の
関わりが深いことも有名です。

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正直、本宮はさほど見どころもないのですが、

本宮から徒歩5分ほど歩いたところに
日本一の大鳥居があります。

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その場所こそ、明治22年まで
熊野本宮があった場所です。

明治22年に大洪水で流されて
しまったのですが、

もともと3つの河の中洲にあったのが
熊野本宮だったのです。

また、この河が美しいのです。

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温泉成分(硫黄)を含んでいるためか
エメラルドに輝いています。

お昼ごはんはめはり寿司

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『川湯温泉』

熊野本宮近くには3箇所の
温泉街があります。

最も有名なのは湯の峰温泉で
昔ながらの風情ある温泉街です。

次回は湯の峰に宿泊しようかと
思っています。

ただ、一度は泊まって欲しいのは
川湯温泉です。

冨士屋という旅館に泊まりました。

古くてきれいではないのですが
食事は美味しかったです。

しかし、

それよりも、何よりも
素晴らしいのが、

宿の目の前に河が流れています。

その河の河原は石が
ゴロゴロしているのですが、

そこをスコップで掘ると
なんと、温泉が出てくるのです。

なので、自家製の露天風呂が
つくれるのですが
本当に気持ちがいいです。

もうやばいです。

岩盤浴のようにホカホカの石に
囲まれて、文字通り湧き出る
100%の源泉を楽しめます。

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かなり疲れがとれます。

河もきれいて鮎がたくさん
泳いでいます。

河も冷たいですが向こう岸まで
泳ぐと、また、温泉が湧いています。

2時間ぐらいずっと天然自家製
露天風呂に入っていました。

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『川湯温泉→新宮駅』
川奈発→新宮駅 7時30分発→8時40分着

翌朝7時半のバスで新宮駅まで向かいました。

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そして新宮駅の駅前のトヨタレンタカーで
車をゲットしました。

オリックスレンタカーもありますが
台数が少ないようで中部国際空港での
乗り捨てができなかったので
トヨタレンタカーにしました。


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『速玉大社』

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熊野三山とは、
熊野本宮大社、
熊野速玉大社、
熊野那智大社の

3つになります。

速玉大社は新宮駅からすぐです。

東京などにもあるような
きれいで整った大社です。

個人的には好きな神社でした。

本宮よりも好きでした。

ただ、やはり熊野は
中辺路ルートを歩く事こそが
熊野詣だなと感じました。

神社だけまわっても
あまり意味がないように思います。


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『那智の瀧 飛龍神社』

新宮から来るまで40分ほどで
那智の滝に行けます。

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飛龍神社は那智の瀧自体を
御神体としています。

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那智の瀧は、一段の瀧としては
高低差日本一です。

面白いのは、瀧という時は
さんずいに龍ですが、

那智の瀧は、めちゃくちゃ龍に見えます。

文字通り龍が飛んでいるから
飛龍神社です。

那智滝の横には、

『熊野那智大社』

が、あります。

神仏一体時代の名残があり
神社とお寺が併設されています。

ただ、おどろおどろしい感じと
長らく山にいた体には、
人も多すぎて、
あまり楽しめませんでした。


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『伊勢神宮』

那智から3時間ほどかけて
伊勢神宮に行きました。

夕方について、外宮をまずは参拝しました。

そのまま、車で15分ほど離れた
二見海岸の宿に泊まりました。

熊野から伊勢にかけては、
イザナミが死後閉じこもった
黄泉の国への入り口の
「花の窟」がありますし、

いざなぎ、いざなみの子である
天照大神が伊勢神宮に祀られていますので

私もゆかりのある
淡路島(伊弉諾神宮があり最初にイザナギ・イザナミが
つくった島が淡路島で国産みの島と言われている
正確には淡路の沼島と言われてる。沼島もいきました)

から、熊野、伊勢へのルートというのは
古事記のルートですね。

実際には、天照大神をどこに
祀るかで、場所を探していたので
日本各地には元伊勢と言われる場所が
あります。

京都の日本海側にある籠神社(この神社)
も元伊勢です。

籠神社と真名井神社は好きな神社です。

それで、

最終的に伊勢になるわけですが
その場所を探す役割だった倭姫命が上陸したのが
二見海岸と言われています。

そこには、天照大神が隠れたと言われている
岩戸もありますし、

夫婦岩と言われる岩もあります。

伊勢神宮への正式参拝は
まず、二見海岸で禊をして
その後に伊勢神宮に参拝するようです。

その辺りは下りは全く知らなかったのですが
早朝の6時過ぎから夫婦岩にいき、

海岸で足を洗い、

竜宮社が気になるなと
思って参拝したところ

雨があがり朝焼けを
拝むことができました。

朝焼けはわずか3分ぐらいだけでした。

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その後、伊勢神宮の内宮に行きました。


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ということで、

細かい旅程を書いてみました。

おそらく行かない人にとっては
全く役立たない内容だったと思います。

ただ、

熱烈に行きたいという声が
ありましたので
紹介させて頂きました。

何より、ネットで検索をしても
ほとんど熊野古道の情報というのは
出てこず、

自分自身がかなり困ったので
まとめておこうと思いました。


伊勢隆一郎



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